2012-02-10
山田花子回顧祭



池袋の住宅にうもれるブックギャラリーポポタムの奥の部屋で開催されている山田花子回顧祭。展示されていたものについては小学生一年生の作文と幼稚園のお絵かきの画用紙がべらぼうによかったので先天性の天才であることは言うまでもなく間の悪さと抽象的で深刻な気まずさをほんの数ページで簡潔に表す能力に抜きん出ていて、まあそれが本職の人に抜きん出ているなんていうのはナンセンスなんだけど。
私が話したいのはご本人の展示品でもなく後輩作家の方々のオマージュ作品でもなく叩き売りされていた遺品の本や漫画や雑誌についてで、プレミアはついておらずむしろ古本屋より安いどころかワンコインのものがごろごろと転がっていた。お客さんは皆しゃがみこんでは小脇に抜き取り立ち上がっては周りを見渡しを繰り返しながら何冊もレジに運んでいてもちろん私も何冊も購入、開催初日に行って大正解。本棚は全体的に大御所の日本純文学作家のマイナータイトルとアイロニカルなコラム本と蛭子能収とビートたけし、それからもちろんガロ。
私が選んだのは山崎浩一のコラム、山村暮鳥の詩集、Zちゃんの絶版バージョン、クリシュナムルティの日記、FILEのボリューム3、ミロの画集の7冊でこれ全てで1000円ぴったり、遺品だからボールペンで傍線がひかれている箇所があったりもする。古本を買った人にひとつカセットテープをプレゼントする仕組みなってたんだけどそのカセットテープっていうのがまた山田花子さんが自分でお気に入りの曲をダビングしたものに直筆で曲名などを書き込んでいるモロ遺品でかなりの量がダンボール内に並べられている中から「脱毛直後の僕のうでは皮をむかれたゆで玉子のように心細い」と書かれた黄色いものをチョイス。検索してもひっかからないフレーズである上にA面B面合計11曲すべて違う人の曲なのでおそらくオリジナルのフレーズである。借りものの海辺が3曲目にはいってる。
離脱してすいどーばたの数軒となりで遅めのお昼ごはん、猫をなでかけている手のポスターをながめながら食事。一緒に行ったユニィは病気のクリオネのようなコートを着ていて、労働未満のお仕事に一睡もしないままでかけていった。




