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2015-02-23

[] 藤目ゆき『「慰安婦」問題の本質』刊行

このたび白澤社では、藤目ゆき著『「慰安婦」問題の本質──公娼制度と日本人「慰安婦」の不可視化』を刊行しました。

著者の藤目ゆきさんは、公娼制度、廃娼運動、米軍基地周辺の性犯罪などに取り組む近現代史の研究家。フィリピンで初めて声を上げた元「慰安婦」にされた女性に、自らの体験を記録することをすすめ邦訳書を刊行するなど、被害者の尊厳回復のための活動もしてきました。

この本には、著者がこれまでに「慰安婦」問題に関して発表した論文や講演録がまとめられています。

その内容は「慰安婦」問題をなかったことにしようとする声が大きくなっている現状にまさに通用するものです。

著者は、20年余前初めて韓国の元「慰安婦」被害者が名乗りを上げて以来、問題解決に向けさまざまな取り組みがなされてきたにもかかわらず、なぜいまだに「慰安婦」問題は解決できないのかと問います。

そして、圧倒的に多数だったはずの日本人「慰安婦」が1人も名乗り出ていないという事実に焦点をあて、近代公娼制度以降の歴史のなかにこの問題を位置づけなければならないと説きます。

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概要

書 名:「慰安婦」問題の本質

副 題:公娼制度と日本人「慰安婦」の不可視化

著 者:藤目ゆき(ふじめ ゆき)

体 裁:四六判並製、208頁

定価:本体価格2000円+税

ISBN]978-4-7684-7957-5

内容

慰安婦」問題をめぐり朝日新聞の記事取り消しと謝罪にことよせた反「慰安婦」キャンペーンなどが高じて、「慰安婦」問題は全て虚偽だと決めつけるような声が大きくなっている。

本書は公娼制度、廃娼運動、米軍基地周辺の性犯罪などの近現代史研究家であり、フィリピンで初めて声を上げた元「慰安婦」被害者の女性の体験の記録にもたずさわった著者が、「慰安婦」問題を否定する言動の誤謬と、対抗言説の陥穽を鋭く指摘。近代公娼制度以降の女性の性をめぐる歴史の視点から、なぜいまだに「慰安婦」問題を解決できないのか、なぜ日本人「慰安婦」は一人も名乗り出ないのかに焦点をあて、問題の本質に迫る。

本書第二部第4章より。

最近、「慰安婦」問題に関する議論は「何もかも全部嘘だった」というようなデマゴギーがばらまかれて滅茶苦茶な状態になっていますが、私は「慰安婦」問題解決を望んで市民運動をしている人々の間でもこの問題がシングルイシュー化し、到達していたはずの水準よりも議論がすっかり後退しているのではないかと危惧しております。現在の状況を打開するためにも、問題を歴史的に捉えなおす必要があると思います。

目次より

序 章 「慰安婦」問題の解決を妨げるもの

第一部 性暴力問題をみる視点

第1章 女性史からみた「慰安婦」問題

第2章 日本人「慰安婦」を不可視にするもの──女性国際戦犯法廷に参加して

第3章 被差別部落買売春

コラム 女性史の封印を解く仕事

第二部 なぜ「慰安婦」問題を解決できないのか

第1章 日本軍慰安婦」被害者金学順さん証言から二〇年

第2章 現代の軍事性暴力と「慰安婦」問題

第3章 日米軍事同盟が生み出した性売買をどう考えるのか

第4章 日本軍慰安所」を作り出した性の歴史

著者プロフィール

藤目ゆき(ふじめ ゆき)

1990年京都大学文学研究科単位取得満期退学、博士。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。日本近現代史、女性史専攻。アジア現代女性史研究会代表。近年は「占領軍被害の研究」と「冷戦時代の国際女性運動」の研究プロジェクトに取り組んでいる。

主な著書・訳書に、『性の歴史学──公娼制度・堕胎罪体制から売春防止法優生保護法体制へ』不二出版(1997年山川菊栄賞記念賞受賞)、『女性史からみた岩国米軍基地──広島湾の軍事化と性暴力』ひろしま女性学研究所、『グローバル人間学の世界』(共著、中村安秀・河森正人編、大阪大学出版会)、『ある日本軍慰安婦」の回想──フィリピン現代史を生きて』(M.R.L.ヘンソン著、岩波書店)など多数。

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