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2012-02-09 絶対評価と相対評価

大阪府の松井知事と大阪市の橋下市長は、府と市の2月議会にそれぞれ提案する職員基本条例案について、職員同士を比較して5段階で人事評価する「相対評価」を盛り込む方針を決め、府市幹部の任期付き公募や勤続20年以上の職員の天下り禁止規定も明記されているといいますから公務員制度改革に着手した形です。中でも2年連続で最低評価を受け、指導や研修でも改善の見込みがない職員は分限免職の対象とするということで、厳しい対応になっていくようです。私が子供の頃は、公務員が一番安定した職業で、お役所仕事だから高給で、クビにもならないし、一生仕事ができる、辞めてからも保障が手厚い...なんてことを言われて、公務員になれとよく言われました。今は、もうそんな時代ではないということなんでしょうね。公務員といえども職種も業務も様々で、警察官や消防士といった命を張った特別な任務や性質をもつ職種もありますから一概に「公務員お役所仕事」というわけにもいきませんが、一般企業にはできない大きなプロジェクトに関わりたくて公務員を目指す人も多いです。

絶対評価と相対評価という言葉は、人事評価の時に必ず出てきます。簡単に言うと事前に定めた一定の基準にもとづき、その到達度を評価する「絶対評価」と特定の集団内の順位づけや相対比較によって評価する「相対評価」があります。例えば、マラソンで一定のタイムを上回るかどうかを評価するのが「絶対評価」で、順位を競うのが「相対評価」と言えます。絶対評価は、一定の基準に達しているかどうかを評価するので、その基準を1つの努力目標として設定し、努力することができます。これは、人材の育成や活用に適しています。一方、相対評価は、順位付けが中心になりますから無用な競争を煽ることにもつながりますし、評価者の評価の偏りなども出てくる可能性があります。今は成果主義を取る企業も増えていますが、年功序列の人事評価では、この相対評価が主流でした。仕事ぶりは、まあ、見ていればわかるものですし、多くの経験を積んだ人の方が評価が高くなるのは当たり前とも言えます。

人が人を評価するというのは、本当に難しいものですし、仕事ぶりを何を基準にして、または誰を基準にして比較し、評価するのかといった物差しがなければ、たとえば営業マンは数字を挙げるのが仕事だとはいえ、極端な例で言うと絶対評価だと目標を達成するためには、他人の足を引っ張ったり、不正をしたりと手段を選ばない輩が出てくる可能性もあるわけです。だったら相対評価で能力の拮抗している者同士で、いい意味での競争を煽り、相互に能力向上をさせ、達成すべき目標も意識させつつ、努力を促すという方法がいいんでしょう。一般企業では、当たり前のことという気もしますが、最終的には、少数の仕事のできる人間を残して、スリムな体制で財政の立て直しをしたい...そんな感じですね。公務員だから安心という時代から戦々恐々とした緊張感も高まる時代へと変わり、公務員も一般企業も同じ基準、水準で人事評価、人材確保をしてスリム化を図り、経営の安定を考える時代になったのでしょうね。

成果主義と人事評価 (講談社現代新書)

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