Classic 8-bit/16-bit Topics

Classic 8-bit/16-bit Topicsでは、海外での出来事を中心に、旧世代のコンピュータ/ゲーム機に関する雑多な話題を書き散らしています。ただしゲームミュージックやチップチューンなどに関してはVORCで専門に扱っていますので、ご興味がおありのかたはそちらもどうぞ。

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04.29.2004

[][] Tulip Computers, C64 Direct-to-TV の発売を予定

いやはや、プラグ・アンド・プレイ復刻の潮流はどこまで拡大していくのでしょうか。今度は、昨年7月にコモドールの商標を買い取ったオランダのチューリップ社が名乗りを上げました。正式なライセンスを持つメーカの参入としては、JAKKS Pacific, INTV Corp., Radica Gamesに続いて、四番手ということになりますね。

チューリップがアナウンスしたのは、コモドール64のゲーム30本を収録した「C64 ダイレクト・トゥ・TV」。今年下半期に30ユーロで発売するとのことです。米国向け (NTSC仕様) も予定されているので、日本のテレビにも接続できそうです。肝心のラインナップについては、いまのところエピックス (アタリ・LYNXの設計に深く関わったことで有名。現在はアタリが権利の大半を保有) のClassic Gamesシリーズ、つまりSummer Games, Winter Games, World Games, そしてLYNXファンには堪らないCalifornia Gamesの四本が挙げられているのみで、それ以外は不明です。形状は見たところJakks Pacificの「Activision 10 in 1 TV Games」によく似たものになるようです。しかしコモドール64の名作にはキーボード操作を要求するものが少なくないので、収録タイトルは必ずしも人気作ばかりとは限らないかもしれません。

それにしても例によって、内部のメカニズムが気になるところです。コモドール64をワンチップ化する具体的な試みは聞いたことがないし (というか、サウンド部にアナログ回路を抱えている関係上、FPGA/PLDテクノロジによる完全ワンチップ化は事実上不可能といわれています)、チューリップにその方面の技術的蓄積があるとも思えないので、おそらくJAKKSやINTVがやっていたように、手作業による移植に走るのではないかと見られます。となると、移植精度に問題が出てくる可能性も高いでしょう。じっさい、Slashdotにはすでにその種の不安が渦巻いています。まあコモドール64の場合は、アタリやナムコと違って正式な復刻そのものが珍しいわけですから、こういう製品が出るだけでもまずは十分歓迎に価すると思いますけどね。

from Lee's Peek`n' Poke

[] MSX互換マザーボード「eMSX2++」開発プロジェクト始動

MSX用のさまざまな同人ハードウェアを開発・販売しているスペインのLeonardo Padial Electronics (LPE) が、MicroATXケースに収納可能なMSX2+互換基板開発をスタートしました。これまで試行錯誤を重ねていたEMSXをコンパクト化しつつ、さらに一歩前進させたもので、MSX Resource Centerの記事によると、以下のような仕様を予定しているそうです。

  • 3.5MHzから50MHzまでで動作可能なZ80プロセサ
  • V9958 VDP
  • 512kB RAM, 128kB VRAM, 512kB FLASHメモリ
  • RTC (リアルタイムクロック)
  • PS/2キーボード接続可能
  • Joystickポート
  • 双方向EPPプリンタポート
  • カートリッジスロット

100%互換を謳ってはいるものの、いまのところPSGはあえて搭載しない方針のようです。LPEは一方でPSG/SCC/FM (OPLL) 搭載のMSX用新音源カードを販売してもいる (現在は休止中っぽいですが) ので、サウンドはこれに任せて、メイン基板はとにかく低コストに抑えようということなのでしょう。サウンドをあえて完全互換にしないところも含めて、この設計思想はロシアのZXスペクトラム互換機・Sprinterにかなり近いものといえます。これは私の知る限り、まがりなりにも商業ベースに乗っている唯一の現行8-bit互換パソコンです。それだけにeMSX2++は、CIEL 3++MSX Phoenix Projectのような、一向に進展する様子のない他のMSX互換機プロジェクトよりは、よほど有望といえるのではないでしょうか。もちろんMSXである以上、実機と100%同じBIOSを使うことができないというネックが、どこまでも付き纏います。そこがスペクトラムとは決定的に違うので、今のままでは思うようには普及させられないでしょうけどね。

Iggy DIggy D 2004/04/30 03:28 コモドール1のFPGA技術を利用しようと思っているのでしょうか。まさかのことですが...実のC64復刻を作らない場合、どんな仕様に移植しようと思っているのかしら.又ワンチップ化ファミコンになれるんですかね。両プラットフォームが大きく違っているので昔のゲーマー達がどんあ様にこの「偽物」を歓迎するかは不安ですね。まあ、30ユーロの値段で価値もあまり無いと思います。そんなお金で欧州全土で本物が簡単に手に入りますから...

hallyhally 2004/04/30 04:55 そうですねえ、C=1そのものがまだ発売されていない現状では、やはり考えにくいですね。私も結局ワンチップファミコンに落ち着くのではないかと見ていますが、形状が形状なので、あるいは実はJakks PacificがOEM供給…なんて線もあるかもしれません。30ユーロはさすがに高すぎると思いますが、現実問題としてライトユーザーには本体よりもソフトの入手が大変でしょうから、しっかり移植できてさえいれば、そこそこ需要はあるのではないでしょうか? もちろんゲームのラインナップが充実しているという条件付きでですけどね。

BKCBKC 2004/04/30 23:19 おそらくその話からいくと、ファミコンの音もアナログ出力ですからFPGAによる1チップ化は不可能ですが、FM音源エミュレーションと同じく別の方法で実現できるのではないかなと思います。ただ、あまり詳しくはありませんが、SIDの場合はフィードバックするようなので、それはエミュレートになると思いますが…。

hallyhally 2004/05/01 01:32 SIDの問題はまさに、フィルタ回路がアナログだということなのです。別の方法で実現しようにも、挙動がまだ完全に解明されていないわけです。

BKCBKC 2004/05/01 08:40 それだと互換機を作る以前の問題なのではないかと思います。SIDのエミュレータが発する音は完全ではないとなれば解析を進める必要があるんでしょうね。しかしフィルタ回路がチップの中に搭載されているのであれば難しいのでしょうけど。話を戻すと、FPGAを使うことだけがワンチップ化だけではないんですよね。先のワンチップファミコンもFPGAではないですし。FPGA化よりもASIC化の技術があればよいと思われます。

hallyhally 2004/05/01 12:22 フィルタ部が適当でも現実的には致命傷にならないということで、まあ互換機の作成自体は (ライト層が許容するレベルでは) 問題なくできると思います。ご指摘のように、エミュレーションやFPGAではいつまでたっても埒があかないというだけで、最近はアナログフィルタ部再現の手段としてFPAAに注目が集まっています。ただこれは本当にごく最近の話なので、まだ具体的な成果は上がっていません。

PANGPANG 2004/05/02 18:20 無知なものでして。よろしければ64のサウンド部のアナログ回路について、簡単にご解説いただけないでしょうか。

OKOK 2004/05/03 23:38 SIDのフィルタは2048段階しかないらしいので、2048段階分のインパルス応答を調べればそれで終わりな気がするんですけど。,それ以上の正確さが要求されているのでしょうか…聴いて差がわかるのかなぁほんとに(^^;

OKOK 2004/05/03 23:42 あ、ちなみにSIDチップは僕も良く知らなかったので、ここ→tp://stud1.tuwien.ac.at/~e9426444/sidtech.html を見ました.フィルタはチップ内に埋め込まれてるみたいですね.

hallyhally 2004/05/06 15:50 PANGさん: C=64のサウンド回路は、すべてSID (MOS 6581/MOS 8580) という三声同時発音可能なチップに集約されています。サウンドの基本となる三要素 (音色, 音量, 音程) はデジタル回路が生み出すので、ここまではいわゆるPSGに近い構造といえるでしょう。PSGならあとは発音するだけで終わりなのですが、SIDの場合はそのあとさらにフィルタを通すことで、音をこもらせたり、低音を弱めたり、特定の音程だけを強調したりできます。そしてこれは、アナログシンセサイザと同様の仕掛けで行われているわけです。

hallyhally 2004/05/06 17:40 OKさん: ハイパス/ローパスフィルタは2048段階ですが、さらに16段階のレゾナンスも同時に使用可能なので、あわせれば32768種類…で合っているのかな。とにかくより多彩な音がフィルタから出ることになると思います。曲者なのはこのレゾナンスのほうで、信号レベルの強弱で劇的に反応が変化するのです (詳細はこちらを参照してください: http://groups.google.com/groups?selm=ud8zfojk9i.fsf%40sid.nimrod.no&oe=Shift_JIS&output=gplain)。これでは、下手をすると50万通り以上のサンプルが必要になるのではないでしょうか。それから、もうひとつ問題を厄介にしているのが、SIDのアナログ部が非常に安っぽい構造になっていることです。リヴィジョンごとにフィルタのかかり具合が異なるのはもちろんのこと、厳密には同一リヴィジョンでも完全に同じ音にはなっていないそうです。いちばんまともなSIDエミュレーションを行っているlibsidplay2がどのリヴィジョンを参考にしているのかは分かりませんが、このことが改善点を見えにくくしているのは確かでしょう。

OKOK 2004/05/06 18:20 ぐわ。斜め読みですんません。レゾナンス見てなかったです(^^; ニュース記事も読みましたが、SIDがエミュレーションがここまで奥深いとは知りませんでした!

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