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Classic 8-bit/16-bit Topics

Classic 8-bit/16-bit Topicsでは、海外での出来事を中心に、旧世代のコンピュータ/ゲーム機に関する雑多な話題を書き散らしています。ただしゲームミュージックやチップチューンなどに関してはVORCで専門に扱っていますので、ご興味がおありのかたはそちらもどうぞ。

2014/05/29 長年放置しておりまして、申し訳ございません。ここやVORCで書いていたような研究は現在、主に各種『ゲームサイド』誌に書き綴っております。よろしければご覧くださいませ。またそのほか最近の動向に関してはtwitter:@hallyvorcにてお知らせしております。いずれ更新を再開したいとは思っております。



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12.13.2004

[] ワンチップ化達成機種一覧

いよいよワンチップ化による旧世代機再現ムーブメントが多方面で活性化してきたわけですが、現時点までにどういった機種がワンチップ化を達成してきたかを、このあたりで振り返ってみるのも一興かもしれません。




オリジナル発売年機種チップ名ワンチップ化開発初採用商品
1946ENIACENIAC-on-a-Chip1996University of Pennsylvaniaなし
1977Tandy Radio Shack TRS80ZXGATE2002Daniel 'Jesus' Wallnerなし
Atari VCSRP2A101987頃RicohAtari 2600Jr.後期型
2600 on-a-Chip2004Carlos F. LopezRetroGames LLCより発売予定のジョイスティック型ゲーム機
1978Bally AstrocadeBally Astrocade in an FPGA2004MikeJなし
Luxor ABC-80ABC80 in an FPGA2003H. Peter Anvinなし
1980Sinclair ZX81ZXGATE2002Daniel 'Jesus' Wallner なし
Commodore VIC-20Commodore VIC-20 in an FPGA2003MikeJなし
1982Sinclair ZX SpectrumZXGATE2002Daniel 'Jesus' Wallner なし
Commodore 64不明2004C-One team (Jeri Ellsworthほか)Commodore 64 Direct to TV (2004)
1983Jupiter AceZXGATE2002Daniel 'Jesus' Wallner なし
Nintendo Family ComputerUMC6561/6576/6578/65821992〜1993頃UMC各種ファミコン互換機
MSXOne Chip MSX2004MSX Association形態未定 (2005/3頃?)
1989Sega Mega Drive 315-5960/61231996頃Sega + YamahaジェネシスII末期

※MikeJ氏は他にもさまざまなアーケード基板をワンチップ化しています。

2000年代のものはすべてPLD/FPGAによるものですが、こうやって並べてみると、その集積能力が今1982〜1983年頃のパソコン規模に達しているらしいことが分かりますね。16-bit機の時代もそう遠くはない…のでしょうか?

BIOSやメモリなどは含まない、いわゆるシステム・オン・ア・チップ (SoC) の路線で完成しているものとしては、他にもシーラス・ロジック製のPS7500FE (RiscPC), ナショナル・セミコンダクタ/AMD製のGeode (PC/AT互換機), 3DO後期の廉価型 (FZ-10) に搭載されたCALVINなどがあります。ドリームキャストのワンチップ化を謳うルネサス・テクノロジのSH3707も、ある意味ではこれに属するといえるかもしれません。

またワンチップにこそ到達していないものの、PLD/FPGAでかなりの小型化を実現しているものは、他にも無数にありますね。FREE WING氏の各種アーケード基板、kwhr0氏のPC-8001あたりは特に有名でしょうか。先日はkrackmania氏にコメント欄にてNES on FPGA (sakamoto氏) を教えていただきました。ファミコンだと海外にもDavid Quinn氏, Mortimer Hubin氏らによる同名別プロジェクトがあります。その他海外勢ではAcorn BBC/Atomやアタリ800XLなどに取り組んでおられるイギリスのキース・ハウエル氏が要注目。あとDEC PDPシリーズのFPGA化に向かっている人も大勢いますね。

idrouggeidrougge 2004/12/14 20:20 http://www.abc80.org/~hpa/fpga/

hallyhally 2004/12/15 07:46 お、ABC-80も。追加させていただきました。毎度情報提供ありがとうございます。

03.04.2004

[] GBA Time Machine 詳細レポート

日本ではアドファミという名称で発売予定になっている、GBA用ファミコンカートリッジアダプタ「GBA Time Machine」の詳細が、力生でレポートされています。ファミコン互換機のようにワンチップファミコンを使用しているのか、それともすべてエミュレーションでまかなうのか…という点が最大の謎だったのですが、このレポートによると (というかアドファミの説明にも書いてあるのですが)、

  • 一部の互換機同様、単三電池が4本必要。
  • サウンドがGBA本体ではなくTime Machineの内蔵スピーカから鳴る。

ということで、どうもワンチップファミコンの線が濃厚なようです。つまり再現精度も巷のファミコン互換機と同等と考えていいわけですが、このレポートでは「本体が妙に大きく使いにくい」「NES仕様カートリッジが使えない」そして何よりも「高価すぎる」という理由で、「もし出るなら、任天堂の公式アダプタが出るのを待ったほうがよさそう」と結論付けています。

しかしそれにしても、どうしてこんなに高価なのでしょうね。6980円というと、一般的なファミコン互換機の倍額以上です。Game AxeGame Theory Admiralを基準にした価格設定なのでしょうか? GBAの液晶は、当然ながら外部入力を考慮してデザインされているわけではないので、映像のデコードにかなり工夫を要したであろうことは想像にかたくありません (そのせいかどうか、レポートによると、製造単価はどうもGBA本体なみになってしまっているそうです)。しかしUMCのワンチップファミコンが単価100円程度で流通している今のご時世に、消費者をこの価格で納得させることは、ちょっと難しいでしょうね。

レポートの後半では、トイザラスやウォルマート、カルフールといった大手小売店における、昨今の8-bit/16-bit互換機流通事情に触れています。こちらもなかなか興味深いのですが、そろそろ英国ツアー出発の時間なのでこのへんで。

Iggy DIggy D 2004/03/09 01:40 まったくああいうものを欧米で販売しようと思っていますか。ファミコンのゲームはまあ、携帯可能でしょうが、CDケースの大きさを超えるNESカートリッジはどうしても持って歩き回れませんからね...

hallyhally 2004/04/14 14:12 こんなの作っている欧米人もいますが、携帯できても、やはりこれじゃなあ…という感じです。http://www.classicgaming.com/nestable/actual_prototype.shtml

01.28.2004

[] 二代目ワンチップ2600

アタリ通の人ならご存知でしょうが、Atari VCSのゲームを127本内蔵した「TV BOY」というコントローラ型ゲーム機が、1994年頃から日本でも出回っていました。そう、あれも実は、VCSの機能をワンチップに集約することで実現したものなのです。もっとも「TV BOY」はアタリになんら許諾を得ていない海賊版のクローン機ですから、内蔵チップも当然リコーのそれとは別物です。

ケヴィン氏の解析記録を読むと、これがまた実に奇妙なチップで、厳密にはワンチップ2600とは呼べないものであることが分かります。彼は「TV BOY」のチップで本物のVCS用カートリッジを動作させる実験を行いました。そしてその結果、多くのソフトが物理的に破壊されてしまい、かろうじて動作するソフトも、スプライトの表示が滅茶苦茶になってしまうことをつきとめています。ようするにこのチップは、本家の代用品として用いることをまったく想定していない、ワンチップ2600とは似て非なるものだということになります (にも関わらず、ヨーロッパではこのチップにカートリッジスロットをくっつけた、非常に紛らわしいVCSクローン機が出まわっていました。実際にカートリッジ損壊の被害も報告されています)。著作権表記以外は本家そのままだと信じられていた「TV-BOY」の内蔵ソフトも、実際はこのハードにあわせてカスタマイズされた、専用ソフトだったのです。しかし一体、なぜこんな中途半端な互換チップが生まれることになったのでしょうか。単なる技術不足の結果として片付けていいものでしょうか?

ケヴィン氏はもうひとつ、興味深い事実を指摘しています。「TV-BOY」はファミコンと同じクロック周波数で動作しており、カラー情報の生成方式までファミコンと同様だというのです。単なる模倣というより、明らかに「任天堂テクノロジ」に基づくもので、つまりこのチップは、ファミコンとVCSの性能を併せ持った、両機の中間にあるようなものだということになります。

こんな形でアタリと任天堂の技術を融合できる企業は、私が知る限りひとつしかありません。台湾の聯華電子 (UMC) です。クローンチップの影に聯電あり。IBM-PC互換機のCPUに詳しい人なら、往年の386/486互換チップメーカーとしてその名前をご記憶だと思いますが、実はそれ以前にも、ゲーム機方面で影に日向にさまざまなクローンチップを開発していた経緯があります。聯華電子はかつてアタリと正式に提携し、ワンチップ版ではないほうのAtari 2600jr.用にチップを供給していました。またいっぽうで、早くからファミコン互換チップの開発にも着手し、1990年代には海賊版ファミコンのチップ供給を一手に担うようになります。「TV-BOY」が市場に登場する少し前には、ファミコンのワンチップ化も達成していました。そう、この会社がなければ、ファミコン互換機の隆盛はありえなかったのです。そういうわけで、私にはファミコンとVCSの双方を理解し尽くしたこの会社以外に、このようなチップを作るメーカがあったとは思えないのです。

聯華電子の仕業だとしたら、ファミコンとVCSの融合には、何か明確な意図があったはずです。ワンチップファミコン用の部品を転用できるようにしたかったのか、それともファミコン専業プログラマが、あまり労力をかけなくてもアタリに対応できるようにするためか…。本当のところは分かりませんけどね、

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