小石川植物園


道しるべという名の木に導かれて小石川植物園へゆきました。
梅の盛りには梅を、桜の盛りには桜を、目いっぱい堪能したい。
今日咲いていた花も明日には落ちるかもしれませんから、
毎日が贈りものと思って過ごせたらいいな。

東京大学総合研究博物館に隣接するこの公園は、
目黒にある同じく東大の施設である自然教育園と同じで、
人の手を加え過ぎておらず少々デカダンスなのが良いのです。
自然のままに冬季を迎えた薬草園などは、
正直な話…墓標の並ぶ弔いの地にしか見えなかったけど、

ほら、ふり向けば春はぐんぐん色彩を伴って迫ってきています。
紅白の梅が地面のモスグリーンに映えるさまはとても綺麗です。
この日はちゃんと梅の香りも漂っていたから深呼吸したのでした。

大粒に咲く梅は、ほろほろこぼれて来そうで見るだけで幸せでした。
繊細な花びらの重なりは和菓子のようです。

足下も楽しいです、これはサルノコシカケがこじれちゃって肥大したやつ。

何があったか知らないがすっぱり切り落とされて樹も私も青天の霹靂です。
しかし向上心は棄てていないようだ。

ハンカチの木という中国のある特定の地域でしか生育していないという植物。
アボガド大の謎の実がなっていてとても気になったのだけど、
近づけないよう囲ってあったのでぐるぐる巡回しながら地団太を踏んだ!

ぽくんとぶつけたのか、見事にこぶが生まれていました。
鼻にもへそにも見えるので写真に落書きをしてみると楽しいでしょう。
私は小人になってこのこぶの上で昼寝をし、伸びをする自分を見ました。
もしかしたら虫こぶだったりして…ぎゃあああ。

諸星大二郎その1、夜になると歩き回るようです。

諸星大二郎その2、近づくと人を食うようです。

地味な樹が続いたので映りこみも美しい池を、橋の上から望みます。
ぽこぽこ山は恐らくツツジだろうから5月頃は一層鮮やかなのでしょう。

虎視眈々と食べ物を狙うのは豊満なからだつきの鯉たちです。
口元の折り畳みの仕組みについてしゃがんで観察していたら、
東大総合研究博物館の閉館時間になってしまった。
また別の花も開くだろうし近いうちに来ようと思います。