バイク道楽再開


※山陰山陽ツーリング(2009年)での一コマ「角島大橋
  家族や友人などは知っていたことですが、1年半前にオートバイに乗るのを辞めて、オートバイとその関連のもの一切をツーリングクラブの仲間に譲り渡していました。52歳からという遅咲きライダーで、13年間も楽しんできたオートバイ道楽を辞めた理由は次のようなことでした。
①5月(2009年)連休に仲間と行った「山陰・山陽ツーリング」の際、長距離の疲れか、給油で立ち寄った現地のガソリンスタンドで、オートバイを転かしたこと。グラッと来ても踏ん張れるはずなのに支えきれなかったことがとてもショックであったこと。
②そのツーの最終日、大雨の中を東名高速等で家路に急ぐ途中、左右、前後の車も見えない中を通り慣れた道という勘だけで運転している自分にふと気がつき、こんなことをいつまでもやっていたのでは命がいくつあっても足りないと、急に強く思い至ったこと。
③その年の2月に現役時代の職場の後輩たちから、「1周でもよいから」と、「リレーマラソン」(1周2キロの公園を7人のメンバーで代わる代わる21周走る)のメンバーに誘われて練習したところ、500メートルも連続して走れない自分の体力のなさに愕然とし、なんとかしなくては思ったこと。
 前期高齢者(65歳)という節目の歳でもあり、2,500kmに及ぶ長距離ツーを走ったことをよい区切りとして、きっぱりとこの道楽を辞めよう。これからは機械ではなく、自分の足でしっかりと走ったり、歩いたりする趣味を見つけて、健康な老後を目指そうと殊勝にも誓ったのでした。
 で、それからは近所の河川敷をゆっくり走ったり、旅行社の初級登山ツアーに毎月参加したりして、それはそれで結構楽しかったのですが、何か物足りない。ジョギングも登山も、達成後の満足感はあるのですが、そこに到る途中はやはり苦しいことが多く、また、オートバイと決定的に違うのは、スピード感に欠けることだと気がつきました。もう一度、オートバイで疾走するときの快感を味わいたいとの思いが、少しずつ出てきたのです。
 未練たらしくオートバイ道楽を再開するか、男らしく、一度辞めたことはきっぱりとあきらめるか、大いに悩む日々が続きましたが、恥ずかしながら、結果としてまた復帰する気持を整理すれば次のようになります。 
①いったん辞めた理由で最も大きかったのは、重たいバイクを持てあますようになったことであるが、もっと軽いバイクならまだ扱えるのではないかと思ったこと。実際、直ぐ辞めるのではなく、軽いバイクに乗り替えておけばよかったことであるが、その時はR1150Rへの愛着が強く、これを降りるときはオートバイ道楽自体を辞めるときと、自分で勝手に決めていた。しかし、1年半経った今は、オートバイの機種に対してもっと広い気持でいられるようになった。
②辞めた後に始めたジョギングの効果もあって、マラソン大会の5kmの部で完走できるまでになり(しかも昨秋は前年よりも少しながらタイム短縮)、人間ドッグもほぼオールAの結果が出て、少し体力に自信がついたこと。
③とは言っても加齢による運動神経の衰えや長期的な体力の低下は避けられないところであるが、オートバイに乗るときの安全の確保はあくまで自己責任で行い、見栄や体裁で実力以上のことはやらない謙虚さも年の功で持てるようになった(と感じている)こと。むしろ、東北大学の川島教授の研究にあるように、オートバイが脳の活性化に及ぼす影響に期待したい。
 以上、オートバイ道楽に復帰する自分の気持ちの整理はついたのですが、実際の復帰に当たっては、妻の了解を取り付けるという難関がありました。危ないオートバイにまた乗ることの心配と、お金の無駄遣いという問題です。過去何台かのオートバイ購入についていくら掛かったかなどは話したことはありませんが、周辺のものの購入も含めて相当な額をつぎ込んできたあげく、それらを突然、オートバイ降車宣言をして全部手放してしまった後ですから、再びオートバイに乗るということを簡単には許してくれるはずがないと覚悟しました。
 妻の了解を得るために私が取った作戦は、次のとおりです。
①晩酌を辞めたこと。結婚前からほぼ毎日飲んでいたアルコールであり、これを辞めるというパフォーマンスは効果大であった。ただ、近年は少し飲み飽きた感じもしてきていて、しかも仕事がらみで引き受けていた共同執筆の本の改訂出版の作業と重なり飲むのを中断していた時期の直後であったため、意外とすんなりと禁酒ができた。当面、付き合い上のアルコールまで断つつもりはなかったが、正月明けの宴席では自然とウーロン茶を飲んでいた。
BMWオートバイを同時に3台一緒に買ったときの仲間であるマッチ一本さんが最近、それから3回目となる買い替えをしたことや、同じくディーさんも3回目となる買い替えを企図中であること、それに対して私は同時購入以降は乗り替えていないことを強くアピールしたこと。
③年末の大掃除(換気扇掃除、全部屋のガラス磨きなど)を積極的に行ったこと。
 なんとか妻のお許し(と言っても明示の了解は決して出ず、黙認程度)も出て、正月明けに機種選定に入りましたが、その顛末は次回以降に。
 と言うわけで、「バイク道楽日誌」も再開しますが、今回からは作成や管理が簡単なブログ形式によることとし、題して「続・バイク道楽日誌」としました。オートバイツーリングを楽しむ貴重な日々を自分のためにきちんと記録に残しておきたいとの気持で再開するものですが、オートバイ好きの皆さんがときどき覗いてやってくださり、励ましや助言なども行ってくだされば望外の幸せと感じています。