3月10日(木)「下田港往復ツーリング」


※下田「ハリスの小径」入り口
  最高気温が8度までしかならないという寒さ予想の中、少し躊躇したが、ハチ公の初回点検のための1,000キロ走行を早く達成するための距離稼ぎをすべく、思い切って「伊豆半島一周ツー」に出かけた。(結果的には時間不足で「一周」はならず、標題のとおり、下田港まで行って同じ道をまた戻って来るという、変化には富まないが、結構良かったツーの記録)
最初からやや気合いに欠け、朝はゆっくりと9時過ぎに出発。1時間足らずで西湘バイパスのPAに着いて、いつもどおりに最初の休憩。するとここで、私と同じツーリングクラブにご夫婦で入られている方にバッタリ。平日にこんな場所でお会いするとはと、お互いに偶然を喜び合っていろいろ伺うと、今日は伊豆スカイラインを走るとのこと。標高が高いぶん寒いと思うが凍結はないはずなのでご一緒しませんかというお話であったが、ひたすら下道で距離稼ぎをする旨を告げて、西湘バイパスを出るところまで一緒に走ることとした。スタート前に恥ずかしいミス。無線交信を誘われ、早速に無線機のスイッチを入れたが、ヘッドセットのスイッチを入れるのを忘れて受発信の操作をしていたため繋がらずじまい。走り出してから気がつき送信したが、CB1300のご主人にも、同じく大型バイクの奥さんにも気がついていただけなかった。
早川口から国道135号線に出た後、熱海までは有料道路の真鶴道路と熱海ビーチラインを使って、極めて快適。熱海から先も伊東市内で若干の信号待ちがあったほかは、どこも渋滞はなく、スムーズに走れるのが平日のメリット。ただ、日差しはあっても温かくはならず、ハチ公のオンボードコンピュータに表示される気温は、天気予報どおりの8度前後(今日一日の最高でも11度であった)。走るにつれて○○温泉、△△温泉など、いろいろな温泉地が続き、改めて伊豆半島が温泉天国なのに感心する。露天風呂など、日帰り入浴の案内も多いが、こんなに寒くては入浴後に風邪を引いてしまいそうだ。
快調に飛ばしているうちに1時間以上も走りっぱなしなのに気がつき、休憩のために「旅の駅・伊豆高原」というところに入るが、オートバイは1台もいない。淋しくなって早めに切り上げてまた走り出した頃から空腹を感じて時間を見ると正午を過ぎている。昼食は事前に調べたツーリングマップルの情報により、稲取温泉近くの某店で海鮮がてんこ盛りという丼を食べる計画であったが、この店がどうしても見つからない。2003年版のため情報が古いのかもしれず、オートバイ道楽再開を機にツーリングマップルも「関東甲信越」版だけでも最新のに買い換えたいと思った。

※「びっくり丼」
で結局昼食は、河津町近くの浜田屋という店で、「びっくり天丼」なるものを食した。健康上、日頃は油で揚げたものはできる限り敬遠しているが、ツーリングに出ると結構お腹も空いて、つい、天丼やカツ丼を食べることも多い。何がびっくりかと思っていたら、案の定、そのボリューム。大エビが2本に野菜や魚のてんぷらも載っており、これに鰺の刺身と味噌汁等も付く。支払いの時に分かった値段もびっくりするほど高かったが、この店はやや小高い場所にあり、店内から満開の河津桜の木越しに相模湾が一望できる素晴らしい景観を堪能できるので良しとしたい。正面左手に伊豆大島が大きくくっきりと見え、その左には三宅島ほか伊豆諸島が並んで続く景色を楽しんでいるうちに時間が過ぎてしまい、慌てて店を出る。
話は前後するが、昼食前にはハチ公にもガソリンを補給した。135号線沿い、道を挟んで上り線にも下り線にも店を出していて便利なENEOSのセルフスタンド。中東情勢の混乱の影響でガソリン価格が上昇しているが、ここで嬉しい事実が判明した。それは、ハチ公の燃費が結構良いということ。昼食後に思いついて計算してみたら、リッター29km強も走っていることが分かった。29km/LというのはBMW公表の時速90km走行時の燃費。平日にソロで空いた道路を慣らし運転中のために回転数も上げないで走っていただけだったからかもしれないが、カタログ燃費を上回った走りをしたのは車、オートバイ両方で初めての経験だ。
今日のツーリングは当初、伊豆半島の突端の石廊崎まで行って、帰路は西伊豆に回り海岸線沿いを北上し、沼津の手前から1号線経由、箱根新道を使って西湘バイパスに出る予定であったが、既に午後1時を過ぎてまだ下田まで着いていない状況。復路のほうが往路よりも1.5倍ほど距離が長くて帰宅は完全に暗くなってからになりそうだし、ここまで来たルート上には「山間部凍結の恐れ、走行注意」のデジタル表示が何度も出ていたので、この時点で「一周」は完全にあきらめ、その代わり、下田でゆっくり時間を過ごすことに切り替えた。
1時半頃、下田港着。まずは広々した港内を漁船や観光船「黒船」の写真などを撮りながらハチ公と廻った後、下田漁業組合の直売所でひもの等のお土産購入。次いで、以前から気になっていた「ハリスの小径」という観光名所に向かう。初代の米国総領事ハリスゆかりの玉泉寺は以前来たことがあったが、そのハリスがこよなく愛していつも散歩していたというこの場所までは足を伸ばしたことがなかった。入り口前の民家側にハチ公を停め、石畳の道(但し、石畳にしたのは20年前くらいとのこと)を歩いて行くが、風光明媚とはこのような場所のことを言うのだと確信するようなロケーションの良さ。小径の左側(土手側)には鎌倉の山道のように緑の中に史跡も交じるが、右側(海側)には陽光きらめく海面に洒落たヨットが点在し、向こう岸にはなだらかな丘陵(寝姿山と称するそう)が見える。のどかで、穏やかで、こんなところで毎日のんびりと過ごせたら最高だと感じる。
この後は、能のない話しだが、すべて往路と同じルートをひたすら飛ばして我が家へ。途中、土産用にミカンの直売所に寄ったら、おばさんが「普通のミカンはもうシーズンを過ぎたのでありません。今はこれが美味しいですよ」とデコポンを勧める。ハウスものらしいがとても新鮮そうだったので購入。夕方だったためか、どの道路も往路よりはやや混んでいたが、それでも3時間足らずで18時過ぎには帰着。冷えた身体を妻が沸かしていてくれたお風呂で温めて気持ち良かった。日曜日のクラブの月例ツーで300kmくらいは走る予定であり、初回点検に出せる1,000km超えに目処がついて一安心であった。
走行距離 278km (オドメーター 831km)
平均燃費 29.2km/L