hamaji junichi

composer saxophonist

神戸 グッゲンハイム soundroom Ambient works


miku-mariさん
中川裕貴さんhttp://nonpage.exblog.jp/i4

commune disc sound roomの関西版ツアーの中の1日にお誘いいただいて演奏してきました。
グッゲンハイム邸は名前は存じ上げていましたが、演奏するのは初めて。

夕刻に到着。miku-mariさんとご挨拶。中川さんともほどなくご挨拶。鈴木康文さんから今日演奏するみなさんの紹介などすみ、セッティング。

miku-mariさんはギターと膨大なエフェクト、中川さんはチェロとエフェクト等のセッティング、私はソプラノ・サックスとライヴ・エレクトロニクス。

3者ともアンビエントということで少しそれを念頭において演奏することに。演奏に先んじて少し決め事を設定することに。中心音はE音、最初はそれをもとに時間軸を引き伸ばしそれぞれが干渉する手法をとる。途中でカットアップの挿入を任意で。そのカットアップが交錯し、その磁場を拡大するもよし、断絶するもよし、ただし、中心のE音は常に頭に流れていて、そのE音の支配下で想定される調性とその調性の拡大解釈によって得られる音響情報を互いに表出しながら導入の時間の引き延ばしを変化させてゆく、というもの。カットアップは調性外のあらゆる音を。相談の上、最初にお話をいただいていた、私のソロ作品や、互いのソロセクションは無しで、純粋にトリオ形態で演奏することに。

ここからは自分の頭の中を少し書きます。miku-mariさんの提示するアンビエント音が静かにはじまり、私はブレスのみでライヴ・エレクトロニクスの音を添えていきました。そこに中川さんのチェロの音が静かに加わって演奏は始まりました。動機としてうまく機能しそうな導入でした。リハーサル自体はやっていなかったので、初めて3者が音を出すことになります。しばらくして、E音の連続体を想定した音を1音ずつ間をあけ、挿入していきました。頭では旋律的短音階と、全音音階、それに8音音階を少し、オルタードの概念も少しいれてそれぞれ、その1音を選んだように記憶しています。自分は停滞するE音に少しの緊張を提示する手法をとりました。音の意思がそれぞれ3者の出す音によってあるフォルムを形成しだし、ある一定の音場が出来ました。自分では想定してなかったですが、ここでピアニッシモでA,Fis,Dis,Cisの4音を循環呼吸で高速でお二人の音場に溶かしました。アンビエントということなので、あまり派手な技法は使わないと思っていたのですが、そのサーキュラーブリージングは必要性を感じて演奏しました。倍音操作はせずに、その4音のみの連続です。その4音から少し変化させながら時間軸の圧縮を提示しました。途中で「ああ、録音すればよかったな、、、」とか思いながらまた演奏に集中します。(中川さんかmiku-mariさん録ってないかな、、、)

全体を思い返してみて、簡単な決め事でしたが、うまく機能したように感じました。私が言うのもおこがましいですが、中川さん、miku-mariさんの演奏、とても素晴らしいものでした。ご一緒できて良かったです。最後は私はお二人の音を聴きながら、たまにライヴエレクトロニクスを挿入したりして、演奏は終わりました。


自分はその後、そのまま残って鈴木康文さんと竹田大純さんとトリオで一部参加して演奏を終わりました。鈴木康文さんとも久しぶりに演奏しました。鈴木康文さんとはいつか音源が出ます。

他の出演者の方々も強度のある演奏でした。

鈴木康文さんのオーガーナイズ力には頭がさがります。

参加させていただきありがとうございました。






そして、聴いていただいた方々ありがとうございました。感謝の意を。

濱地潤一