hamaji junichi

composer saxophonist

桑原ゆう作曲作品「今際のうた」

作曲家、桑原ゆうさんの作品「今際のうた」を聴いた。桑原さんからメールをいただき、現代音楽のグループmmm...http://ememem3dots.com/が行っている先の震災のチャリティーのことを教えてもらい、そのページからダウンロードさせてもらった。配信は水曜日までとのこと。僕の場合はpeypalのアカウントを持っていないのでカード決済でチャリティーを。決済画面に行くと国指定を日本に設定すると日本語になるので簡単に寄付出来ます。ちなみに例えば寄付が5ドルだと今のレートでは400円ちょっと。その寄付をしたあと、メールがきて、今週の2曲を聴くためのパスワードなどが届くので、それを入力して作品が聴けるようになっています。寄付をするページに行く為の真ん中のアイコンが時によってうまくページにあがってこない場合があるようです。そんな場合は別の週の作品のページに行ってサンプル音源など聴き、this weekのページに飛ぶとうまくアイコンが機能する場合もあるのでそこで入って下さい。もしかしたら僕のmacだけの問題なのかもしれませんが。

http://hibari-charity.com/week.php

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桑原さんも仰っていたが、録音が素晴らしい。とてもクリアで、演奏家のお二人の演奏も作品の核心を掴んでいるようだった。深い。ヴァイオリンはスコルダトゥーラされ、ピアノもプリペアドされている。初めて作品に触れた時、最も印象に残ったのは「念」という言葉。その音楽から強烈に放たれているのは多分、「念」としか言いようのないものだと思う。それはとても静かで、そしてもしかしたらその静けさは幾度の激しい慟哭を経てその静けさを獲得した類いの、ある生の脱却を体現したものがもつ「気配」のようにも思えた。
加えて、作品は優れて映像的であり、その「気配」が「見える」ものだった。

「今際のうた」と題されているとおり、そこには心眼を開いた者の存在が静かに座しているような情景も浮かびあがる。



http://www.apalog.com/yukuwabara/archive/90