御救借屋と伝わる町屋


昨日の『京都新聞』夕刊に掲載された記事http://d.hatena.ne.jp/hamano/20070522であるが(自宅に帰って見たら1面トップ記事で驚いた)、実は3月の電話取材の後、現地(下古城町=しもふるしろちょう)を一度踏査して写真を撮ってあった(↑)。取材の時点では「御救長屋」という言い伝えの情報しかなく建物を見たわけではなかったが、現地へ行くと周囲が2階建て以上なのに、平屋で残っていたのが印象的であった。

これだけ長期に使われたとすれば「仮設住宅」というたとえは問題があるかもしれない。史料には「仮屋など立て」という表現もあり、確かにこういったものもあったようだが、御救借屋はより恒久的な建物だった可能性が高まってきた。[追記]今、インタビューされたら「復興住宅」とでもいうだろう。

建物外観はそれほど古くないので、大正期という専門家の見立てはもっともである。問題は幕末の建築部分がどれだけ残っているかという点で、ぜひ取り壊し前に調査をしてほしいと思う。7月の研究会(下記参照)でアピールしようと思うが、間に合うかどうか心配である。

第27回京都歴史災害研究会

聴講自由とのことですので、ここでも宣伝しておきます。

「第27回京都歴史災害研究会」の開催
* 日 時:2007年7月2日(月)午後4時30分〜6時
* 講 演: 浜野 潔 氏 (関西大学経済学部 教授)
      「災害と復興の人口史 ―元治大火と京都町人―」
* 場 所:立命館大学 歴史都市防災研究センター 地下1階カンファレンスルーム
* 参加費:無料
* 事前申込:不要
* 問い合わせ先:
立命館大学 歴史都市防災研究センター
   Tel.075-467-8801 Fax.075-467-8825
http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/bousai/information-j.html