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2017-11-07

[] 重力の虹 18:31

アメリカ現代文学を代表する小説家の一人であるトマス・ピンチョンの代表作。

以前から気になっていた作品の一つなのだが、先日拝読させて頂いた「一九八四年」の解説で久しぶりに彼の名前を目にしたのを機に挑戦を決意。一筋縄ではいかないことで有名な作品ということでメモを取りながら読み進めた結果、4週間くらいで何とか読了することは出来たものの、う〜ん、やっぱりかなりの難物だった。

さて、最初の舞台になるのは、ナチス・ドイツV2ロケットに怯える1944年冬のロンドンであり、ロケットがいつ落ちてくるか分からない(=落下スピードが音速を超えているため、犠牲者には落下音が聞こえないらしい。)という重苦しい精神的圧迫感の中での生活は「一九八四年」の世界を思わせる。

そんなとき、アメリカから派遣されてきていたタイロン・スロースロップ中尉に、無意識の内にV2ロケットの落下地点を予知する(若しくは、ロケットの軌道に影響を及ぼす)何らかの特殊能力が備わっている可能性のあることが判明し、野心家の心理学者ポインツマンはスロースロップを南仏のカジノに軟禁して禁断の人体実験を行うことになるのだが、その後、ストーリーは無限の枝分かれを繰り返していつしか混沌へ…

翻訳を担当した佐藤良明氏の解説によると、本作の中には(少なくとも?)5つのストーリーが併存しているとのことであり、そこで引用されている池澤夏樹の感想のとおり、「これだけの数の人物が、こんなに複雑な話の中で絡み合いながら、数十ページ(時によっては数百ページ)も離れたシーンで響き合う、それに対応しろと期待されても無理でしょう」というのが正直な本音。まあ、脳のキャッシュメモリが足らなくて困惑してしまったのが俺一人じゃないことが分かって少しはホッとした。

しかし、では読んでいて面白くないのかと問われれば決してそんなことは無く、この壮大な失敗作(?)の中にはスパイ物、SFメロドラマアメコミ、ミュージカル等々の魅力的な要素がぎっしり詰め込まれている。そのため、全体を一体的に把握することは出来なくても、その一部分だけを楽しむことは十分可能であり、特にペクラー父娘の悲劇やラストを飾る00000号の打ち上げシーンの迫力は長く記憶に止まることと思う。

ということで、丁寧な脚注はこの難解なストーリーを読み進める上で大変参考になるのだが、一カ所だけ、00000号に搭載される“シュヴァルツゲレート(=黒装置)”の正体をネタバレさせてしまっているところがあるので注意が必要。正直、あれが無かったらラストシーンの衝撃はさらに大きかったと思います。

2017-11-05

グーフィー

[] 思い立ったらディズニーランド 18:30

今日は、妻&娘と一緒に日帰りでディズニーランドに行ってきた。

本当はハロウィーンの時期に訪れたかったのだが、なかなか娘から色よい返事がもらえず、“このままではクリスマスになっても難しいかもしれないねえ”と妻と話し合っていたところ、突然、この3連休なら付き合っても良いとのお許しが出る。クリスマスシーズンにはちょっと間があるが、まあ、思い立ったがなんとやらで3連休最終日の今日インパ決定。そんな今回の特記事項は次のとおり。

1 日曜日の高速道路は空いており、予定どおり開園時刻(=午前8時)の一時間くらい前に到着。ハロウィーンクリスマスの谷間ということで人混みの方もまあまあといったところであり、プーさん〜フィルハー〜バズ(FP)〜スタツア〜ホーンテッドマンション(FP)と午前中の内に比較的スムーズに回ることが出来た。

2 スター・ツアーズでは、めでたく娘が“スパイ”に指名され、我が家では俺に続いて二人目の快挙(?)となった。また、新作映画の劇場公開が迫っているせいか、内容は前作の「フォースの覚醒」仕様になっており、12月15日からは「最後のジェダイ」バージョンも公開されるらしい。

3 数日前から娘が昼食のプライオリティ・シーティングの申込みをしていたのだが、サーバーが混み合っていてなかなかアクセスできなかったらしい。“もう既に戦いは始まっているんだね”と言って笑い合ったが、入園後に再度アクセスしたところ見事「れすとらん北齋」の予約に成功。初めての利用だったが、料理の味も十分満足できるレベルだった。

4 午後は、シューティングギャラリー(=俺と娘はネズミ退治に成功)〜カントリーベア(=全員ほぼ爆睡状態)〜ガジェットのゴーコースター(=美女と野獣エリアの工事の様子が眺められる。)とのんびり回り、お昼のパレードはベンチに座ってゆっくり鑑賞。おかげで足が痺れるようなこともなく、これはクセになりそうだなあ。

ということで、ビッグサンダー・マウンテンが休止だったのとワンマンズ・ドリームIIの抽選にハズレてしまったこと以外は極めて満足のいく内容となり、午後6時前に帰途につく。帰りの高速道路の車の流れも順調であり、やはりディズニーランドは土曜日よりも日曜日に行った方がより楽しめるような気がします。

2017-11-04

[] IT/イット“それ”が見えたら、終わり。 18:29

今日は、妻&娘と一緒に「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」を見てきた。

全米で大ヒットを記録した作品ではあるが、我が家が不得手とするホラー映画ということで映画館での鑑賞は諦めていたのだが、念のため娘の意向を確認してみたところ意外にも返事はOK。何でもTwitter上で彼女の好きな「ジョジョの奇妙な冒険」との類似性が指摘されていたそうであり、まあ、詳細は不明だがとにかく映画館へ。

さて、原作は昔読んだことのあるスティーブン・キングベストセラー小説であり、本作ではそのうちの前半部分、すなわち主人公達がまだ子供だった頃のエピソードだけを取り上げているのだが、それだけでも上映時間は2時間を優に超えており、改めて原作小説の濃密さを思い知らされる。

しかも、いくつかのエピソード、特に“荒れ地”での子どもたちの活動シーンなんかは大幅にカットされてしまっているし、ビルの愛車シルバー号の活躍も見られないとあって、正直、原作ファンとしては少々物足りなさを感じてしまうところもあるのだが、まあ、“たかが”ホラー映画でこれ以上上映時間を延ばす訳にもいかなかったのだろう。

まあ、その点を除けば十分に合格点を差し上げられる内容であり、負け組の少年少女たちが一致団結して悪に立ち向かうというストーリーはやはり単純に面白いなあ。「スタンド・バイ・ミー(1986年)」を思わせる日常生活の描写とホラー映像とのバランスも上手くとれており、美しい映像のおかげでゲテモノ感が感じられないのも素晴らしい。

かなり怖かったという娘は、鑑賞後“これはジョジョではない”と言っていたものの、作品自体の出来には満足していたみたい。また、入れ知恵をした訳でもないのに、妻も娘も作中2度ほど登場する“亀”のイメージはしっかり受け止めていたようであり、このへんはアンディ・ムスキエティ監督のお手柄なんだろう。

ということで、既に続編の製作が決定しているらしいが、原作の面白いところはほとんど本作で使ってしまったし、最後のITとの対決シーンをゲテモノ感なしで映像化するのは至難の業ということで、正直、とても心配。どうか脚本に十分時間をかけて、本作の品位を汚すことのないようにお願いします。

2017-11-03

芝草山

[] 芝草山 18:28

今日は、妻と一緒に日光市中三依にある芝草山を歩いてきた。

当初の予定ではもう少し距離のある山歩きを考えていたのだが、急遽、明後日に東京ディズニーランドに遊びに行くことになってしまい、(妻の?)体力温存を図るために県内の低山へ計画変更。事前学習によると途中に出てくる大岩の通過が難しそうだが、まあ、ロープも設置されているらしいので何とかなるだろうと思いながら、午前8時頃に太郎温泉の先の橋を渡ったところにある駐車スペースに到着する。

さて、身支度を整えてから8時12分に出発。そのまま舗装道路を歩いて行くとカーブミラーのところに登山口の表示(8時13分)があり、そこを右に入るときちんと整備された東電の巡視路が続いている。前に歩いた弥太郎山のものよりちょっぴり傾斜がキツいのは気になるが、落葉樹紅葉はちょうど見頃を迎えており、それを楽しみながら歩いて8時49分に33号鉄塔

その先の分岐(8時57分)で巡視路を離れてしまうが、尾根上に続く登山道は比較的明瞭であり、枯れ葉に埋もれていても識別は可能。しかし、傾斜は一向に収まらず、やっぱり弥太郎山のときより大変みたいだなあと考えながら歩いて行くと、9時38分に懸案の大岩に行き当たる。

ルートはその岩の左手に付けられており、上に行くほど傾斜は増していくものの、ロープと木の根を伝っていけば大丈夫。上りきったところにある岩に腰を下ろして休憩を取った後、再び歩き出すと、やせ尾根上に続く登山道はなかなか快適であり、うん、こういうのを待っていたんだよなあ。

しかし、喜んでいたのも束の間、山頂直下はそれまでとは比べものにならない程の急斜面であり、枯れ葉で滑りそうになるのをグッと堪えてようやく芝草山(1341.7m。10時36分)の山頂にたどり着く。予想したより大変だったけど、2時間半という所要時間は当初の予定どおりであり、妻もなかなか地力が付いてきたみたい。

山頂から眺められる日光白根山の頭や会津方面の山々はすっかり白くなっており、昨日の八ヶ岳とは大違い。やっぱり標高よりも日本海側から吹き付ける寒気の影響の方が大きいんだねえ等と妻と話しながら持参した食糧でゆっくり空腹を癒やし、11時2分に下山に取り掛かる。

さて、帰りは往路を引き返すだけであり、まあ、枯れ葉に足を取られて俺が一度尻餅をついたのとロープ場の下りで妻が苦戦を強いられたのはご愛敬だが、大岩(11時37分)〜巡視路分岐(12時23分)〜33号鉄塔(12時28分)〜登山口(12時54分)と歩いて12時56分に駐車スペースまで戻ってくる。本日の総歩行距離は6.4kmだった。

ということで、恒例の日帰り温泉は時々地元紙などでも紹介される「男鹿の湯」を利用してみたが、まあ、特にこれといった印象は残っていない。なお、帰りの車中での妻の話によると足の裏にいくつかマメが出来ていたらしいのだが、それを笑って話せるようになったのだから、彼女もようやく山歩きの楽しさが分かってきたのかもしれません。

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2017-11-02

権現岳

[] 権現岳 18:27

今日は、休みを取って南八ヶ岳にある権現岳を一人で歩いて来た。

本当は、テントを担いで一泊二日の日程で歩いてこようと思っていたのだが、いつの間にか初雪の心配をしなければならない季節になってしまい、安物のメッシュ仕様のテントではこの寒さに耐えられそうもない。来年回しにしようかとも思ったが、他に適当な山も思い付かず、予定を日帰りに変更して午前5時半頃に観音平の駐車場に到着する。

日の出前ということで周囲はまだ薄暗いが、メジャーなコースなので迷うようなことはなかろうと5時40分に出発。案の定登山道は明確であり、間もなく不要になったペンライトを消灯してカラマツ林の中を歩いて行くと、6時18分に最初のチェックポイントである雲海に着く。

上空には青空が広がっており、樹間からは富士山南アルプスの山々が眺められるという絶好のコンディション。押手川(6時49分)の先からは石のゴロゴロした急斜面が続くようになるが、今日は妻の不平を気にする必要は無いので、鉄のハシゴ(7時28分)を上って7時45分に編笠山(2523.9m)。目の前には八ヶ岳の大絶景が待っていた。

周囲には俺も歩いたことのある名山の数々がずっらと顔を揃えており、無人だったこともあってやや興奮気味に写真撮影に勤しんだ後、7時52分に再出発。歩き出すと間もなく青年小屋の青い屋根が視野に入り、最後は大きな石の上を目印に従って下りながら8時11分に青年小屋。ここで残り少なくなったGPS電池を交換しながら10分程度の休憩をとった。

さて、再出発(8時22分)後しばらくは樹林帯の中を進むが、のろし場(8時43分)付近からは荒々しい表情をした周囲の山々を眺めながら歩けるようになる。最初の鎖場(8時56分)を過ぎると西ギボシはすぐそこであり、9時ちょうどに到着。目の前に聳える東ギボシ権現岳の迫力は圧倒的であり、思わず写真を撮って娘にLINEしてしまう。

その先の岩場のルートは落石が心配だが、今日は周囲に人の姿は見当たらないので気分的には楽。そうはいっても万が一のことを考えて落石を起こさないように慎重に進んでいくと、9時14分に着いた東ギボシの頂上では黒っぽい石に彫られた仏様が待っていてくれた。

ここまで来てしまえば目指す権現岳はもう目の前なのだが、数m移動しただけで赤岳をはじめとする南八ヶ岳の山々の表情が微妙に変化していくので、それに見とれていてなかなか先に進めない。それでも権現小屋(9時23分)〜分岐(9時26分)と歩いて9時34分にようやく権現岳(2715m)に到着する。

周囲には誰もいないが、刀剣が立っているだけの狭い山頂は休憩に不向きであり、石の祠のあるところまで移動して大休止。八ヶ岳南アルプス富士山といった山々に囲まれた山頂からの景色は素晴らしく、いつまでもゆっくりしていたいところだが、さすがに気温は低くてカップラーメンを作ってもすぐに冷めてしまいそう。やむを得ずコーヒー菓子パンだけで空腹を癒やし、9時53分に下山に取り掛かる。

さて、下山路もしっかり整備されているが、権現岳までがあまりにも恵まれすぎていたせいでちょっぴり見劣りしてしまう感じ。10時29分に着いた三ッ頭(2580m)の山頂から八ヶ岳の山々に別れを告げると、最初はなかなか雰囲気の良い雑木林の中にルートは続いており、そこを歩いて木戸口公園(11時9分)〜ヘリポート(11時20分)。

しかし、高度が下がるにつれて周囲の見晴らしも無くなってしまい、正直、少しだけ飽きてきてしまうが、まあ、文句を言っても仕方がないので、延命水分岐(11時57分)〜八ヶ岳横断歩道(12時10分)と黙々と歩き続け、12時36分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は12.0kmだった。

ということで、軽アイゼンやら防寒具やら、持参した冬山グッズは一切使わずに済んでしまい、至極順調に山歩きを楽しむことが出来たのだが、好事魔多しということで帰りの圏央道で事故による渋滞&通行止めに巻き込まれてしまい大苦戦。八王子西ICからあきる野ICまで下道で移動するのに数時間を要してしまい、ようやく帰宅できたのは20時過ぎのことでした。

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