L.A.ストーリー 恋が降る街

1991年作品
監督 ミック・ジャクソン 出演 スティーヴ・マーティン、ヴィクトリア・テナント
(あらすじ)
ロサンゼルスに住むハリス(スティーヴ・マーティン)は、TVで人気の天気予報官。長年付き合っている美人のガールフレンドとの仲にも最近は少々倦怠感を覚えていたが、彼女と一緒に招かれたある昼食会で英国人ジャーナリストのサラ(ヴィクトリア・テナント)と知り合いになり、お互いに好印象を持つ。そんなある日、ガールフレンドが自分のエージェントと浮気していたことが発覚し….


スティーヴ・マーティン主演による大人のラヴ・ストーリー。

題名のとおり、ロサンゼルスが作品の舞台になっているのだが、突然、渋滞中の車同士で銃撃戦が始まったり、ハイウェイの電光掲示板が主人公に不思議なメッセージを送ってきたりといった具合に、実際のロサンゼルスをちょっとカリカチュアライズしたような世界のお話しらしい。

ただし、その差はとても微妙なため、アメリカ人ならともかく、我々日本人にはそれがマジなのかジョークなのか判断つかないような場面が少なく無いのが困りもの。博物館にベートーヴェンの睾丸が展示されているのは流石に冗談なんだろうが、英国人であるサラが口にした“Fuck”という言葉に周囲の人々が眉をひそめるシーンは、一体どっちなんだろう?

まあ、ファンタジーやラヴコメは決して嫌いなジャンルではないので、最後までそれなりに楽しく拝見させていただいた訳であるが、電光掲示板のメッセージの謎解きを含め、脚本はあまり上手くない。特に、サラの乗った飛行機が突然の悪天候によって飛行中止になるというクライマックス・シーンにおいて、肝心のハリスが何もせずに家で待っているだけというのはあんまりだと思う。

ということで、主演のスティーヴ・マーティンは、俺にとって食わず嫌いな俳優さんであり、その克服の意味もあって本作を見てみた訳であるが、脚本のせいもあってハリスというキャラがいま一つ良く理解できず、まあ、結果的には判断保留といったところ。一方、女優さんでは、ヒロインのヴィクトリア・テナントより、サラ・ジェシカ・パーカーの方がずっと面白かったです。