女性No.1

1942年作品
監督 ジョージ・スティーヴンス 出演 スペンサー・トレイシーキャサリン・ヘプバーン
(あらすじ)
サム(スペンサー・トレイシー)は、ニューヨーク・クロニクル紙のスポーツ記者。同紙の国際ニュース欄を担当する花形記者のテス・ハーディング(キャサリン・ヘプバーン)がラジオで野球の悪口を言っていたことに腹を立て、面識もないままに彼女を非難する内容の記事を書くが、それがきっかけとなって両者間で中傷合戦が勃発。しかし、上司のとりなしで実際に会ってみた彼女はとても魅力的な女性だった….


名コンビであるスペンサー・トレイシーキャサリン・ヘプバーンの初共演作品。

テスの方も(理由は何故だか良く分からないものの)サムを気に入ってしまい、二人は目出度く結婚するのだが、世界中のVIPとつながりを持ち、かつ、女権拡張運動にも熱心な彼女に平凡な家庭の主婦が務まる筈もなく、彼女が“ウーマン・オブ・ジ・イヤー”に選ばれたことがきっかけとなって二人は別居状態へ。

まあ、最後は父親の再婚を機に、それまでの自分の結婚生活を反省したテスがサムに詫びを入れて一件落着。別居中のサムの住まいに忍び込んだ彼女が慣れないワッフル作りに挑戦するシーンは爆笑ものであり、こんなに可愛らしいキャサリン・ヘプバーンを見たのはこれが初めてのような気がする。

ただし、冷静になって考えてみると、仮にこの両者の立場が逆だったなら、すなわち、サムの方が家庭を顧みる余裕のない花形記者であったとしたら、同じ夫婦ゲンカでも結末は全く違ったものになっていた可能性が大であり、そんなところが男の俺にもちょっと気になった。

ネット上の情報によると、最初のストーリーはサムがテスの仕事にもう少し理解を示すような内容だったらしく、「フィラデルフィア物語(1940年)」のヒットで見事復活を遂げたキャサリン・ヘプバーンがこのような改変に応じたのは少々意外。まあ、スペンサー・トレイシーに対する惚れた弱みがあったのかもしれないなあ。

ということで、トレイシー&ヘプバーンの共演作品を見ることが出来たのはこれで4本目であり、未見の作品がまだ5本も残っている。果たして、俺が生きている間に残りの作品を全部見ることは出来るのでしょうか。