のだめカンタービレ 最終楽章 前編

2009年作品
監督 武内英樹 出演 上野樹里玉木宏
(あらすじ)
プラティニ国際音楽コンクールで優勝した千秋真一(玉木宏)は、長い歴史を持つパリのルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に抜擢されるが、資金難のせいで、最近、大勢の団員が脱退してしまった同オーケストラの士気は低く、初演のボレロも散々の出来。一方、“のだめ”こと野田恵上野樹里)は、コンセルヴァトワールの進級試験を控え、日々ピアノの練習に励んでいた….


二ノ宮知子原作の漫画「のだめカンタービレ」の映画化。

というか、実際にはその漫画を原作にしたフジTVの連続ドラマの“特番”的な作品であり、当然、出演者もTVと一緒。観客もそのドラマを見ていることが前提になっており、ストーリーの背景やキャラクターの説明は一切無しでいきなり本題からスタートする。

まあ、一見さんには誠にお気の毒とは思うが、この漫画と映画の間にTVドラマというワンクッションが置かれたことのメリット(=状況説明を省けるだけでなく、慣れにより実写化に伴う違和感を和らげる効果もあると思う。)は非常に大きく、ここ数年、わが国における名作漫画の映画化がことごとく失敗し続けているのとは対照的に、とても楽しい作品に仕上がっている。

そして、本作のもう一つの強みは、作中で取り上げられる様々な名曲を実際の音として観客に聴かせることが出来るという実写化のメリットが明確なこと。本作のクライマックスで演奏されるのはチャイコフスキーの「序曲1812年」という作品なのだが、千秋の簡潔な説明に助けられたこともあって、俺のような素人でもこの名曲の魅力を十分に堪能することが出来た。

ストーリー的には千秋の鉄板ネタということで、新鮮味は無いものの、まあ、安心して見ていられる。後半の展開は原作をちょっとアレンジしてあるようであるが、後編でどのようなハッピーエンドを見せてくれるのかとても楽しみになった。実は、漫画の最終巻は購入してあるものの、映画を見るまで読まないでとってあるんだよね。

ということで、天才と努力家のライバル関係というのは昔からよくあるパターンではあるが、その両者が恋人同士というのが本作のミソ。そういえば、「ちはやふる」の千早と太一もこれと似たような関係であるが、あちらには新というもう一人の天才がいるところがオリジナルなのでしょう。