雲竜渓谷

今日は、今話題の雲竜渓谷に行ってきた。

ここの氷瀑が見事なことは以前から聞いてはいたものの、我々初心者には縁遠い“氷に閉ざされた秘境”というイメージが強くて二の足を踏んでいたのだが、今年はある登山雑誌の表紙を雲竜渓谷の写真が飾ったことにより、例年になく見物客が増えそうな雰囲気。一人では無理でも、他の方の後ろを付いていけば俺にも行けるんじゃないかと思い立ち、チャンスを狙っていた。

ネットで情報を集めたところ、1月29日に雲竜渓谷で恒例の山岳救助訓練が行われたらしく、今ならそのときに付けられたトレースを利用させて貰えそうということで、午前7時頃にスタート地点となる林道のゲート前に到着。しかし、既に車3台が縦列駐車していたため適当な駐車スペースが見当たらず、仕方がないので100mくらい戻ったところの路肩に車を止めて、7時16分に出発。

舗装された広い林道を歩いていくのだが、事前情報のとおりしっかり除雪されているため、路面が少々滑りやすい点を除けば、歩くのに何の支障もない。7時54分に最初のチェックポイントである稲荷川展望台に着くが、ここから雲竜渓谷が見える訳でもないので先を急ぎ、8時12分に次のチェックポイントである洞門岩に到着。

この先でルートは二股に分かれるが、右手の河原に降りていく方もトレースが明確だったので、時間の節約にもなるこちらのルートを選択する。何度か流れを横切らなければならないが、今日はゴアの山靴を履いてきたので滑らなければ大丈夫。久々のダブルストックも役に立った。

最初の氷柱(8時18分)が出てきた後、河原から右手の斜面に上っていく。何箇所かトレースが分岐しているが、上りの方を選べばまず間違いない。再び河原に下り、今度は左側の斜面を上っていくと、その上りきった所が林道終点の広場になっており、ここが雲竜渓谷の入口(8時33分)。

ここで、洞門岩から林道を歩いてきたらしい先行者2名と出会い、軽く挨拶を交わした後、持参した軽アイゼンを装着する。その間に先行者の内の1名が出発して行ったので、それからちょっと遅れて階段を下りていく。

ここまでは計画どおりということで、先行する方を追い越さないようにゆっくり歩いていくが、友知らず(8時48分)の右岸を歩いていたとき、その方が“この先は危ないので左岸を行った方が良い”と言って引き返してきたので、成り行き上ここから先は俺が先行することになってしまう。

しかし、トレースは依然として明確なので迷うことはなく、間もなく雲竜瀑手前の小さな滝(8時57分)のところに着く。ここを左手に進めば巨大な氷柱のところへ行けるが、そちらは後回しにして右手の急斜面を上っていき、9時3分に雲竜瀑に到着。本日の一番乗りらしく、他には誰もいないので、素晴らしい自然の芸術作品をゆっくりと鑑賞する。

左手の斜面にもトレースが付いていたので、そちらからも戻れるのかと思って上ってみたが、どうやらそれらは見物客が小用を足すために付けたものらしく、おとなしく来た道を戻って後回しにしておいた巨大な氷柱の下へ。そこでは途中まで先行してくれた方が熱心に写真を撮っており、今年の氷瀑は去年よりずっと良いと言っていた。

しばらくすると他の見物客も上って来たので、一足先に下山に取り掛かる。渓谷入口(9時42分)までは来た道を戻るが、その先は雪道歩きの訓練を兼ねて、林道コースを歩いてみる。除雪はされていないが、やはり明確なトレースが付いているので何の問題もなく、洞門岩(10時7分)を通って、稲荷川展望台(10時21分)に到着。ここでアイゼンを取り外した。

さらにしばらく進むと、ご親切にも携帯がつながる旨の表示(10時36分)があったので、自宅に無事下山した旨のメールを入れ、10時56分に駐車スペースに到着。ところが、ここで大問題発生。タイヤがスリップして車が路肩から出られないのだ。誰かに押してもらえれば簡単に抜け出せそうなのだが、あいにく周りには誰もいないということで、雪をかきわけながら何とかチェーンを装着し、小1時間かけてやっと路肩から脱出することが出来た。

ということで、家族と一緒であれば、おそらく前もってチェーンを着けていたと思うが、今日は自分一人ということで手を抜いてしまったのが失敗の原因。少々焦りはしたが、その後は何事もなく無事帰ってくることが出来たので、まあ、良い教訓ということにしておきましょう。

 ローラーガールズ・ダイアリー

2009年作品
監督 ドリュー・バリモア 出演 エレン・ペイジマーシャ・ゲイ・ハーデン
(あらすじ)
テキサスの田舎町に住む17歳の女子高生ブリス(エレン・ペイジ)は、美人コンテストで優勝することこそが幸福への近道と信じる母親ブルック(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に言われるまま、ミスコン中心の退屈な日々を送っていた。そんなある日、都会のオースティンに出かけた彼女は、そこでローラーゲームの存在を知り、親友のパシュと一緒に両親に内緒で観戦に出かける….


ドリュー・バリモアの初監督作品。

内容は、手に汗握るローラーゲームのシーンをクライマックスに、主人公の初恋や親友パシュとの女の友情、両親との葛藤等が描かれており、まさにスポーツを題材にした青春映画の王道をいくような作品。女性監督のせいか、ゲームシーンの描写が少な目であり、その分、母親との確執の方にウェイトが置かれているような印象であるが、盛り沢山の内容を手際良く捌いているという印象を受けた。

昔と違い、今のローラーゲームは全員女性によってプレーされているらしいのだが、女の世界にありがちな(?)イジメや嫉妬といったネガティヴな部分の描写を最低限に抑え、その代わりに女同士の前向きな連帯感を前面に出したあたりが、いかにもドリュー・バリモアらしく、初監督作品としては大成功といって良いだろう。

特に、彼女のあまり幸せだったとは言えない青春時代を知る身としては、本作で描かれる初恋相手との少々赤面してしまうくらいにロマンチックなデートの様子や両親との和解シーンなんかを見ているだけで、とても嬉しい気分になってしまう。

また、主演のエレン・ペイジもいつもながらの大熱演を見せており、自らローラースケートを身に付けてトラックの上を縦横無尽に駆け巡る。先日拝見させて頂いた「インセプション(2010年)」や「JUNO/ジュノ(2007年)」で演じていたキャラとは相当印象が異なるものの、元々「X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年)」の壁抜け少女だったことを考えれば、まあ、そう意外なことでもない。

ということで、エレン・ペイジも良いのだが、やっぱり俺にとって本作はドリュー・バリモアの初監督作品として記憶されるべき作品であり、次はどんな映画を見せてくれるのかとても楽しみです。