次石山

今年最初の山歩きは、日光市鹿沼市の境界上にある次石山を歩いてきた。

今年の年末年始は9連休なのだが、家族を残して一人だけ山歩きに行く訳にもいかず、12月29日、31日と1月2日(=東稜見晴台から南東に伸びる岩尾根に初挑戦)に古賀志山へ早朝散歩に出掛けたくらいでお茶を濁していた。

しかし、これでは休み中に摂取した大量のカロリーの消費にはとても間に合わないということで、勤務地に戻る長男をJR駅まで送り届けるため、午前11時までには必ず帰るという約束の下、午前6時30分頃に“小倉城山登山道入口”の標識が立てられた駐車スペースに到着する。

本来なら、ここから小倉城山の北西に延びる尾根の末端まで舗装道を歩き、そこから次石山の北南に連なるピークを縦断するようなイメージで歩きたかったのだが、時間の制約があるので断念。おとなしく小倉城山登山道入口(6時35分)を入り、ここからまずは小倉城山を目指す。

さて、まだ日の出前ということであたりは薄暗いが、標識やベンチなどが整備されたルートは明瞭であり、20分足らずで着いた小倉城山(390.6m。6時53分)の頂上には小倉城と八方館の解説が設置されている。

ハイキングコースとして整備されているのは次の八方館(7時7分)までであるが、その先も踏み跡は鮮明。“今里山”の表示があるピーク(7時12分)を左折し、赤い鉄塔の建つ与松山(372m。7時23分)〜雷電山(7時38分)と進むと、その先で踏み跡を見失うが、それは俺のコースミスのせいであり、少し戻ってから一本西の尾根に向かうとそこにはきちんと踏み跡が続いていた。

それをたどって8時10分に次石山(472.9m)に到着。近くにあるという奇岩を眺めてみようとちょっとだけ東方面に下りてみるが、木の枝が邪魔になって良く見えない。しかし、あまり下ってしまうと約束した帰宅時刻に間に合わなくなる恐れがあるため、早々に諦めて山頂まで引き返し、今度は南方面に向かって下りて行く。

次のピークには如宝山(8時28分)の表示があり、この前後から踏み跡が少々頼りなくなってくるが、注意して歩けば大丈夫。8時51分に着いた御嶽山の先で再び踏み跡を見失うが、左手に見えてきた尾根に上がってみるとそこは東電の巡視路であり、鉄塔(9時3分)を潜った後、南東方面に向かって順調に下りて行く。

予定では、地形図の南東の端にある神社(=住吉神社という名称であることを帰路に確認)に下りるつもりだったが、途中、GPSを確認すると少し西側にズレていることが判明。軌道修正を試みるが、地形が複雑なため思うような方向には進めず、結局、愛宕山神社の鳥居(9時20分)のある尾根を下って墓地(9時24分)の脇に出てしまった。

ということで、ここからは舗装道をテクテク歩いて10時9分に駐車スペース到着。総歩行距離は10.8kmと少々物足りなかったものの、本年最初の山歩きを無事完了することが出来たのがなによりであり、今年も安全第一で気ままな山歩きを楽しみたいと思います。

 ブロークバック・マウンテン

2005年作品
監督 アン・リー 出演 ヒース・レジャージェイク・ギレンホール
(あらすじ)
1963年のワイオミング。幼い頃に両親を失い、貧困の中で育ったイニス(ヒース・レジャー)は、夏の間、ブロークバック・マウンテンの山中で羊を放牧させる仕事に就くことになり、そこで同僚のジャック(ジェイク・ギレンホール)に出会う。大自然の中で2人きりで過ごすうち、彼等は男の友情を超えて“愛し合う”ようになるが、夏の終わりと共に再び別々の生活へ戻っていく….


監督のアン・リーがアカデミー賞で最初の監督賞を獲得した作品。

山を下りた二人は、それぞれ別の女性と結婚し、ワイオミング州テキサス州とに離れて暮らしていたのだが、出会いから4年後、イニスの元へジャックからの一枚の葉書が届くことから二人の禁断の愛が再燃。しかし、我が国よりは格段に進んでいるとはいえ、まだ同性愛に対して厳しい目が向けられていた時代の話ということで、結局、二人の愛が成就することはなく、哀しい結末が待っている。

まあ、これまでも同性愛をテーマにした作品は少なからず製作されてきた訳であるが、その多くが同性愛に対して狭量な反応を示す社会への批判というスタンスに立っているのに対し、本作は男同士による切ない“純愛”の行く末を正面に据えて描こうとしているところが珍しい。

また、都会の片隅のような暗く閉鎖的なイメージの強かったこの問題を、ワイオミングの大自然という開放感のある舞台に引っ張り出したことも本作の優れたアイデアの一つであり、とても新鮮な印象を受けた。

悩める主人公のイニスを演じているのは、早逝を悔やむ声の多いヒース・レジャーであり、評判どおりの抑制の効いた演技を見せてくれているが、より感心したのはジャックを演じたジェイク・ギレンホールの方であり、開始早々から漂わせるちょっと異質な空気感は文句なしに素晴らしかった。

ということで、本作のことを帰省中の娘に話してみたところ、何と既にDVDで鑑賞済みとのこと。おそらく、「ダークナイト(2008年)」のジョーカーつながりで見たのだと思うが、彼女も着実に一人前の(?)映画ファンへの道をたどっているようです。