地蔵岳を周回で

今日は、栃木百名山にも選ばれている日光市地蔵岳を石倉山からの周回で歩いてきた。

最初は、例によって(?)地蔵岳の東南から尾根伝いに歩くつもりだったのだが、事前学習の過程で偶然にこのコースを発見。足尾側に戻る際、粕尾峠の使用を避けるために勝雲山をルートに組み込むという秀逸なアイデアに感心してしまい、計画を変更して午前7時前に国道122号沿いの駐車スペースに到着する。

積雪を心配して、軽アイゼンやらスパッツやら思いつく雪対策グッズを持参してきたのだが、周囲の山の状況を見る限りその必要は無さそう。嵩張るので車に置いていこうかとも考えたが、万が一のことを考えてザックに詰めたまま、6時53分に出発する。

間もなく左折して県道15号線に入り、橋を渡った先にあるY字路のところが石倉山への取付き地点(6時59分)であり、しばらくはそれなりの急傾斜を我慢して上っていく。正式な登山道ではないものの、林業関係者による山仕事の形跡が認められるのが心強く、あちこちに落ちている熊の糞も古そうなものばかりなので、まあ、大丈夫だろう。

傾斜が弱まるとお待ちかねの快適な尾根歩きが始まるのだが、尾根の方向がしばしば変更になるので結構気を使う。何度かGPSを使い、方向を見定めながら歩いていくと、大間々営林署の「水源かん養保安林」の傾いた標識(7時52分)を経て、8時14分に石倉山(1113m)に到着。事前学習のとおり山名板は見当たらなかった。

その先も似たようなものだったが、県境尾根(8時45分)に行き当たると状況は一変し、境界杭や色とりどりのテープといった目印が頻出するようになる。1143mピーク(9時3分)の先では右手に林道が迫ってくる等、もう道迷いの心配は無いだろうと思って歩いていると、ピーク上に放置された錆びたワイヤーを跨いだところ(9時21分)で急停止。

すぐ手前にあった右手への薄い踏み跡が気になったので、そこまで戻ってGPSを確認してみると、どうやらそちらが正しいルートらしく、しばらく先で例の境界杭も確認できた。(帰宅後、今回のネタ元である「日光連山ひとり山歩き」のレポートを確認してみたところ、やはりこの場所での注意を促す記述がされていた。)

さて、その先からのアップダウンはなかなか大変であり、前地蔵岳(9時44分)を経て、9時53分にようやく地蔵岳(1274.4m)にたどり着く。氷室山に向かうらしい単独の登山者が立ち去ると、日当たりの良い山頂は俺の独り占めであり、地面に腰を下ろして腹拵え。ここからだと、先日歩いた横根山がとても立派に見えることを妻に教えてやろうと思ったが、あいにくスマホは不通だった。

再出発(10時4分)後は、粕尾峠を目指して明確な踏み跡を歩いて行くのだが、“思川源流5分”の看板がある地蔵平(10時17分)の先で踏み跡が尾根筋を外れてしまう。ちょっと迷ったが、ここまでずっと尾根伝いに歩いてきたことを思い出して尾根に復帰。ついでなので粕尾峠(10時38分)の先もそのまま尾根筋をたどることとし、無事ショートカットを成功させて10時54分に県道58号線に出る。

しばらく舗装道路を歩いて行くと、左手に日光森林管理署の看板(11時13分)が立っており、ここが勝雲山への登山口。といっても、登山口と山頂の標高差は30m前後であり、コンクリート製の石段を上がるとアッという間になだらかな山頂(1322.2m。11時22分)に着いてしまう。ちょっと探し回ってみたが、山名板は見当たらなかった。

ここから先は、北西の都沢林道に向かって下りていくのだが、特に決められたルートは存在せず、どこからでも好きなように下りていけば良いらしい。実際には尾根も谷も存在するため自由に歩ける訳では無いのだが、慣れた尾根歩きとは比べようがないくらい選択肢が広いので、正直、少々戸惑い気味。12時ちょうどに都沢林道に降り立つが、まあ、なかなか貴重な経験になった。

ということで、山靴をスニーカーに履き替えてから舗装道路をテクテク歩き、12時53分に車のところまで戻ってくる。途中から日が陰ってしまい、終盤は粉雪の舞う中を歩くことになってしまったが、今日は新品のスタッドレスタイヤを履いた妻の車を借りてきたので心配無用。総歩行距離は16.5kmでした。

 ホビット 決戦のゆくえ

山歩きが予定よりも早めに終了したので、帰宅後、妻と一緒に「ホビット 決戦のゆくえ」を見に行ってきた。

ホビット三部作の掉尾を飾る作品であり、俺も妻も公開されるのを楽しみに待っていたのだが、頭の中で前二作の復習をしてみたところ、エレボールの主である竜のスマウグと冥王サウロンの関係を良く理解していなかったことが発覚。慌ててTSUTAYA TVで「ホビット 思いがけない冒険(2012年)」を見直し、両者の関係(=無関係!)を確認してから映画館へ。

結局、スマウグもサウロンも中盤までにストーリーから退場してしまうため、両者の関係を理解していなくても特に鑑賞上の支障にはならなかったと思うが、それに代わって描かれるのが、ドワーフ、エルフ、人間そしてオークの4種族による一大決戦。最後、ワイルドカードの大鷲を投入して事態の収拾を図ってしまうのは少々ズルイような気もするが、まあ、それまで大迫力の戦闘シーンを堪能させてくれるので大きな不満にはならない。

また、中盤までのテーマになっているのは、ドワーフ族の王子トーリンの財宝に対する“執着”。前シリーズの「ロード・オブ・ザ・リング」のメインテーマが権力の象徴である指輪に対する執着であったことを考えると、原作者のトールキンの意図は富や権力に執着することの危険性を指摘するところにあったようであり、それを克服した理想の存在がホビットなのだろう。

ということで、前シリーズの第1作目から数えると6作、14年間に及ぶ長〜いお話もこれでお終い。この間、常に変わらぬ高いクオリティを維持し続けたピーター・ジャクソンに対しては心から感謝申し上げるところであるが、まあ、これだけのドル箱シリーズをハリウッドが放っておく筈は無く、早ければ、2、3年後にはオリジナル脚本によるスピンオフ作品を見られることを期待したいと思います。