尾瀬ヶ原の水芭蕉

今日は、妻と一緒に尾瀬ヶ原水芭蕉を見物してきた。

妻からリクエストがあったのはもう数年前のことなのだが、正直、まだ雪が残っている時期に尾瀬の木道の上を歩かせるのはちょっと心配。しかし、今年になって彼女もいくぶん雪道に慣れてきたようであり、参考までにネット上の情報を集めてみたところ、今年は雪解けが早いらしく、湿原の木道上に雪は残っていないとのこと。

それなら問題は無いだろうということで早起きをして自宅を出発し、午前6時過ぎに戸倉の第一駐車場に着くが、こちらはもう満車。しかし、第二駐車場の方にはまだ十分に余裕があり、こちらに車を止め、乗合タクシーに乗り換えて鳩待峠へ向かう。タクシー乗り場には10名くらいの行列が出来ていたが、タクシーの台数が多いのでほとんど待たされることは無かった。

さて、鳩待峠を7時1分に出発し、まずは山の鼻に向かって下りていく。昨夜の雨で濡れた木道が滑りやすく、我々の前を歩いていた男性もスッテンコロリンしていたが、きちんと除雪されているおかげで雪の上を歩く必要は全くない。そのうちに木道からでも水芭蕉の姿が目に付くようになり、いつも開花時期をハズしてしまう夫もようやく一安心。

山の鼻(8時5分)では多くの観光客が休憩していたが、まだ疲れていないのでトイレをお借りしただけで先に進む。7年前の家族旅行のときに娘がギブアップ宣言をした牛首分岐(8時51分)を過ぎても妻のペースは変わらず、9時6分に下ノ大堀川沿いにある水芭蕉のビューポイントに到着。

今日の天気は快晴であり、しかも昨夜の雨で空気中の塵が洗い落とされたせいか、視界は極めて良好。至仏山をバックにした水芭蕉の群生は評判どおり絵になる景色であり、多くのカメラマンの方々に交じってスマホでパチリ。こういうときには一眼レフのカメラがちょっと気になるが、使いこなす自信がないのでなかなか購入に踏み切れないでいる。

さて、これで本日の目的の90%くらいは達成してしまい、残された問題はどこまで歩くかということだけ。しかし、妻にはあらかじめ“見晴し十字路まで行ったら20kmは覚悟”と警告しておいたこともあって、竜宮小屋(9時35分)まで歩いたところで当然のようにUターン。十字路(9時38分)のところにあったベンチに腰をかけ、本日初めての大休止となった。

ここまで歩いてくると今度は燧ヶ岳の姿がくっきりと目の前に聳えており、なかなかの迫力。近いうちに妻と一緒に至仏山を歩く予定であるが、それを済ませたら燧ヶ岳にも挑戦させてみたいと(本人には無断で)考えながら空腹を満たす。

さて、来た道をそのまま引き返すのでは面白くないので、再出発(10時12分)後は十字路を北に向かってヨッピ吊り橋を目指す。この周辺は乾燥化が進んでいるらしく、木道の近くまでシラカバ林が迫っていたり、湿原の中に笹が密生していたりするのだが、そんな環境でも水芭蕉は咲いており、可憐な外見に似合わず、意外に生命力旺盛なのかもしれないなあ。

ヨッピ吊り橋(10時36分)を渡ったところで再びUターンして、ヨッピ川の流れる音を聞きながら歩いていると、池塘の周りに人だかりが出来ている。我々も立ち寄ってみると、水中を10cmくらいの生物が動き回っている。近くにいた人がイモリだと教えてくれたが、その人の言う“お腹の赤い筋”が見当たらなかったので、ひょっとするとサンショウウオだったのかもしれない。

その後は牛首分岐(11時21分)を経由して山の鼻(12時5分)まで引き返し、お店でアイスクリームを食べながら一休み。再出発(12時25分)後は終盤の上りがちょっと心配だったが、妻の足は最後まで止まることは無く、13時35分に鳩待峠まで戻ってくる。本日の総歩行距離は17.7kmだった。

ということで、帰りのタクシー券を購入するのに5、6分行列に並んだが、乗合タクシーの本数が多いので比較的スムーズに戸倉の駐車場に到着。日帰り温泉に選んだ白根温泉薬師の湯は、それなりの施設ではあるものの、客数が少ないためかちょっと寂れた感じであり、楽しいハイキングの〆にはあまり相応しくありませんでした。