カラヴァッジョ展

今日は、妻と一時帰省中の娘と一緒に国立西洋美術館で開催中の「日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展」に行ってきた。

昨晩のNHK番組「カラヴァッジョ 光と闇のエクスタシー」の影響による混雑が懸念されたが、開館時刻である午前9時30分の小一時間前に着いた美術館の前はまだガラガラ。しかし、いくらか散り残った上野公園の桜を眺めながら時間を潰していると、いつの間にか美術館の門の前に10mくらいの行列が出来ており、我々もそれに並んで館内へ。

さて、今回来日したカラヴァッジョの作品は全部で11点。彼の代表作は教会の祭壇画のように移動困難なものが多いので、正直、少々地味な印象は免れないが、「エマオの晩餐」や「メドゥーサ」はナショナル・ギャラリーやウフィツィ美術館で拝見した作品とは別バージョンのものが見られるし、“カラヴァジェスキ”の一人としてあのベルニーニの絵画も展示されているということで、まあ、貴重な体験であることは間違いない。

そんな中でこの展覧会の目玉になるのは世界初公開となる「法悦のマグダラのマリア」。2014年に発見されるまで長らく行方不明になっていたということで、あまり馴染みのない作品ではあるが、卓越した技術で描かれたマグダラのマリアの官能的表情は見応え十分。ただし、登場人物が一人しかいないシンプルな構図のため、カラヴァッジョ作品としてはやや印象が弱いかなあ。

そんなことを考えながら、最後の方に展示されている「エッケ・ホモ」を見ていたら、しばらく別行動を取っていた妻が近寄ってきて、娘が救護室で休んでいるとの報告を受ける。慌てて駆けつけると、貧血を起こして通路で蹲っていたところを警備員さんに車椅子で救護室に運ばれたらしく、幸い、しばらく休んでいるうちに体調は回復。

美術館を退出後、近くの「精養軒」で早めのランチを食べながら娘の様子を見ていると、顔色もすっかり良くなったようでほっと一安心。予定どおり、彼女のリクエストに従って東京スカイツリーの下にある「MAX BRENNER CHOCOLATE BAR」まで移動し、チョコとマシュマロの乗っている甘〜いピザをこれまた甘〜いチョコレートドリンクで胃に流し込むという(甘党の俺にとっては)至福のひとときを体験してから家路についた。

ということで、帰宅後、録画しておいた「カラヴァッジョ 光と闇のエクスタシー」を拝見したのだが、展覧会に出品されていた作品はほとんど登場しないという予想外の展開。しかし、イタリア各地に点在するカラヴァッジョの名作の数々はやはり素晴らしいものばかりであり、見ているうちにまたイタリアに行きたくなってしまいました。