2012-04-09 『正』の字、道具
訳も分からぬまま流れに任せて動く。
そして、「起立」「着席」という号令で、
それにしっかり反応する人々を目の当たりにして驚く。
何も言わなくても動く身体性と知性をもっていることにレベルの高さを感じる反面、
海の近くの森に暮らすタヌ子さんに、号令の時間、
「こういう場面は『正』の字を書くのは止めて、立つものなんだよ。」
と毎回私が言うと、彼女はうっすら笑って、「はい…。」と言って、あぁまた私の反応を試したね、っていう、
そんなタヌ子さんとのやりとりが、実は私はとても好きだったのだと、いまさらながら思う。
合間を見つけてまたロクロを回す。
粘土質がなめらかで、とても扱いやすい土だった。
その扱いやすさで気持ちに余裕が出たのか、
今作ってるマグカップはもうちょっと軽くしたいな、とか、
口に触れる形状はいかがなものだろう、とか、
自分の日常にある「飲む」という一連の行為を想像し何度も反芻しながら、形を紡いでいく。
電動ロクロは、オートマティックでありながら、
自分の体との解離性はあまり感じられない道具で、
何をしゃべろうと頭で考えなくてもペラペラしゃべれるように、
そのまま土が反応して造形が立ち現われてくれる、そんな感じだ。
なんだか写真みたい。
2012-04-08 四月
色濃い半年間の関係性だった割に、
意外にも、もしくは、ある一面では想像通りの、ずいぶんとさっぱりとしたお別れとなって、
その後、私は料理つくったり洗濯したり、慣れない分別方法でゴミを捨てたり、
そんな生活が一週間ほど経ったが、今のところそれが思ったよりイヤじゃない。
次の仕事はあまりに何をすればいいのか分からな過ぎて、
もはや何が不安なのかも分からない。
実際みんなと対峙してって課題が見えてくることなのだろうから、
不安のない束の間の今を、とりあえず満喫することにする。
ロクロまわして、教室にいる、太っちょなのか骨太なのか見極めが難しいニャンコを、ぼんやり眺めたりした。
ワンコに比べてニャンコはずいぶん心も太い野郎で、悟ったような顔をしている。
なんだか時々、カマ猫くんやオウム太郎くん、タヌ子さん、
そしてもっとも手古摺った、イリオモテヤマネ子さんのことが懐かしくなって、
彼らの日常をぼんやり思い出したりする。
今朝は雪がちらついていたらしいのだけど、
教室のロクロ台は西日がよく差す位置に置いてあって、
ちょっと前まで寒くかじかんだ手でやってたのに、
温かな春らしい日差しが差してきて、昼下がりはとても心地がよい。
2012-01-11 コカコーラ
2011-12-23 猫の事務所
2011-12-08 礼節
少し笑顔を作ること
嘘でないように幸せを装うこと
何よりもパンクしたタイヤのように
自己をへこますこと
常に無関心であること
‐藤富保男『礼節』‐
ここへ通う学生は、
恵まれた家で育った人達なんだなあ、
どうもそういう表情をしている、
と、用事で母校に行った時に思った。
私も含めて。
そして翌日の今日、
いつも通りの、少しだけの笑顔を作り、
嘘でない程度の幸せをありったけ着込んで、
パンクしたタイヤのように、自分の我をへこまして、
そちらの世界には大変なことがございましょう、
と思いながらも、最大限の無関心を装って、
そういえば、こちらの世界にはこんなにも愉快なことがありまして、
そしてその門には、無理強いはしませんが来るもの拒まず、の札がぶら下がっております、
みたいな表情で、また一日を過ごした。
アーメン。
tokotaa6845
2011/12/09 06:45
アーメン
hamuma
2011/12/10 14:19
そう願います
2011-11-15 カリモクは日本製、明治の金工、TPP
カリモクはフランス製の商品を取り扱うお店だとずっと思っていたのだけど、
日本の会社だと知って、はて?なんでそんな記憶違いをしてたんだろと、
今日仕事をしながら考えていたら、
大学で研修旅行でフランスに行った時に、
フレンチサウンドがカリモクにふりかけられたからだと妙に納得。
というか、カヒミカリィも日本人じゃんね。
開国した明治期の金工作家の作品がとても面白い。
その時代、国際万博に向けて日本は「世界をびっくりさせましょう」という意気込みに満ちていて、
当時、世界の中心地ヨーロッパでは流行っていたロココ調の系譜を受けた新古典主義(?)っぽい、
デコラティブな工芸が流行ってたらしいのだけど、
日本の金工職人は、そのヨーロッパ流行りのゴテゴテしい工芸に、追いつけ追い越せ精神で、
龍とかカッパとか鬼とか、もういろんなモチーフをごちゃまぜにして、
超ゴテゴテの壺等作って万博に出品したそうで、
そのウルトラバロック並みにデコってる壺とか花器とかオブジェとかが、
すごい小宇宙を作ってて、あれは本当に愉快極まりない。
しかも、細部の作り込みが半端なく精巧にできてんのね。
当時の日本の職人さんとか「うへへへへ…どうだ?」みたいな境地を、
世界に見せつけたかったんだろうね。
でもそのあと、アールヌーボーの洗練された有機的な形がもてはやされるようになったから、
その後、そのブームはあっさりと闇へと葬られたらしいのだけど。
TPPとか、政治に疎い私でもその3つのローマ字はよく聞くようになった昨今だけど、
日本の職人とか農業関係の人とか、パッケージデザインとかする人とか、
「うへへへへ……」
になったら面白い。
TPPで日本が国際競争にさらされることは賛否両論あるみたいだけど、
TPPへの参加が決定した場合、明治期のああいう熱の高まりが出てきたらとても愉快だ。
ゴテゴテしいもの作れ、とか、世界の流行をマネしろ、とか、そういう次元ではなく、
彼らの精神は日本人としてたいへん気高いから、学ぶに値するものがあるよ。
2011-11-06 グループ展に参加します
グループ展に写真出します。
◎「自由な眼差し、眼差しの自由」アート・ウォッチング2011
・日程 11/12(土)〜11/20(日)
・時間 11:00〜18:00(最終日17:00)
・会場 gt.moo.gallery(ゲット・ムー・ギャラリー)
昨年度も参加したグループ展です。
今回は18名の作家さんが参加します。
このグループ展は、インスタレーションや絵画など、普段は写真を限った展示ではない現代アート作家も集まって、
写真を媒体とした作品で、それぞれの視点を展示しましょう、という切り口で毎年開催されているものです。
今回の私の作品のタイトルは「ジャパニーズ・イコン」です。
イコンはキリスト教でいう「聖人像」の意味で、
崇拝の対象として作られる偶像のことです。
イコンはここ最近気になっているワードです。
よくお寺などにある石の像が、
祈る者の施しや思い入れによって、
元の石像とは違う匂いを持った様相へと変容したもの、
そういう被写体を展示します。
撮影中、現代の日本人の祈るという行為について考えさせられたり、
また石像に施されている物品に現代の消費社会を象徴するものが写り込んでいたりして、
「今の日本らしさ」という疑問を問いかけながらの撮影にもなりました。
よろしかったら是非お越しください。
また、初日の11/12(土)はギャラリートーク&オープニング・パーティーがあります。
時間帯は16:00〜18:00ですので、そちらの方もご興味のある方、ご参加の程よろしくお願いいたします。











