勝間和代のビジネス頭を創る 7つのフレームワーク力

今日、出版記念講演会に行ってきました。
三省堂神保町店サイン会&Chabo!フェア- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!
その帰り道に全部読んだので、それらの感想とまとめを。

今、読みたかったテーマ

まず、テーマ設定が秀逸。というか、完全に勝間さんのマーケティング戦略にのっかってしまっている気がするほど、ちょうど知りたかったことが一冊にまとめて書いてある。とてもお買い得だと思います。


「年収10倍〜」シリーズから「グーグル化」と、勝間式能力アップ手法を色々と試してきた読者としては、なるほど日頃の習慣だったりツールだったりは分かってきた(気がする)。で、これを徐々に仕事に活かそうとしてきました。MECEやピラミッドストラクチャーは先日セミナーにいったこともあり、仕事の中でも意識的に使うようにしている。課題が山のようにあって絡み合っていることを整理するにはとても便利だということは実感。これは続けていこうと。MECEの分け方が適切なのかどうかはともかく、、、。


そう、この自分のやっていることが合っているかどうか分からない、という状況が日常的にあるのです。特にうちの会社は人も組織も若いので、こうやればいいんだよという前例もやり方も(あまり)ないので、自分のやっていることが正しいのかというのは不安になる。ムダな努力というのもいっぱいしていると思う(そういう経験が成長に大事だと思ってやっているというところも大いにあるにせよ)。仕事量も責任も段々増えてきたので、色々と工夫をしなくてはなーと日頃考えている。そういう状況なので、フレームワークを使えるようになっときたいなー、という意志は大いにあった。

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

何ヶ月か前にこの本を読んだ後にも、フレームワークを身につけようと思っていたのだ。ただ、フレームワークって、どうやって学ぶものなのやら、、、?と思っていた。なんか本は色々とあるのだけど、入り口として、まずどのあたりを押さえとけばいいのか、、、とか。


そんな状況だったので、本書の読者ターゲットとしてはうってつけだったと思う。

実践が豊富

本書ではビジネス思考力を

  1. 論理思考力
  2. 水平思考力
  3. 視覚化力
  4. 数字力
  5. 言語力
  6. 知的体力
  7. 偶然力

と定義し、各項目について、「3つの基本テクニック」と「4つの実践方法」をあげている。本書の作り自体がフレームワークにそって、ピラミッドストラクチャーとなっているとのことだったが、その通りでとても分かりやすい。


何より知りたいことである実践方法について、具体例を豊富に書いてあるのがうれしい。学びのアウトプットは行動であるので、理論だけでなく、どうやってやるかということを先生が具体的に教えてくれる授業なのだ。プログラミングの教科書に関数の定義や文法についてだけ記述があってもさっぱり分からない、やはりソースコードという具体的で、自分が試せるサンプルがあり、それを自分の指でやってみないと身に付かないのと一緒だと思う。


例えば論理思考力の要素である「仮説思考」って、どうやるものなんだろう?と、前から(本当に)思っていたのだが、日常の中で「なぜを5回」やることであったり、友人とランチに行く時に、友人が何を注文するかを予測する(実際に注文した後に理由も聞いてみる)といったことがすすめられている。なるほど、これならやれそう、と思える。「なぜを5回」とかは、最近は業務的なルールになっていたけど、そういえば学生時代には自分でもっとやってたな。知らず知らずに、やらなくなってたな、なんてことにも思い当たる。


前から習慣的にやってたということがなくもないが、それが何の役に立つのか、ということがはっきり分類されたということにも意義があると思う。あー、今こうやって考えているのは、水平思考力的な考えだな、とか意識するようになると、成長は早まると思う。人間の身体の仕組み的に、そう思うのだ。
高校の時に、部活の監督やジムのトレーナーの人に、今使っている筋肉を意識しなさい、ということを常々言われていた。ストレッチであれば、今 筋肉が伸びているのをイメージしながら、ウェイトであれば、使っている筋肉に意識を集中させる、といったように。スポーツ医学的にこれらは(確か)証明されているので、きっと脳の働きにも同じようなことがあると思うのだ。両方とも脳を使っているという点では同じなんだし。なので、この「3つの基本テクニック」と「4つの実践方法」はいいやり方だなと。

教えて君」からの脱却

これが強いテーマらしい。確かにそう。自分としても、これは大きなテーマ。
頭でっかちにならず、もっと手と口と身体が動く人間にならないといけない。
(ここでいう教えて君とは、
ブルーム博士の思考の6段階モデル(詳しくは本書に書いてあります)である、

  • 評価
  • 統合
  • 分析
  • 応用
  • 理解
  • 知識

でいうところの下の三段階(知識、理解、応用)で止まっている人のこと。得た情報を付加価値のついた行動にまでもっていけない(いかない)人。)


これに対する今日の講演の中で、なるほどと思った話(の要約)。

ビジネス思考力の要件
1. ビジネスの場で
2. 限られた情報と時間の中で
3. より適切な推論と判断で
4. より適切な行動を起こすことで
5. より高い付加価値を生み出す


この中で、3 → 4 ができない人が多い。
それは、自分の推論と判断に自信がもてていないから。

行動するために考える。
出口思考からすれば、当然のことだけど、とても大事なことだなと。


実践

勝間さんは本を出すたびに、題名を変えてみたりとか、本の内容を変えてみたりといった、マーケティング的な実験をしているそうだ。今回の講演会は、本の発売とほぼ同時期。この講演会で本を引き渡すということになっていた。前回の「利益の方程式」の講演会の際には、発売後しばらく経っていて、ある程度本を読んだ人が多いという前提だったけど、今回は本を読む前に、直接著者から話を聞くという形態。


これも1つのやり方なのかなと思った。本書の目的は、この本がきっかけになって実際に行動を起こして、具体的な成果を出す人をつくるということにあるとすると、この講演会は、本を読む前の、読み方のガイダンスだったような気がした。フォトリーディングの考え方として、一度概要を知っておいた方が、その後の学習能力がアップするという。
実際に本を読んでいて(特に終わった直後に読んだので)、あー、さっき言ってたことだな、とか思って一気に読むことができたと思う。



本書は320ページ以上あって、紹介されるフレームワークも21個、最後に付録として参考図書がふんだんに載っていたりと、情報量としては相変わらずものすごいボリューム。一人の人間の頭にこれだけぎっしりと、整理されてしまうのはちょっと大変かもしれない。ただ、勝間さんがこれまでの講演会で何度か言われていたのが、「フレームワークは一朝一夕でみにつけられるようなものではない。数年かけてやっていけばよい」ということ。焦らずに、できることからコツコツやっていこうと思う。あと、今日の講演会で嬉しかったのは、「私は暗記が苦手です」ということ。自分も(それで色々と困ることも多いけど)暗記(記憶系全般?)が苦手。それもそんなに悲観しなくてもいいのかなと思えるようになった。



社会人になってもう5年目だけど、2年目くらいから感じるようになったのは「守破離」が大事だなということ。その「守」になる型を探していたのだけど、本書は最適な一冊になると思う。焦らずにコツコツとやっていこう。