子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 節分・季節の変わり目の形
◆内容 円形(2,3年生)
◆道具 筆記用具(鉛筆、消しゴム、マーカー、マジック、コンパスなど)、クロッキー帳(masuman)、スケッチブック(maruman)、鉛筆(6Hから6Bまでトンボ、ファーバー・カステル)、色鉛筆(あるもの)、アクリル絵の具(リキテックス(アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント))、平筆(アクリル用)、折紙(あるもの)、色画用紙(あるもの、コストコで購入したもの)、コンパス(転造式ネジコンパスなど数種類)、定規(30㎝プラスチック)、工作用ゴム版(あるもの)、ハサミ(あるもの)、カッターナイフ(あるもの)
◆科学 季節の変わり目を感じる 見えないものを例える なぞらえる

◇参考図書・URL
・『くもんの名画カード 海外編2』木村重信 監修 くもん出版 2002年12月初版第4刷
・『日本の伝統色』福田邦夫 著 読売新聞社 1996年5月第12刷
・『ブルーノ・ムナーリ かたちの不思議2 円形』ブルーノ・ムナーリ 著 阿部雅世 訳 平凡社 2010年11月
川崎市市民ミュージアム ブルーノ・ムナーリ
http://www.kawasaki-museum.jp/magazine/blog/exv/cat34/munari50/post_23.html

◇備考
・アコナ・ビコンビを数回に分けて作ります。
(アコナ・ビコンビ ACONA´ BICONBI´:穴のあいた円盤の円周上に、円周を三分割する点を三つとり、その点をつないだ直線に沿って、円盤のへりを折り曲げると、正三角形に3枚のひれがついたような形になります。そのようなピースをたくさん作って、ひれの部分を合わせて組み立てると、写真のような(URL川崎市市民ミュージアム参照)オブジェができます。組み合わせるピースの数によって、できあがるオブジェの形が変化します。この作品のタイトルは、「辺AとA´、辺BIとBI´を合わせる」(ACONA´ BICONBI´)という意味のイタリア語をもじって作られた造語です。ブルーノ・ムナーリ作。1961-65。本文より)
・名画カードの中の円形を探した。日本編はせずに西洋編1にもあまりない。絵画に円形が出てくることは光輪として以外ではここ百五十年の事なんだと感心した。

◇分かったこと 気づき
・ちょっと詰め込み過ぎたかも知れないがよくついてきてくれた。
・生活のなかの円形、円形からの連想などもしたが時間がきてしまった。
・やりたいことは円形をめぐる、抽象と具体をイメージしてもらうことだった。
・ことのほか円を見つけることがスムーズで、知的リアリズムと視覚的リアリズムと、円自体のもつ特別な感じとの関係があるのかも知れない。

❖基本学習
・前回やり残した かるたの箱の仕上げをする。
・箱にリボンの絵をかく。クリムソンレーキを出して二度塗り、三度塗、影とシワで立体化させる。
・鉛筆の濃淡、鉛筆でリボンを描いて、影やシワで立体的になることを示す。鉛筆は6Hから6Bまで一覧。
・アクリルの赤を影の部分を考えながらぬっていく。リボンに膨らみをだしていた。
・箱はしばらく置いて本題にはいる。
・「明日は節分ですね。季節の変わり目です。今見えなくても感じること、気温の変化とか、春の準備とか、
そういう見えないものを形に、何かに例えましょう。」「鬼って何だろうね、鬼って本物は見たことないよね。
つのが二本とか一本とかあって、お店屋さんでお豆を買うと一緒についてくる、そういう鬼ならわかるね。」
・ネットで鬼の画像を見る。豆まきに使えそうなお面風なものや、能面に出てきそうな鬼。「こういうのがお豆さんと一緒に置かれていたら怖くて買えないね」などと感想を言っていく。
・季節の境目について、見えないものを、何かに例える。
・違いそのものを感じる。感覚でちょっと違う感じをつかむ。違いについて例える。
・色に例える、形に例える、陰影に例える、親しみ易さに例える。 
・同じものでも、かさねの色目をやっていると、並べる色で印象が変わるね。
・折紙で切り絵をしてかさねの色目に近い色を選んで色合わせをした。
・表は切り絵、裏を背景色にすると印象が変わることを確認した。
・かさねは四季通用の「今様色」ピンク(紅梅)の方で蝶のような切り絵を作って紫に近い色を下にひいた。
・折紙は100円ショップの日本の伝統色から選び、以前やった文様の桜やオリジナルハートを作った。
・色と照明の話。食品と蛍光灯、白色灯、自然光について、お店屋さんとお客さんの勝負などを軽く。
・『日本の伝統色』に丸窓の被せをつくって名前抜きで色を比較した。
・名画カードの中の円形を探していく。
・西洋編2のカード31枚の中からを円形が含まれる絵画だけ取り出した。
・かるたの箱を完成させた。学校でやっているらしくタイムリーでしたね!

・テーブルにあったアコナ・ビコンビを見て、ピースを手にして、シュッシュッシュッと飛ばした。例えが素早いです!
・明日は節分ですね、面白い形をつくりましょう。今日は丸をします。
・カードの中の丸や円だけを見つけたら、自分でとってわけようと始める。
・殆どの絵画の中にまるを見つけました。
・30と31のウォーホルの「マリリン・モンロー」のホクロとリクテンスタインの「ヘア・リボンの少女」のドットが円形に入れられていた。
・沢山の絵の中に円形を見つけてくれました。
・「スカートのがらが」「(消火栓のようなものが)」「お皿が」「金色の」「お月さまが」「くだものが」「ギターのネジが」「たくさん」「顔が」「犬の目が」「目が 木が」「棒回しが フラフープが」「えこれ タイヤじゃないの?タイヤのなかの金のリング」「時計が ってグニャってしてるけど 元が円形だから 円」「ただ金時計とある赤い時計はまるいね」「目が」
「骸骨の目とか、(陰陽の玉)が」「(丸が分子的に広がっている)...」「電球が」「時計が」と、たくさんの円形を見つけてくれした。
・円形でなかったのは、ムンク、ルオー、モンドリアン、モディリアニ、マグリット、ベンシャーン、ポロック、ロスコ、デュビュッフェ、
のカードの絵でした。
・色は『日本の伝統色』を色名より色自体を見てもらった。インクの比率も気になりましたね!
・一ページが三段になっており、好みをそれぞれから選んでもらった。
・色の対比では補色(反対色)が好み、似ている色では明るい色が好み、ということもあるんですね!
・橙と茶を見ていった。
・茶色の色名はおおくて、歌舞伎役者の俳号が色名となって残っているとあります。
・鉛丹、赤朽葉、洗朱、肌色(今は言わないけどね)、土器色、海老茶、枯色、桑茶、媚茶、団十郎茶、芝翫茶などなど。
・「運筆、折紙、図形」では折り紙で切り絵をして背景色を組み合わせました。
・切り絵は折り紙を四つ折りや斜め折りをお勧めしました。
・斜めに折ってから律儀に三角に切ったので、正方形の穴が開きました。
・ネットで調べると難しいものが多かった。
・ゴシック風な太い線と触角のような曲線を作って、蝶のような形になったものを手本にしてもらいました。
・橙を選んだので、人参の中央に耳のような、宇宙人の坊やのような形になりました。
・背景に青を持ってきて、オレンジの切り絵をのせてスケッチブックに貼りました。
・鉛筆の濃淡を見ていって、クロッキー帳に順に並べて試書きをしていきました。
・斜めにデッサン風に鉛筆を持って6Hから6Bまで試しました。
・それぞれに数字で濃さを書き入れようとしたら、グルグルと線が延びてきて長い曲がりくねった線を伸ばしていきます。
・真似をして「DECORAZIONE 装飾(イタリア語らしい)」という組みひも文様のようなものを描きました。
・その後、線はくるくるくると伸びて曲がって複雑になりました。さいごは当たりと外れになっています。
・「さ 選んでみなさい」という雰囲気になっております。
・その痕跡をなぞることになりました。三回目にようやく当たって「正解!」となりました。
・アコナ・ビコンビの理解を助けるために、折紙のサイコロと、24面体を置いていたせいでしょうか、定規を使って双六もつくりました。遊びませんでした。

❖今日の課題
ブルーノ・ムナーリの『円形』を見ていった。
パウルクレーの大円のなかに中と小円が収まって動きを感じさせる円「運動と反運動」を見てコンパスで描いてみる。
・色鉛筆で塗ってみる。
・配色はネットでアルバースの色遣いをみました。色には重さがあるのかな。
・「目玉おやじ」に見えてしまいますね。それを二つ描きました。ますます「目玉」に見えてきました。
・アコナ・ビコンビという形を作ることを見本と本とネットを見ながら説明した。
・ピースつくりをします。
・色画用紙にコンパスで直径6㎝の円を描く。
・円の真ん中に直径2㎝の円形の穴を空けて、6㎝の円周に正三角形になるよう折り目を入れた。
・画用紙の色は重ねの「今様色」に近いもの。
・それをたくさん描きました。切り抜きとつなげるは次回にします。

・『円形』の本をみました。
パウル・クレーの「運動と反運動」をみせて、コンパスを使って描いてくれました。
アルバースを見せて色鉛筆で色を塗って、面積が広いので一緒に塗りました。
・真ん中に線を引いて作業分担しました。
・強く塗って、綺麗な水色と黄色と黄緑色になりました。
・書いた文字が素晴らしかったです!333333はZZZZZZでした。
・「ちきゅうのなかに お月さま ねてる」だそうです。うーん詩人!
・それからアコナ・ビコンビのピースを作るために画用紙の色を選んでコンパスを使って半径3cmから始まって円を描いていきました。
・一所懸命書いてくれて 最後は隣接上下左右に隣接するまで書けました!
・サイズが微妙に違ってるね、測ると6㎝、5,5㎝、5㎝、4,5㎝となっていました。あらあ?縮まないコンパスなのにね??
・つなげていくとどんな図形になるでしょうか。ではまた次回。

❖today note
We painted on the movement and un-movement circle of Paul Klee.
They became to change two eyes and the Moon.

❖reference
団十郎茶・梅幸茶・璃寛茶・芝翫茶・岩井茶・路考茶
 江戸時代の茶色の流行は、当時の大衆芸能の代表だった歌舞伎の舞台や、役者たちに愛用された色に、とくに茶色が多かったことからもうかがえよう。役者色としてのこっている色は、成田屋音羽屋などの家の色として使われた色であり、彼らが舞台の上で演じた役の色でもあって、その多くは、江戸時代を通じてくりかえし流行したといわれている。
 団十郎茶は初代市川団十郎以来、代々の団十郎狂言の衣装に使った茶色で、弁柄と柿渋で染めた茶色をいう。衣類のほか小間物などにもこの色がつけられて流行を続けたという。現在も劇場で使われている定式幕の柿色もほぼ同じ色である。
 初代尾上菊五郎が好んだといわれる梅幸茶は緑の強い茶で、代々の音羽屋に愛用され、一般にも流行した。
 江戸の役者はたいてい俳号をもっており、色名にはそちらの名前がつけられている場合も多い。二代目嵐吉三郎の好みの色とされている焦茶色は、彼の俳号をつけて璃寛茶という。嵐璃寛と人気を競った芝翫が、後の三代目中村歌右衛門で、こちらはもう少し明るい茶色を用いて、芝翫茶という色名を残した。
 丁子染の茶色を売物にしたのは四代目岩井半次郎で、男女の別なく広く流行したという。これは苗字のほうをとって岩井茶と呼んだ。
 最も長く流行をくりかえした役者色は、江戸の初期の女形の名優だった二代目瀬川菊之丞の俳号をつけた路考茶である。江戸中の若い女性が、彼が演じた役の衣装や持ち物を真似たといわれている。これらの役者色の茶は、いまも歌舞伎の世界に残っていて、江戸の名ごりをとどめている。
(『日本の伝統色』本文P.47より)