感想 結城充考「奇跡の表現」

<KEI・電撃文庫・510円・ISBN:4840229198
内容を要約すると「サイボーグ親父のへヴィーな懺悔」
すねに傷のある男の後悔の日々が、一つの事件によって終わりを告げる話。
表紙&裏表紙からは想像も付かないくらい渋い話でした。 帯に書いてある「レオン」とかハードボイルド物というよりはブルース・ウィルス主演の映画「ラストマンスタンディング」、あるいは黒澤明監督作品の「用心棒」「椿三十郎」といった方がしっくり来る、もうひたすらおっさんおっさんしたおっさん臭い展開の中にほのかに香るキリスト教要素によって、独特の雰囲気をただよわせる結構不思議な作品。 電撃文庫以外ではほぼ間違いなく受け入れられない作風です。 個人的にはすごく好きな雰囲気ですけど。
それと装丁面もよくって、カラー口絵の最後のページとか、イラスト&キャスト紹介によってしめられるラストとかがものすごく象徴的で大層気に入りました。
でもどう考えても続編は無理だよな・・・。 この人の次回作には期待しておこうと思います。