感想 林トモアキ 「お・り・が・み」

お・り・が・み 天の門 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 天の門 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 龍の火 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 龍の火 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 外の姫 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 外の姫 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 獄の弓 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 獄の弓 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 正の闇 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 正の闇 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 光の徒 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 光の徒 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 澱の神 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 澱の神 (角川スニーカー文庫)

 面白かった! だけじゃ足りないか。しかし、それ以上はなんとも曰く言い難い所があって、なかなか語れないのがなんとも。と、考えて幾星霜。正味半月。今日は興がのってきたので、勢いで書いてみます。
 とりあえず、全編において「この人、設定考えてないんだろうなぁ」感と「何故一冊にまとめたがるんでぃす!」というのがミキシングしているせいか、一冊で唐突にキャラ&伏線が立つというのが日常茶飯事というかデフォルト設定なので、なかなかにダイナミックで楽しいです。というか、翔香姉ちゃんがいきなり強かった設定になった時は嬉しさ半分、でもイラスト無いのよなぁ、の悲しさ半分でしたが、それはまたそれで良し。
 しかし、設定をきっちり考えない、というのはライトノベル位じゃないと許されないような気もします。というより、ライトノベル読みの特性として、「ああ、これには何も考えてないかもしれない」というのを見切った上で、「でも、ラノベだしな」という処理でうっちゃれるがゆえに、こういうドライブ感が出る作品が書けうるし、それを狙って書いている節もあるんでは、とも考えましたが、考え違いでない自信が無いので、ここでは割愛します。
 さておき。
 キャラの立ち方が変ではあるものの、いやそれゆえにかもしれませんが、大層立ち方が良くて、キャラ語りを始めるときりがなくなるので、軽く言うと、やはり翔香姉にイラストが無いのは片手落ち、どころかダルマ落ちとすらいえるでしょう。なんでほぼレギュラーなのにイラストが無いのよーーッ! こうなればもう、マスラヲの方に出てきてイラスト付きになってくれ! としかいえないですが。
 他には、やはりこの作品を象徴するような変遷をたどったクーガーさん。「外の姫」時には、こうなるとは微塵も考えてなかったんだろうか、いやでも……、という風に考えさせられる立ち回りでしたが、このキャラが下手すると鈴蘭より書きたかったキャラなのかも。なら、もう少し厚遇だよなぁ。
 さておき。
 ツッコミ所は多々と言うか大半というかですが、それでも良いものでした。