感想 高遠るい 『CYNTHIA THE MiSSION 9』

CYNTHIA THE MISSION 9 (REX COMICS)

　読んだ後の第一声。「新郎新婦ってお前らかよッッッッ！」。一番可能性のあるのは確かにあんたらだけど。だけどっ。
　まあ、なんだかんだで綺麗に終わりました。とりあえず見たいと思ったものはたいがい見せていただいたので、ここが一応の潮時だろう、という反応が自然にでました。ちょっとだけ先が見たい、という思いもありましたが、それは心の内にこもらせました。これ以上するとパワーバランスとかが変になりそう、という判断が働いた模様です。基本構成物であるバキですら、その辺のさじ加減がちょっと最近異常化著しいので、長いと色々大変なんだなあ、まだ連載中級者に入りかけ位置する人が手を出すのは難しいのだろう、とかなんとか。
　キャラ的なものの見方を印象で言うと、最後までカルロス不遇且つ優遇だったのが印象的にすぎます。まさかの運命改変再びも見所ですが、それより最後の出番があんな萌えロールするとは、まさかまさか。というか、何どう考えても有り得ない夢みてんだカルロス。どこまで男の子なんだ君は。
　最終巻なので総括のような話をすると、なんだか不器用な話だったな、と。基本線が「強さ」という題目があるにあるにしても、それをどうするかって事があちこち行ってた、焦点がバラけてすっきりいかない不器用さを表していて、でもどうにもそれが良い点だった、とか思ってみたりします。商業連載の難しさとかあるのかしらん。
　後、全く個人的な話で言うと、連載時期が「美女で野獣」と被っていたのが、この作品の幸不幸、いや命運を変えたりしなかっただろうか、とか考える時があります。おそらく、両者ともまるで意識なんかしてなかっただろうけれど、見る方としては、どうして両方あるのを見知っている為に比較したくなる、というのがあって、そのせいで色々意味も無い、取りとめも無いことを考えたなあ、とか。最終着地地点が無茶になった「野獣」の方が個人的には好み度が高いのですが、それはまた別の話。
　それにしても、最後のコラム的な漫画が酷かったね……。でも、ゼイリブ再見したくなりました。あの無駄ステゴロを再び見たいです。後、最後のサムズアップとかも。あれも良いシーンなんだよなあ。その後のカーペンター特有の投げっぷりを含めて、ほんといいんだ。