感想 黒咲練導 『放課後プレイ』

 大体の内容。少年少女のエロラブい日常。ゲーム雑誌の4コマなのでゲームもします。なんとなくだけど、もとより“なんとなくゲーム系”を標榜してるから、なんとなくでいいんである。
 それはさておき。
 にしても、こうやって思いっきりまとめて見返せる状態になると、異常なほど高濃度のエロラブ空間で時空が歪んで見えます。つーかどんだけ仲良いんだよお前ら。こんなに虐げられてるのにこんな仲の良い生命体が存在するんか? と思ってしまうくらいにラブラブで、うらやましい以前でほのぼのしてしまいます。たまにエロるとほのぼの吹っ飛ばされますが。最初の頃のキスするかしないかでやきもきだったのが、どんどんエロエロに……。というほどの、たとえば赤貝で名を更に斜め上に上げたチャンピオンRED誌みたいにがっつりエロではなく、こちらのエロ能力でエロくみえる騙し絵みたいなエロなのが、掲載誌の限界*1と噛み合って、なんか酷く淫猥に見えるのであります。正直、4コマ漫画として杓子定規に良い悪いで言うとちょっと悪いに分類される系統ではあるんですが*2、それはそれ、これはこれ! と開き直って娘さん(そういや名前無いなー)の百花繚乱する表情を見て楽しめば良いと思うよ! 話的に好きなのは第一話となっている投稿作がこの漫画の全部を内包してていいのと、猫耳眼鏡と大好きの第12話ですか。第15話もそれはそれで非常に良い回ですし、拭いての第4話もよろしいであります。
 それはそれ! として。この作品におけるゲーム、というのがまた非常に良いです。とりあえずゲームしてればいいんだろ? というよりは普通の日常の演出としてのゲーム、と言っていい使い方で、それが突如始まるラブエロい展開を引き立てていたり、あるいはその段階で仲良いなーと感嘆させられて、エロる段階になると仲良いもんなーと納得させられる、という緩急あるいはフレーバーチックな存在だったりします。こういうのを見ると無性に沸き起こる憎らしさが、でも仲良いもんなー、で沈静化したりも。仲良き事は美しきかなとはよく言ったものです。
 しかし、男の方は虐げられに虐げられていて、お前それでいいのか、と思う時もあります。ちょっとこの娘さん性格きついなー、とも。まあ男といるときだけだろう、と思ったら最新の電撃4コマ(vol'71)では二人の間に入ってくる人にもわりと傍若無人な所があって、普段もわりとイタイ子なんかなー、とかなんとか。でも、「封建社会の完成形は少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」という言葉もありますから、こういう関係もありなのかもしれません。特に二人は暗黙の合意の上でこの関係だろうから、それを傍目から見ている我々がとやかく言うのも野暮ってもんでしょう。単行本書き下ろしである最後の奴なんかの見てしまった感の高さは異常ですよ。なにこのラブエロ時空。この時空の中ではラブエロ度が三倍位になるんだろうかって程にはラブエロい。というか、電撃4コマ連載ではその前15話で終わってしまったので、連載追ってた私などは、そこから続きが無かったので「打ち切り!? エロ過ぎて打ち切り!?」と戦慄してしまいました。その後、普通に「放課後プレイ アペンド版」を挟んで「放課後プレイ2」が始まった時は、続いたという喜びもありましたが「え? やっぱりあれで終わりなの? カタルシス! カタルシスは!?」とそれはそれで再び戦慄してしまいましたけれども。
 ラブエロる漫画、としてはなかなか悶えられる作品なので、これで名前が広まればいいんだけれども、どうなるやら。そして、今連載中の「2」はラブエロるのだろうかも気がかりです。さっぱりそういう方向が出てこないからなー「2」。
 とかなんとか。

*1:お子様も買う電撃PS誌なので他よりボーダーが高い。今発売中の電撃PS vol'439ではその限界突破してしまって規制かかってますが

*2:4コマ目で落ちない、あるいは次に普通に続いてしまう