感想 北浜勇介 『USA 2』

USA (2) (Dengeki Comics EX―電撃4コマコレクション (DE103-2))

USA (2) (Dengeki Comics EX―電撃4コマコレクション (DE103-2))

 大体の内容。「裏表紙の4コマで語られている通りですよっ」。本当にあれが過不足無くていいんだよなあ。名は体を表すというか、絵は体を表すというか。あの内容が間違ってないどころかその通りだから困る。不足があるとすれば、ゲーム分と喪女分(永城&日野ペア)がちょっと足りないくらいか。一応“なんとなくゲーム系”としてのなんとなくさはちゃんとしているから、なんとなくゲーム系。ゲームに対してこういう濃度のものがあってもいい。それも私だ。じゃない、それが自由だ。
 さておき。
 この巻辺りではまだ金村さんがm最近の二コマオチ要因として出るという不遇なんだか優遇なんだかではなく、普通に不遇を囲っていますが、それ以上に不遇なのは、一回登場したきり誰もが忘れてしまったメガネのことが好きなメガネの後輩(名無し)でしょう。この巻を見るまですっかり存在忘れていました。つか、いたね、そんな人。以降全くでないという不遇は、きっと使いまわしが難しいのと、暴力方向へと漫画自体が舵切っちゃって、メイン二人の恋愛方向も枯れてしまって、微妙な三角関係とかに向かわなくなってしまったのが原因なんだろうなあ。と過ぎ去った時に思いをはせてしまうのでありました。
 不遇はそれでいいですが、じゃあ優遇は、というとお父さんお母さんの両親コンビ。両親でコンビって何か違う気もしますが、昔の二人はコンビって感じなので、まあいっか。
 その両親コンビの優遇ぶり、というか過去のお母さん可愛いよ過去のお母さんすぎるのが堪りません。高校生時代も新婚時代もどちらも可愛らしい。妹せびられて顔を赤くとか、ともと言われてムカッとか、強気っ子の基本形といえる点をきっちり踏襲しているのが素晴らしい。
 そして強い。この辺りから強さのインフレが凄くなって、最終的に最近での「500人一睨みで黙らせる父より強い母」という無茶に繋がってきているんだなあ、と無駄に実感できるぐらい強い。まあ、母が強くないとあの兄弟の強さレベルでは手がつけられないんだろう、と思えるのでそうなるのはむべなるかな。しかし、このままインフレが続くと、いつか世界レベルとか宇宙レベルで強いとかそういう話になったりしねーだろうな……。
 あ、永城先生はいつも通りでした。出番的に優遇で存在的に不遇。たぶん連載中に春は来ない。