感想 中村光 『聖☆おにいさん 3』

聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)

 大体の内容。「色々キャラ増えましたね…」。梵天さんとか大天使とかをキャラって言ってしまっていいのか、というか許されるのかについては、それならこの漫画自体がタイトロープで跳ね回って、でもたまに踏み外して空中浮遊で対処してねーか? みたいな所があるので、限りなく玉虫色という日本的グレーという判定にして、自分の心の平均を保つ事にしました。
 さておき。
 今回は旅に出たり体育祭に松田さん絡みで出没したり、部屋を見に行ったりと思ったら資金繰りがピンチになったりしながら、自分達のしてきた聖人的行動の影響や新解釈、それと世間一般の行動の温度差によって笑いを取る、所謂聖人ギャグはいつも通りで、ということは相変わらずぬるんぬるんにぬるい話が続く事になるわけですが、まあ面子が面子(なにせ聖人)、シリアスしてもわりと一瞬にして解決してしまう可能性が極めて高い、実際変な形とはいえ人智超えすぎの事が結構起きてるし、ので、逆にこうやってぬるい方が力の使用に制約が効いていいのであるなあ、と妙な納得をするのでありました。
 で、そんな中で好きな話は大体全部ぬるくて好きですが、旅行先で温泉堀りの真似事したら出てきてしまった間欠泉(中身はファンタグレープ)の辺りがやたらと自分のツボにはまってゲララララと笑ってしまいました。「私の赤血球はぶどう味ならなんでもいいのだろうか…」は至言。なんとういか、一々難儀すぎる。それ以外でも旅編はいつもと少し場所が違うから出来る事をここぞとしていて、それがなかなか楽しかったです。他は梵天さんか。解釈の仕方でこうもくどい人になるのかー。っていう見本。完全なプロデューサー気質+押し強い、ちょっと迷惑な所のある人(?)と描写されていまして、その押しで四苦八苦するブッダが見もの。見ものって言っていいのかどうかって気もしますが。
 総じて言うと、今回もぬるくて良かったです、というひねりの無い言葉しか出てきませんが、まあ好かったんだからいいよ。