感想 シバユウスケ 『チェルシー 1』

チェルシー (1) (まんがタイムKRコミックス)

チェルシー (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「お笑い、するよ!」。萌え4コマは基本的にギャグ4コマの亜種、あるいは4コマという形態自体がギャグを持つものとして存在しているので、それがお笑いを志向する、というのはなんだか一周回っていて、なんとも興味深い。きららの広告を見てそう思ったのが購入動機。
 見所。ちゃんと一分ネタをやった辺り。おためごかさず、きちんとしている! という辺りはこういう部活物(部活じゃないけど)で珍しいんでない? と無知をひけらかしてみます。そんなことはないよねー。それはさておき、文化祭における一分ネタは本当にきっちりと作っていた辺りはマジ好感です。きっちり面白い、あるいは面白いだろう、というのも白眉。ショートネタとはいえ、4コマだと4本にまたがるというくらいに結構長く続いて、それでもちゃんと4コマのオチ部分で落とすのをやってくる、というのはなかなかいいんじゃないかしら。
 そして、その後にボーナストラック的に急遽ネタを、というのがこの巻のハイライト。なにせネタあわせとかほとんどしてない状態で、他のコンビと一緒の合同コントって形になるわけですが、これがわりとぐっだぐだに。でもそのぐだぐだ感と無理やり終わらせる、という流れはいい意味で無軌道。パッションだなー、って気持ちにさせられます。巻の中盤からこの辺の盛り上がりの為に話が流れていくためか、西川さん(眼鏡生徒会役員)がそっから全く出番が無い、という不幸もありましたが、まあ次の巻辺りはしばらく平常運行するだろうから、出てくる可能性はなくない。信じるんだ!
 とかなんとか。総じて、巻終盤の良さが味わえるまでが長いかもしれないけれど、それまでも非常に安定感があるので、ある意味安心安全。そんな漫画。