感想 『けいおん!アンソロジーコミックvol'2』

けいおん!アンソロジーコミック (2) (まんがタイムKRコミックス)

　大体の内容ってアンソロジーですから、けいおん!に関わるエトセトラって内容です。
　大体の見所は、

1. 百合スキーキャラ設定が一人歩きしていくムギ。
2. コバヤシテツヤの　すごい　原作と見まごうノリ。
3. どう考えてもkashmirはやりすぎ。

　の三つでお送りいたします。いたしまーす。んがぐぐ。
　順に見ていくと、この巻ではムギのフレーバーなネタであった百合スキーっぽい所が、何故かクローズアップする作者さんが多い印象がありました。それもだいぶ極まっている感じで、正直こんなムギいやや！　と駄々っ子したくなるけれど、ネタとしては扱いやすいのだな、と理解も出来ました。変態キャラってホント使いやすいんだなー。でも、ムギはそんな子やない！
　さておき。
　全体的にけいおん!ノリを自分流に解釈し、換骨奪胎していく、たとえば未影さんの『生徒会長ズ』のような掘り下げの無かったキャラを綺麗に掘り下げる話とか、そうでなければ俺様の美技に酔いなとばかりに蹂躙するのがこういうアンソロジーの醍醐味ですが、そんな中にあってコバヤシテツヤさんの『しゃみせん!』はキャラの使い方、話の展開、ゆるいノリが、かなり高いレベルで原作けいおん!に近く、かきふらいけいおん!を読んでいるような錯覚すらありました。たぶん、コバヤシテツヤノリが原作けいおん!にかなり近しいものがあるのと、確かな腕の冴えでしょう。たぶん。
　さておき。
　今回は蹂躙タイプは少ない傾向で、というかほぼ無かったのですが、それでも「ほぼ」、つまり例外はあって、それがkashmirさんの『だいにけいおんぶ』。
　これを一言で言い表すと「やりすぎ」。
　その偏執的な描き込みと、それに比例するどうしようもない退廃な雰囲気、そしてアレな感じが多かったこの巻のムギの中でももっとも一番おかしいムギ。これらががぶり四つを組んで、本当に名状しがたいとはこういうのを言うんだな、っていうものとなっております。他がそれほどやりすぎてなかったので、一際浮いておられました。つか、やりすぎ。
　そんなわけで、ごく一部以外はわりと穏当なアンソロジーではあったと思います。一部が極まってるけれど。つか、やりすぎ。