感想 氷川へきる 『ぱにぽに 14』

ぱにぽに 14 (Gファンタジーコミックス)

ぱにぽに 14 (Gファンタジーコミックス)

 大体の内容。「なんかアソート感満載でしたね」。13巻が一つの流れ、お題を軸にって展開だった反動か、今回はアソート感満載でお送りされます。まあ端折っていってしまえばいつもの『ぱにぽに』ノリ、と言っていいと思いますが、実の所、『ぱにぽに』にも段階というものがありまして*1、『あずまんが大王』フォロアーとしての独自性を保とうとしていたのが第一段階。『あずまんが大王』が終わって自分の立ち位置を模索して色々な展開をしだした第二段階。位置を確立したと思ったらアニメ化の影響を受けて迷走感が満載だった第三段階。今、そして今ッ! がそれらの要素を己に取り込み、進んで発展させている第四段階なわけですが、この巻はアソート中心でありながらも、ストーリー的なものの処理などをこなしたりと、第四段階の色を濃く見せてくれております。*2
 メインの日常的な局面の裏で、ショートストーリー的にベッキーが危機、という見せ方な“長鞭馬腹に及ばず”、メソうさVSロボウサというメインイベントの中でも人によっては全く関係ないことをしている“闘う雀人を恐れず”などは、第一とも第二とも第三ともいえない、まさに第四段階らしい出来となっております。
 でも一番好きな話はプール貸切の話で、犬神家やホモ発言や獣の目といいところ満載なんですが、それらを差し置いて一番いいのが、空母浮き輪に心動かされるベホイミだったり。あのうずうずしてるベホイミマジ可愛いんですけど! ずっとあの姿でいてくれたらいいのに…。

*1:適当な事をいう時に便利なありまして話法。

*2:段階の大まかな目安は、都の扱いである、という仮説もありますが、長くなるのでここではそういうのがあるよ、というだけで済ませます。