感想 ヤマザキマリ 『テルマエ・ロマエ 2』

テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)

テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)

 大体の内容。「兄じゃ風呂か! 風呂、風呂、風呂か!」。そういう漫画だとは分かって読んでる、むしろそうじゃないといやんですよ。なので、風呂風呂風呂で攻めてきってきてくれるのは安心の一言。今回は風呂単体より風呂にまつわる話が増えた印象ですけれども、風呂の形態にも限界があるし、そうなるのは読み手側としては余裕で許容範囲ですが、しかし、この巻の一発目が男根信仰の話って許容範囲の枠に対して内容が振れすぎじゃなかろうか。と言うくらいにこの漫画の許容キャパギリギリっぽい話でした。ただ、この漫画の基本としてあるそこに二度行くことは無い、一期一会である、というのはいつも通りきっちり守られていたし、流石に今後はそうそうこういう話にゃならんでしょうから、まあなんとか安心を持って見れます。それでも正式連載一発目にこれってやっぱりこの蛮勇はかっこいいです!
 さておき。
 今回もルシウスが日本側に来て、大体裸という哀れな姿で、現代日本の先進風呂技術を見て凹み、しかしそこから自分の抱える問題の解決法を修得する、という基本フォーマットは変わりません。今回は服着てる場合もありますが、やっぱり真骨頂は素っ裸で悔しさにがくりと頭を垂れる姿。今回はその両方が整う事はなかったりしますが、それでもワニ園でその発想に負けを感じて突っ伏す哀愁漂い過ぎて場違い且つ哀れな姿が見られます。このシーンのシンプルに悔しそうな様は、まったくもってこの漫画らしさだな、と思わせるもの。きっちり裏の糸として提示されだしたローマ帝国の趨勢も気になるところですが、やっぱりこの無念の姿がどう表されるかこそが、『テルマエ・ロマエ』ですよ。うん、言いすぎ。