感想 源五郎 『ましゅまろ×タイフーンッ 2』

ましゅまろ×タイフーンッ (2) (まんがタイムKRコミックス)

ましゅまろ×タイフーンッ (2) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「JC+セクハラ=妙なエロス!」。この漫画の利はやはりきな子のおっさん臭いセクハラによるおっさん臭いエロスが大体なわけですが、それはこの巻でも間違いはなかった感はあります。ただ弱点もそのセクハラで、結局胸揉んでるだけの場合が多くなってしまった、要するにセクハラのネタ切れが停滞感に繋がってしまった感じはあります。それが連載終了に繋がった、という説を出されたら然りとしか言い様がないくらいに的を射ていると思います。とは言っても、この漫画の利はそのセクハラという点だけではない、地味に瞬間的にいい話に持っていくスキルというのも実はありまして、それがもうちょい前面に出ていたら、と思ったりするんですが死んだ子の歳を数えても仕方ないんで、そこは粛々と受け止めましょう。
 さておき。
 二巻目の特徴はメインキャラ四人目の登場、つまりさっちん登場がトピックではありまして、妄想少女というのはそれだけで味わい深いなあ、という感想が駄々漏れてしまいます。だってエロい小説書いてるんだよ、JCが! それだけでご褒美でしょうがスピス!(鼻息荒) 一巻のちびんちょ導入がこの漫画に良い影響、つまり明確な突っ込み役の登場に寄る締りを見せたように、さっちん導入も一辺倒になりがちなエロスの話に多角的な攻め手を与える。そう考えていた時期が俺にもありました。実際、それなりに多角的な方向性を仄見せたりはしてるんですが、やっぱり結局胸揉む形に移行してしまうのと、きな子のセクハラが雛限定であるのとが合わさりあって、折角巨乳設定があってもかなり無駄に終わってしまっていたのが勿体無い所。ある意味、設定に忠実であった、という事は言えるので、変に迷走するよりはしっかりとした足場を持っていたんだなあ、と思うのが精神衛生上宜しいと思います。というか、もうちょいキャラを早めに増やしていく形の方が、意外といけたんではないか。そう思ったりもするんですが、ワンキャラを大事にする、大事にエピソードを作るというのは良い仕事だと言いたい事もあり、生半にはキャラ連発してれば、とも言いにくかったり。丁寧すぎた、というのは言いたかない言葉ですし。
 さておき。
 この巻でのベストエピソードはやはりさっちん導入回。一話でどういう子かかっちり語りきった見事な仕事だと思うんですよ。Eカップ、妄想子、小説を書いてる、まごまごなど、その後の回が必要ではない気がするくらい、この一話でさっちんの大体の所は描写されています。この回の仕事は確かに見事なのになあ…。その後の回はキャラとキャラが馴染むまで、というのを丁寧にやってるともいえますが、導入回がしっかりしてるせいで単に冗長とも取れるんですよね…。二話くらいでちびんちょに小説バレまでやっても、とか上から目線が自然と出てきます。そういう意味では、しばらく勿体無い回が続いたのも良くなかったのかなあ、と死んだ(略)。