感想 魔神ぐり子 『ひよりすと 2』

ひよりすと (2) (まんがタイムコミックス)

　大体の内容。「ひよりさんが良心回路過ぎて他がまかり間違った無双してたな…」。萌えっぽいモノと魔神ぐり子味の変態度とが交錯したせいで、軽い事故を起こしていたこの漫画も、この巻で最終巻となりました。特に終わるよ！　という感じの終わり方ではない辺りが哀愁を誘います。作者本人的にはこんな終わり方でいいでしょう、と言ってるので、そうですね、と答えるのが正答だと思いましたが、まあ展開というか、ノリが完全に固定してしまって一郎太が変態無双し過ぎてたので、潮時とはこういうものなのかもなあ、と思ったりもしました。
　この漫画も、1巻辺りはひよりさんがひよりさん可愛いで進んでた所が多かったんですが、1巻終盤から変態話が色濃くなってしまっており、それがまあ、萌えっとしたモノに変態を混ぜるという化学反応がスパークしてたのですが、それが2巻ともなるとひよりさん可愛いより変態ネタが前面に出てしまい、普通の魔神ぐり子漫画になってしまった感が満載となっておりました。というか、一郎太便利過ぎるのが悪いんや…。他のキャラ、特に熊となつめの存在感を完全に食ってしまったのがなあ。嫌いなキャラじゃないので尚更曰く言い難い。なつめとかもう少しエロネタ行けそうだろ、と言う所で大体一郎太が、ってパターンだもんなあ…。
　さておき。
　最終回になる前に、実はという事であるネタが開陳されますが、それを突っ込み過ぎないのが好感というか、なんかいいなあ、と。これだけ変態の自重しなかった漫画で、しかし草介が大変態に覚醒してしまいそうなタームなのに、そこで変態として突き進まなかった、というのはなんだかフシギ！　勝手な言い草ですが、そこで一気に突き進んでたらこの漫画普通に終われなかっただろうなあ、とも思ったりも。そうなっても良かったのよ？　とチラ見してしまいますが、その辺が魔神ぐり子せんせの最後の一葉だったのだろう、と思うことにします。まあ、変態は一郎太だけで十分だったし、草介はひよりさんに対して変な胸のうずきを持っていたりするそこそこ変態の素質は見せ付けてくれたし、いいか、とも思いますけれども。その部分がクローズアップしすぎでひよりさんが目立たなくなっていくのを見た後だと、やっぱり、一巻辺りが神がかり的配合比率だったよなあ…。とかなんとか。