感想 林トモアキ 『レイセン File:4 サマーウォー』

 内容を要約すると「ヒデオに絡む女性陣はイロモノ」。イロモノ。この台詞を最初に見た瞬間にヒデオの死に哀悼の意を表したのは秘密です。っていうかヒデオ酔ってた+その後の台詞で良い話になったから良かったものの、一歩間違うとマジで死か、死より酷い目に遭ってたのは確定的に明らかだったのではないか。そんな恐怖もありましたよ。こんな所で薄氷を踏む事になろうとは…。『レイセン』恐るべし。
 という冗談はさておき。
 今回のメイン話は副題の通り『サマーウォー』。前中後編遭わせた中編でしたが、ストーリーラインは少し進んだかな? 程度。オーパーツ的知識が色んな場所に出回っている、という前提が積み上げられる回だった、という感じですね。この積み上げが上手く機能するのか、はたまたいきなり瓦解するのかは林トモアキ節のワザマエ! が炸裂するその時まで待ちという事でいいでしょう。期待して待ちたい。そう思います。
 さておき。
 実際の話の方でツボだった辺りに言及すると、前編は花果菜に見事に嵌められたヒデオの闇よ来たれり!!の求めに面白そうだからと全く応じないノアレと、セキュアにやり込められるウィル子、そしてその後話が変な方に向いたけど、結局ここは逃げない、と決めたヒデオが良かったですね。ヒデオも少しは変わってるんだな、というのがこういう場面で見せられるとは。と驚愕したりも。でも、ノアレも酷いよね。お前それで契約してる意味あんのかと。っても、ノアレはヒデオのピンチが好きって歪んでる奴だから、しょうがないか…。
 中編は風呂。綺麗所が入ってくる場面は当然いいですが、それより、ヒデオがウィリアムの、セキュアICの裏に“組織”的な物を嗅ぎつけ、切り込んだ辺りが良かったと思います。こういう所の勘所は本当に卓越し始めてるヒデオです。そのうち、凄い奴になりそうな雰囲気ですらあったり。
 後編はウィリアム良かったな。というより、ウィル子、本当に神なんだな、という印象が強かったり。セキュアを具現化させる、って本当に神の御業。それでセキュアに危険が及ぶ可能性がかなり減ったわけで、偶然とはいえいい事してるんだなあ。とか。いや、『レイセン』に入っていままで神っぽい事してなかったウィル子が、というのにビックリしたのかも。こういう唐突さも林トモアキ味、と言えましょうか。木島? 居たねそんな人。
 さておき。
 にしても、エレノアさんは出てくるタイミングタイミングで無茶苦茶だなー、って思わせる凄いキャラになってしまった感があります。この巻でも最後の話できっちり出てきた瞬間にもう駄目だ、この話オワタ。と思わせる存在感でした。実際には良い話に落ち着いたのが不思議過ぎる!コワイ!レベルでしたし。しかもエレノアさんが良い感じに締めてたし。良くこんな展開になって収拾するよなあ。凄いなあ。流石林トモアキ
 とかなんとか。