感想 原作:流圭 作画:ほた。 『トリガーハッピーウィッチ』1巻

 大体の内容「魔女のチーさんのぶっ壊れ性能」。初っ端からの金の錬成(うまい棒を媒介に使用)というちょっと魔女じゃないんじゃねえか、と思われる所からスタートするものの、基本的に魔女のチーさんが成程、錬成とかもできるってのはつまりぶっ壊れ性能なんだな、と思わせる漫画。それが『トリガーハッピーウィッチ』なのです。
 基本的にほた。せんせの名前があるので買ったという側面が強いこの漫画への私の入れ込み具合ですが、ほう、いいじゃないか。こういうのでいいんだ、こういうので。という井の頭五郎台詞めいたものが出てくる内容となっています。魔法少女ではなくあえて魔女、とした部分はやはり魔女はある種理論の上に立っている存在だからかなあ、という印象もあったり。それゆえに、魔法な物が行われても、それがちゃんとバックボーンがある、というのが見え隠れするし、超常だけど理屈はある、と言うのも分かるんであります。女子高生魔女の日常として、ゆるゆるとしているけど普通の女子高生物のゆるゆるとはまたアトモスフィアが違う、更にほた。せんせの絵柄がプラスされる事による独特のケミストリが発生しており、それがこの漫画を単純なゆるふわでも、単純なシリアスでもない、変と言える領域にぶっ込んでいるのであります。
 その辺が特に現れるのが他の魔女とバトル事になる回、6話「はじめてのバトル」と7話「母を求めてストラップ」。魔女として相手と戦うというある種よくある内容で、チーさんこのままじゃ負けるんじゃ? とかこの人何を目的に? とかそこここにシリアスな芽が埋まっている回ですが、そこが育成もされつつ、最終的にこの漫画の題名が成程そういう意味もあるのね、という魅せ方、というかあれだけぶっぱして消耗してたのをちょっと集束させたらワンパンかよ! てなオチで、成程単純じゃないのな、と見せてくれる訳であります。どっちに対しても振れる余裕を持たせた内容、と言っていいでしょう。
 ただ単純な話として、それ故にこの漫画の行く末というか終息方向が今の所見えにくい、ここに到達すると言う場所が見えにくいのが個人的には気になる所。そういう面においてゆるふわな作品とは軌を一にする、どこかで終わるけどそれまでは終息方向が見えにくい、というのをやっているのは大丈夫なのかと。そこここでチーさんに何かある、その拠点に何か思い入れがあるというのは見えるんですが、それがどう繋がっていくのか。あるいは繋がらず終わってしまうのか。生徒会長の人の過去とか、メイさんが何故チーさんに師事しているのかとか、そういうのもあるけど、大きく繋がるのかどうか。うーん。でも、それもまたありなのかなあ。
 とかなんとか。

2014年11月10日のツイート