感想 水島孝之 『いとしのムーコ』7巻

 大体の内容「時は巡るしバイトも増える」。今回の巻は夏から冬にかけてのムーコの日常がつづられますが、こまつさんのガラス工芸店にバイトが! というのでやはり時間は進んで行くんだなあ、と思ってしまいつつも、いつも通りのドタバタに心和む。そんな『いとしのムーコ』7巻なのです。
 先に書いた通り、今回の巻は普通の毎日に、ちょっと変化があります。それの一つが、バイトのタマキさんがやってきたこと。タマキさんは犬苦手+篠原さんの弟、という事でかなり重要人物です。が、こまつさん達の住む秋田の豪雪に慣れていなかったりする辺り、この人元々どういう所に住んでたんだろう、という疑惑が湧きます。都会の方にいたという可能性がかなり高いですが、そこからどうして秋田にきて、こまつさんとこに厄介になったのか。篠原さんの伝手でありましょうか。
 そんなタマキさん、ムーコにはどうにも苦手意識があるというのと、ムーコが篠原さんの雰囲気を感じてぐるぐるいったりするので、今までではなかったコミュニケーションが行われているのが興味深かったり。ムーコも都度都度ぐるぐるいうのにあれ? ってなるのが可愛いです。基本的にムーコはバカ犬だけど賢くてという複雑なようで単純に結局バカ犬に見えるというのがありますが、それが今回もきっちり決まった形であります。特に豪雪時の雪おろしでタマキさんとたわむれるけど、それ結構危険だぞ! でも大丈夫なラインに落ち着く、という神業を見せておられました。出来ておる喃……、ムーコは。
 さておき。
 今回はタマキさん関連で篠原さんもよくよく出てくるので、うしこうさんがだいぶハッスルしていたのが印象的です。相変わらずこまつさんと篠原さんが仲良くなるのでは? という、今の状況だと邪推にも程がある事をまた再燃させたり、バレンタインデーでハッスハッスしたりしていたのが大変印象に残っています。今までこの漫画を読んでいる読者としては、うしこうさんは見かけああだけど大変いい人だというのは理解がされているので、その気持ちが成就したらいいなあ、とは思うんですが、それが上手くいかなくてぐぬぬ……、するうしこうさんもまたいい物なので、彼にはもうちょっとそういう立ち回りを演じてもらいたいです。というか、痩せたら結構イケメンだったよな、うしこうさん。前に出た時は吃驚するくらい今と違ってたから、どうして今の状態に? でしたが今回の巻で高校球児からチャラくなってスナック食いまくりんぐしていたのが発覚し、成程そりゃ太るわ。と納得させられました。でも、その段階でこまつさんに大きな転換点を与えてたりと、やっぱり重要人物だよなあ、とか。この漫画も三角関係がどうの、とかなる可能性は低いから、三角の一点の意味があんまりないけど。
 とかなんとか。