なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか?
張り紙が増えると事故も増える理由とは?
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人生がうまくいかないのには理由があった!
人生に不可欠であり、一見経営と無関係なことに経営を見出すことで、世界の見方がガラリと変わる!
東大初の経営学博士が明かす「一生モノの思考法」
Web記事を読んでいると、この本のステマ的なやつにすごく出会ったので読んでみた。
確かに読んでみると、なんか普段の行動が少しアップデートできるような気にさせられる、その意味でなかなかの良書であるのではないかと思った。
まあ、経営学、もう少し正確に言えばマネジメント学っていうのは、問題解決や問題発見の普遍的な手法なわけだから、それを日常的な事物に援用させることはたやすい。
我々の行動にはさまざまな非合理が横溢している。それをある程度つまびらかにもできるし、それを変えられれば、アウトカムも変わる。
だがまあ、しかしMBA修了者がプライベートでも皆幸せな生活を営めているわけでもない。
(まあ、それは修めた学問の「応用力」というものなのかもしれないが)
しかし、実際のところ、家電の動作不良の解決方法でもっとも有効なものは「コンセントがささっているのか確認しろ」と同じように、実生活でのコンフリクトの多くは「目的の手段の取り違え」で4割くらい説明がつきそうは気はする。
経営学が普遍的に役立つのは間違いないとは思うが、この本ではそこまでの細かい掘り下げをしているわけではない。
本当は、経営学で使っている問題解決手法を適用し、図示し、そのスキームを用いて解決する、みたいな問題解決のプロセスを見せてくれると、とてもインタレスティングなものになったと思う。
この本ではその辺の、スキームのチョイスとかそういうプロセスをすっ飛ばして「経営学」に長けたおじさんがいろんなことについて語りを入れている、という感じになってしまっている。もちろん万人向けの面白さを追求するなら、そういう本になって然るべきだ。婉曲なシニカルさがクリスプになっていて文章も上手い。
ようするに経営学の本ではなく、経営者でもある岩尾さんの面白い読み物を読んでいる、という感じ。」
こういう感じってジャズのアドリブでも言えることかもしれない。
理論によって導き出される部分と、実際に作り上げられたアドリブの精緻さ滑らかさの差といいますか。