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2013-05-13

石戸霞と鬼八伝説の繋がりに関して

先日のみちくさぼーやさんのこちらの記事のななしさんのコメント経由で知った田中さんの【咲-Saki-】 97局・三麻この感想記事の最後の方にある霞さんと鬼八(きはち)伝説には繋がりがあるのではないか?という仮説について。すっごく面白い考察だと思うので、まずは該当記事をご覧ください。
僕は今までも何度か書いてきましたが、咲-Saki-を愛読しておきながら麻雀に関しては全くの素人なので*1、2人がおしゃっているような河がおかしいとかそういう事については全く語る事は出来ませんが、そのかわりに咲-Saki-の描写の中から鬼八伝説に繋がるようなものがないかという事をいつものように調べてみました。とはいえ、霞さんのいわゆる絶一門モードはかなり描写が少ないのでかなり強引な部分もあるのですが…、っていつもの考察でも十分強引ですねw

また、この記事を書き上げた後に気付いたのですが、白揚羽さんも考える咲 : 第十八回「霧島の巫女」の中で霞さんの恐ろしいもの=鬼八伝説について触れられていました。ぜひ併せてご覧ください。

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まずは、鬼八伝説の概要を。鬼八伝説は宮崎県西臼杵郡高千穂町に伝わる伝説です。
話の内容としては、二上山に住む鬼八という暴れ鬼*2三毛入野命(ミケイリノミコト)*3が紆余曲折の末に退治するというストーリー。
三毛入野命は古事記や日本書紀ではほとんど何も記述が残っておらず、ただ神武東征の途中に常世に行ったとだけ記されているのですが、このお話では実は彼は常世に行ったのではなく、兄弟とはぐれた為に高千穂に帰ってきて…という説明がされているらしいです。より詳しくは第二十七話 ミケイリノミコトの鬼八退治|50の物語集(伝説編)|ひむか神話街道などをご参照下さい。*4

ところで、このお話は宮崎県のお話なので鹿児島県の永水の元ネタとしてそもそもどうなの?と思われた方もいると思うので、そこについての説明を。先日の記事でも少し触れましたが、小蒔ちゃんが宿し使う9人の女神の元ネタは、天孫降臨の際にニニギノミコトと行動を共にした9人の神様の事を指すと思われます。で、その天孫降臨の場所の候補地なんですけど実は2箇所ありまして、1つが永水女子もある霧島連峰の1つである高千穂峰*5、そしてもう1つの候補地が高千穂町なんです。また、『日向国風土記』の中にはニニギが降り立った場所はずばり鬼八がいた二上山である!とも記されているようです。という事で、このお話が霞さんの元ネタとして使われていたとしてもおかしくはないんじゃないかなーと思います。

5/16:追記 とおりすがりさんのコメントから思い出したのですが、高千穂町には天岩戸の舞台となったとされる場所があるとされるその名も天岩戸神社もあります。何度か紹介したように霞さんの名前は日本五大桜の石戸蒲(いしとかば)ザクラから採用されていると考えられますが、「いしと→いわと」と読みが変わっていますよね!ここからも、霞さんと高千穂町との繋がりを読み取れるかと思います。
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そういえば、1期のアニメの最終話第25話の「全国」で姫様が天逆鉾を突き立てるシーンがありましたが、この天逆鉾がささっているのが高千穂峰の山頂です。姫様は神様を降ろす事によって能力を発動させる訳ですけど、これって多分降ろすというのが天孫降臨からの連想なんじゃないかと思います。すると、姫様に降ろす=高千穂峰、霞さんに降ろす=二上山…というイメージなのかなぁ?ほら、二上山だけに二つの立派なおもち!とか。

次に、この鬼八が二上山のどこに住んでいたか。実はこれはあおいさんが永水女子と「天降女子」 : さくやこのはなの最後の方で既に指摘していたんですけど、鬼八が住んでいた場所はなんと乳ヶ岩屋と言います。
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この異常事態なおもちもこの岩屋の名前の所為…なのかも?
また、鬼八は夜になると岩屋の中に引きこもってしまうので、三毛入野命が夜にならないように太陽が沈まない呪文を唱えるシーンがあるんですけれど、ここから鬼八が岩屋から出てこない時は相手を倒す事が出来ない→防御が固いというような連想も出来ますね。これが、普段の霞さんは防御型という理由づけになってる可能性もあると思います。
後、なんとなくですけどこの部分って天岩戸伝説と似通ってる気もしますよね。名前との繋がりから霞さんの防御モードは天岩戸と関係があるのではないか、と考察された方もいらっしゃいましたね。

また、鬼八という名前も見逃せないポイントですね!
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これは10巻第95局[形代]の1コマです。上の絶一門モードを発動した時の霞さんと同じ格好をしています。ちょっと取り込んだ画像だけだと分かりづらいので、10巻の該当のページ(p.187)も参照していただきたいんですけど、よく見るとこの絵には恐ろしいものの目が8対ある事が確認できます。これって、鬼八という名前だから8対の目を描いた…と考える事は出来ないでしょうか?また、最初に紹介したお話だと鬼八は1人の鬼として描かれていますが、鬼八の「八」は1人ではなく、多数の意味であったとも考えられているそうです。*6つまりよくある話ですが、恐らくこの話の背後にはかつてこの地で大規模な勢力争いがあった事が窺えて、勝者によって敗者は鬼=悪者にされてしまったんじゃないかと考えられているんですね。もちろん、この8対の目はただの偶然かもしれませんが、姫様が宿し使う9人の女神の元ネタである神様たちが女神ではなかったように、霞さんの鬼八に関する描写にも多少のアレンジを加えたという事はありそうな事にも思えます。*7

そして何より。永水女子の姫様(神鬼)、はるる(鬼界島)、はっちゃん(裏鬼門)と3人に鬼に関係するワードが登場する以上、霞さんの恐ろしいものもまた鬼である、というのはとても納得が行く事ですよね!
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とまぁ、こう見ていくとなんとなーく霞さんと鬼八伝説が繋がっていてもおかしくないような気も…しますよね!
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また、恐ろしいものを祓う為に、巴さんとはるるが汗だくになりながら何かをしていましたが恐ろしいもの=鬼八と考えた場合、これは鬼八の崇りを鎮める為に高千穂神社で始まった猪掛(ししかけ)祭で行われる「笹振り神楽」*8に近い事を執り行っていたのではないかと思います。巴さんが手に持ってるのは笹ではなく幣(ぬさ)だけど…。

という事で、今回はまぁちょっと怪しいかなという部分も多いですが個人的には結構
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と思いますねー。

追記:さくやこのはなのあおいさんより、姫様の「九」面よりひとつ少ない鬼「八」と考えるとしっくり来るのではないか、とのご意見を頂きました。確かに姫様と霞さんは近い存在でもありますし、こういった連想もありえるかもしれないですね。


参考サイト
高千穂町歴史民俗資料館インターネット展示室
ひむか神話街道
@nifty:@homepage:エラー
高千穂神社 - Wikipedia
高千穂の夜神楽 - Wikipedia

*1:最近、ようやく少しずつ勉強し始めたところですが…まだ先は長そうです。

*2:鬼じゃないお話の場合もあるみたいです。

*3神武天皇のお兄さんです。

*4:ちなみに。そもそも霞さんの恐ろしいもの=鬼八伝説の根拠となった高千穂神楽という有名な民俗芸能の「谷が八つ峯が九つ戸が一つ鬼の住処はあららぎの里」という神楽歌の1節なんですけど、調べてる内にたまたま知ったんですがこれって島根県に伝わる石見神楽の『道反し』というお話の中の「峰は八つ谷は九つ音にきく、鬼の住むちょうあららぎの里」という部分にそっくりなんですよね。このお話では鬼は最後に許されて高千穂に向かうらしいんですが、ひょっとしてこの鬼が鬼八だったりするんでしょうか…。日本各地の神話にこういった共通点があるのは面白いですよね…って、全く本筋と関係ないですねw 道反し(ちがえし) - 石見神楽〈いわみかぐら〉公式サイト

*5:実は霧島連峰自体、鹿児島県と宮崎県の両方にまたがる山々なんですが

*6:こちらのサイトの記述を参照しました鬼八塚

*7:ちなみにこの同じコマから霞さんの恐ろしいものに対して咲-嘘-ニュースさんが別の解釈をされています。こちらも面白い仮説なので、併せてご覧くださいM1,2,4,8,17,34,68 : 永水女子・石戸霞の能力のモデルは死体だった - livedoor Blog(ブログ)

*8:これが高千穂神楽の原型になったと考えられています。

久は俺の嫁久は俺の嫁 2013/05/14 01:20 2行目から ( ・∀・)つ〃∩の連続なんですよねぇ……
永水まとめアンテナを作ろう(提案)

ロロとやえさんの繋がりは?ロロとやえさんの繋がりは? 2013/05/14 17:36 なるほど、乳ヶ岩屋ですか・・。あのおもちも納得ですね・・・!霞さんは、姉帯さんの追っかけリーチを早々に警戒してるあたり、素で防御が堅そうですよね。
そして、確かに八つの目のようなものにも見えますね・・・。
「八」という意味ですが、八百万(やおよろず)の神、八咫鏡などの意味でも八は多数という意味で古来より頻繁に使われていますよね。
あとは八方=全方位という意味もあり、勢力争いにより八方を塞がれた、という解釈も出来そうです。そういう意味では、「九」は新たな方向、道ということなのかも?

さて、個人的な解釈になってしまいました。ここらでもう一つ。
私の大好きな小走「やえ」さん、由来などを管理人さんに考察して頂いたりなどして、「八重」という意味であるというのもとても納得できますね!
すなわちこれも「八」ですね。私はやえさんのことを数えきれないくらい、またどの角度から見ても好きです!!

hannoverhannover 2013/05/14 22:47 >久は俺の嫁さん

まとめアンテナを作る事が出来るぐらい、もっと永水のファンも増えてほしいですね。僕としても宮守と同じように永水も全員の設定についてもっと調べてみようと思います。

>ロロとやえさんの繋がりは?さん

確かに「八」でたくさんだと、八百万の神なんかはすぐ思い浮かびますよね。「九」は新たな方向、道というのは面白い解釈だと思います。その場合、鬼八を退治したのはミケイリノミコトではなく、九人の女神そのものなのかもしれないですね。

そして、どんな記事でもやえさんの話題に持っていくそのスキルは見事ですねwその事については次回の記事にて取り上げる予定です。

とおりすがりとおりすがり 2013/05/15 20:02  私としては、鬼八はなかなか殺すことができず、殺しても再生した。→防御が堅い、
とも連想できましたがいかがですか。

 高千穂には岩戸・上岩戸という集落(そこに天岩戸神社も所在)もありますからそういう意味でも高千穂と霞さんの関連性も明らかでしょう。
 あと祖母山なる山もあってそれがうわなにをするちにや。

 ところで鬼八は阿蘇方面にも伝承が伝わっていますから、阿蘇から高千穂に来たのではないかとも考えられます。古代豪族の多一族(大和本拠、神武天皇の庶長子神八井耳命の末裔)と阿蘇との関連性から多一族に追われた鬼八が高千穂に移動してきたところに三毛入野命とかち合ったと見ても良いでしょう。
 そして鬼八伝承の面白いところは、平安から鎌倉時代の境目である文治五年(1189)という時期の奥書のはっきり書かれた文書が残っており、かつその文書に書かれた伝承が熊野信仰を織り交ぜつつ書かれていることでしょうか。しかも神楽に関する最古の記録でもあるならなおさら。

文治五年旭大神文書
http://blogs.yahoo.co.jp/ruriironohahasama/24686337.html
よくある質問(Q&A)神楽編
http://www.komisen.net/KaguraQandA.htm

 鬼八の末裔として「興梠」という苗字(声優・こおろぎさとみの「こおろぎ」はこの「興梠」である)がありますが興梠一族は「カムロギ」(男神の意)という語に由来して活躍した土着民の一派としても知られている一族です。そして氏神の荒立神社はサルタヒコとアマノウズメが祀られている。そのことからもhannoverさんが宮守の考察で追及なさっていた「山人」のテーマともつながるのではないかと思います。鬼八の逃走経路に椎葉などもありましたし。

鬼八伝承をめぐって土蜘蛛と山姥 荒木博之
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1998/00417/contents/003.htm
荒立神社
http://www.kumaya.jp/atikoti99.html


追記:「やえ」という言葉は彌栄(いやさか、やさか)とも書けますよ。(IMEにて確認)

hannoverhannover 2013/05/16 02:17 >とおりすがりさん

>私としては、鬼八はなかなか殺すことができず、殺しても再生した。→防御が堅い、とも連想できましたがいかがですか。

なるほど、その考えもありですね。そして、天岩戸神社については触れる事を忘れてましたね。追記しておきます。

紹介してくださった資料については、これから読ませていただきますが、確かに鬼八の逃走経路には椎葉もありましたし、「山人」とも繋がりますね。また、霞さんではないですが霧島山もまた修験道の山だったらしいので、シズとも繋がったりしますね。後、小走先輩の名前が何故「八重」かもしれないかと思ったかについても近いうちに記事にしたいと思ってます。

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