2015-04-28

（ネタバレあり／観ようと思ってる人は予告編も視ない方がいいです）

韓国映画を観る度に、当たり前だけど日本人に容貌が似ていて「あ、○○に似てる」と既視感を味わうんだけど、

それにしても韓国人役者の面構えの良さは何だろう。

みんながみんな“いい顔”をしてて、源泉は同じでも、孤島と半島の違いを改めて思い知る。

【殺人の追憶】のポン・ジュノが製作、同作の脚本を手掛けたシム・ソンボが監督した『海霧』は

荒々しいながらも陽気に働き、喰い、呑む《海の男たち》の描写で始まる。

しかし不況は海にまで及び、男たちが乗るのは廃船を漁協に迫られる程のオンボロ船。

船長（NTR）は漁だけでは最早立ちいかない事を悟り、“密漁”を越えた“密航”に手を出す。

中国から密航して来る朝鮮族の人びとを船に乗せ、港へ運ぶだけの、それは簡単な仕事の筈だった……。

しかしこれが簡単に完了する訳も無く、様々なトラブルが次々に巻き起こり、そして……。

韓国の漁船を舞台にしながら、勿論これは、人生の縮図を描いた物語であり、

題材となった中国人密航事件という実話を超えて我々に迫ってくる。

だから物凄く演劇的なんだけど（原案は実話を元にした芝居）映画でしか表現出来ない描写で埋め尽くされた大傑作。

いやあ、やられたやられた。

しかしチョルジュ船長を演じるキム・ユンソクはすっかり怪物役者になっちまったなあ。

今現在の2015年映画ベストワン。

（昨年のベストワンは『テロ、ライブ』だったし、毎年韓国映画にはやられてる。

韓国映画恐るべしと思うと同時に、何故我が国でこの様な面白い映画が作られないのかという想いも抱いてしまうよ）

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