半坪ビオトープの日記

筑波山、巨岩・怪石巡り


巨岩・怪石が次から次へと現れる。ここは母の胎内くぐりという。洞窟を潜り抜けることで生まれ変わるといわれる。昔から洞窟は異界、死者の世界への入口と考えられ、洞窟の中で修行し、出てくるときには罪障が払われるとされ、胎内くぐりは日本全国にいくつもあることになった。

この大岩は陰陽石という。陰と陽の相反する二つの巨石がぴったり寄り添うように聳えている。

こちらの大きな岩は国割石と呼ばれる。太古の昔、集まった神々がこの石の上に線を引き、それぞれの行くべき地方を割り振ったといわれている。

こちらの奇岩は出舟入船と名付けられている。元来、「熊野の鳥居石」と呼ばれ、石の間から熊野を臨み礼拝したという。船玉神を祀っている。石の姿が出船と入船が並んでいるように見えることから、そう呼ばれている。

この風変わりな岩は裏面大黒という。大きな袋を背負った大黒様の後ろ姿のように見えることから名付けられた。それにしてもよくいろいろな名前をつけるものだと感心する。

覆面大黒のすぐ先に小さな渡神社が祀られている。祭神は蛭子命である。

この大きな岩は北斗岩という。弘法大師妙見菩薩を見たという伝説に基づいて、そう呼ばれている。左手には小さな小原木神社が祀られている。祭神は月読尊である。

登山道は北斗岩とその右手の岩との間をくぐり抜けていく。

やがて左手に屏風岩の標識が立っているが、ロープが張られている。屏風のような岩場に素戔嗚尊を祀る安座常神社が建っているというが、崩落の危険があるので立ち入り禁止となっている。

この大仏岩は、高さが15mもあり、下から見上げた形が、大仏が座っているように見えることから名付けられた。

大仏岩を過ぎると女体山山頂間近となり、大岩が積み重なるような急な登山道となる。登山道脇の湿った岩場に、ダイモンジソウ(Saxifraga fortunei var. incisolobata)が白い花を咲かせていた。北海道から九州までの湿気のある岩上に生育するユキノシタ属の多年草で、花期は7〜10月である。花弁5枚のうち下の2枚が長く伸びて、花の形が「大」の字型になることから名付けられた。