ゲド戦記

仕事に余裕があると、いろいろ考える時間というものが増える。そういう時にいつも読み返してきたのがこの本。

影との戦い―ゲド戦記 1

影との戦い―ゲド戦記 1

ちなみにまもなく公開、スタジオジプリの新作映画、「ゲド戦記」はこのシリーズの第3作、さいはての島へ―ゲド戦記 3が原作である。

中学一年の時に読書感想文を書くために読んで以来、時々無性に読みたくなる時があって、全部、途中まで、途中から、合わせると数十回読み返してきた。読む者を引きつけるストーリー展開で一気に読むことができ、さらに読むたびに新しい発見がある。12歳の時には読み込めなかったことも今では読めるようになり、また心に留まる場所もやはりかつてとは異なる。

昔との違いはもうひとつ、今までは清水真砂子さんの訳でずっと読んできたが最近はル=グウィンの原作を読むようになった。

A Wizard of Earthsea

A Wizard of Earthsea

内容はもう、何十回も読んで頭に入っているわけだから、多少理解できない箇所があっても問題にはならない。ところどころ原文と訳文のニュアンスの違いも楽しみながら、あぁここはそういうコトだったのね、とさらに新しい発見もある。
(ちなみに、訳者の清水真砂子さんの文章がジプリのサイト)に載っている)

これだけずっと読んでいる本なので、自分なりの「ゲド戦記」の世界観があり、前述のジプリの絵を見ると、正直やはり違和感がある。ジプリの新作品だから、やっぱり話題になって、初日には観客が押し寄せるんだろうなぁ。そうやって社会に「消費」されることも、なんだか少し気に入らない。