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BASC理事長 原耕造のブログ

2011-02-18

失われた17年 1992年の試算 その2

12:37

次に1888年当時の実例を参考にカリフォルニアから日本にジャポニカ米を輸入した場合の試算をしてみた。商品名、商品形態、ともに同条件で設定し、アメリカの西海岸から太平洋を船便で渡り、東京で荷揚げ通関し、輸送形態は常温のコンテナ輸送とした。カリフォルニアでの現地仕入れ価格が800円/10kgのものが日本仕入れ原価で3200円/10kgとなった。輸入関税については当時は設定されていなかったので、日本での店頭小売価格を4000円/10kgと想定し、そこから逆算した関税111%を使用した。この関税111%という数字は、当時の国内標準価格米はカリフォルニ米に対して111%の関税を課さないと国内競争力を持たないということを意味した。

【カリフォルニア米を日本に輸入した場合の試算】

項目計算式DM価格円換算
カリフォルニア現地仕入れ価格A10,00 800
仕入れ経費・横持ち運賃B 2,00
アメリカ東部海岸FOB価格C=A+B12,00 960
船運賃太平洋D 6,00
CIF東京価格E=C+D18,001,440
通関手数料F 2,00
関税400%G20,001,600
当社原価H=E+F+G40,003,200
販売経費・横持ち運賃I 5,00
小売店舗仕入れ価格J=H+I45,003,600
店舗経費K 5,00
小売価格L=J+K50,004,000

失われた17年1992年の試算 その1

12:32

これから紹介するのは私が1992年に作成したカリフォルニア米の輸入試算である。1992年当時もガットウルグァイラウンド問題で日本の米の輸入問題が焦眉の的となっていた。しかし 実際にどうなるかは殆どの日本人は分からないので、1988年当時、私がヨーロッパでカリフォルニア米を輸入・販売していた事例をベースに検討を加えてみた試算表を作成した。これは私が西ドイツの駐在員時代にしていた仕事の実例である。ちなみに一連の試算表は「一粒たりとも輸入しない」の大合唱の前に誰にも相手にされなかったことは言うまでも無い。

最初にカリフォルニアから西ドイツにジャポニカ米を輸入した1888年当時の事例を紹介する。

輸入した商品はジャポニカ種で商品名は「錦」、現地で精米されたものを10kgの紙袋に入れて輸入をした。当時の為替レートは1DM=80円であり、アメリカの西海岸から東海岸まで運び、大西洋を船便で渡り、オランダのロッテルダムで荷揚げ通関し、西ドイツまで横持ちをかけた。輸送形態は常温のコンテナ輸送であった。当時はまだEUは統合されておらず、輸入品には課徴金という関税がかけられていた。

カリフォルニアでの現地仕入れ価格が800円/10kgのものが西ドイツ仕入れ原価で2560円/10kgとなり、店頭での小売価格は3600円/10kgとなった。

【カリフォルニア米をヨーロッパに輸入した事例】

項目計算式DM価格円換算
カリフォルニア現地仕入れ価格A10,00 800
仕入れ経費・横持ち運賃B 5,00
アメリカ東部海岸FOB価格C=A+B15,001200
船運賃 大西洋D 7,00
CIFロッテルダム価格E=C+D22,001760
通関手数料F 2,00
輸入課徴金G 8,00
当社原価H=E+F+G32,002560
販売経費・横持ち運賃I 6,00
小売店舗仕入れ価格J=H+I38,003040
店舗経費K 7,00
小売価格L=J+K45,003600

当時のヨーロッパではジャポニカ種の流通が殆ど無く、カリフォルニア米の販売先は殆どが日本食料品店と日本料理店であり、売り手市場であった。当時のカリフォルニア米は食味は炊き立てであれば日本の米と遜色ないが、冷やご飯として食べると日本の米との味の差が歴然とし、光沢は保存方法が日本と異なるため、光沢はかなり落ちるという評価であった。ヨーロッパでの販売価格も当時の日本国内の標準価格米と遜色なかったので現地在住の日本人からは喜ばれていた。カリフォルニア米の総合評価としては品質食味ともに日本の標準価格米より多少上位ではないかと思われ、小売価格が4000円/10kg前後で設定された場合、国内標準価格米にはかなり影響を与えるものと推測した。