理系のための プレゼンのアイディア 読了
プレゼンの"定石"をおもしろおかしく教えてくれる、この本自体が1つのプレゼンテーションだった。
- 作者: 平林純
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2006/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、「おわりに」まであわせてたったの162ページしかないが、プレゼンテーションのエッセンスがぎっしりと詰め込まれている。読みやすい大きい文字と、豊富なイラストでこれでもかというくらいわかりやすく、簡潔にプレゼンテーションの"基本"を教えてくれる。本書の中にある"Keep it short, stupid" "Less is more"のとても良いお手本と言える。
本書が教えてくれるハウツーに共通していることに、「プレゼンテーションは発表者と聴衆のコミュニケーションが重要」という点がある。「プレゼンテーションはバス旅行似にている」という話の中で、以下のようなくだりがある。
「プレゼンテーションの最中、発表者がスクリーンの方だけを見ながらボソボソと喋る」というのもよく見かける光景です。けれど、それをバスガイドにたとえてみると「窓の外を眺めながらひとりごとをブツブツつぶやくバスガイド」です。…最悪ですよね。気を付けましょう。
誠意をもって聴衆に話しているか?聴衆が知らないことをイメージできるように発表しているか?難しくてわかりにくいものを、わかりやすく見せているか?伝える情報量が過多ではないか?聞き手が落ちこぼれないような構成になっているか?スライド間のつながりがわかりやすいか?余計なモノを見せていないか?
「プレゼンテーションは発表者と聴衆のコミュニケーションが重要」とはとても当り前のことに思えるが、それをきちんと実践できている人はすくないのではないだろうか?自分の言いたいことで頭がいっぱいになってつっ走ったり、あるいはただの原稿朗読にであったり。理系に限らず、人に何かを説明する、説得するスキルが必要な人は、この本に書いてあることを覚えれば基本はバッチリ。あとは実践、実践。
欲を言えば、是非平林さんには、「発表する内容の絞りこみ方」についてもレクチャーしていただきたかった。この本は発表する内容はもう決まっているときに、How - "いかに"して発表するか、という本だった。What - "なにを"発表するべきか、ということについては触れられていない。しかし、このWhatができていない人って身近にも多いし、そのレクチャーは需要があると思うんだけどなぁ。ケースバイケースな部分が大きいので、とてもレクチャーが難しいとは思うが。
ちなみに、この本はhirax.netの平林さんの本だということがわかっていると笑えるネタが盛りこまれているが、hirax.netを知らない人、特に女性が引くかもしれない下ネタがあるので、そういう本が好きじゃない人にはお薦めできない。
次の本と〆切
- 作者: 佐々木直彦
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/06/23
- メディア: 単行本
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今週もテスト。次の土曜日(1/27)までに読み終わりたい。