2005-12-21
■[マンガ] よしながふみ、という現実
今一番気になる、と思って。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2003/12/19
- メディア: コミック
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「愛すべき娘たち」に感動してから、ずっと気になっていて、何も考えずにヤフオクで手に入れた彼女のマンガ2冊。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 1996/03
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- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 1998/02
- メディア: コミック
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……。
この人、ホモ書きじゃん!!!
ぜぇぜぇ…表紙で気づけ!って言われそうですが、気になってたんだもの…。よしながふみ。一応読んだけど。
表現としてボーイズラブという手段を私はいまいち支持できない。どうしても「逃げ」だと受け止めてしまうからだ。
書くほうも逃げ。読むほうも逃げ。逃げている後姿を人に見せながらこそこそとページをめくる女子たちを想像すると、糖蜜とバターがたっぷりのミニクロワッサンを想像してしまって激しい胸焼けをもよおしてしまう。男が描くオカマやホモの世界は大丈夫だけれど、女が描く理想郷としての「ボーイズラブ」という世界は、ファンタジーを超えてSF的に壮大な空想物語。宇宙的規模での生命の不思議として、どうして女は女を排除した男だけの世界に萌えてしまうのか、という疑問が残る。
何も男だけの世界は今に始まったものではない。萩尾望都も竹宮惠子もとっくに描いているし、昔から普遍的に女子たちは好んでその世界を読み書きしてきた。
今の男同士の恋愛マンガでは、その頃に比べれば少し軽くてセックスして何ぼのところがあるからなんだかなぁって思っちゃうけれど(だからかもしれないが自らに「ボーイズラブ」という自嘲気味のジャンル名をあてがっているのか)、しかし根っこのところでは「女以外で恋愛をする世界」として繋がっている。女は物語の中の女という性にうんざりしている。私だってホモの映画は気になるし見たいと思う。女の醜さを重々承知しているから。
そうね。
女は、自分の醜さから目を背けたいから女子を排除したいのだ。
美しい同性である女の恋物語より、まったく別次元である異性の男と男が巻き起こす恋のほうが冷静に意識を乖離して読める。どう見たって風貌はきれいな女の子なのに、ついてるものがついている。それで安心する生き物だ。女は。こいつは女じゃないから。っていうだけで好みの男がセックスするシーンを覗き見て胸を躍らせる。相手は男。女じゃない。女じゃないんだ。私じゃない。あの娘でもない。だからあの娘と私はまだ大丈夫。一緒のラインにいる。まだきれいだ。誰もこのラインをずるして超えたりしない。それがボーイズラブの暗黙の了解。
言い過ぎました。ごめんなさい。
話が逸れた。
とにかく、逃げのジャンルであるBLという世界で、このよしながふみは、かなり上質な物語を描いている、ということが言いたかったから前フリが長くなってしまった。
彼女のマンガに出てくる男たちは「美しい」では済まされない。そこが他とは一線を画しているのだ。そして細かなカメラワーク、というかコマ割り。計算してないようですべて計算済み。ホモの物語を「ホモの物語です」と言ってのける堂々とした態度が見て取れるのだ。
ここ大事。「ホモの物語です」と言えているマンガってたぶんだけど少ないと思う。
「男同士でセックスしたらアンタ萌えるんでしょ」という横柄な作品とは全然違うのだ。
いや、すべてリサーチしたわけじゃないからいい加減なこと言ってるとは思うけれど、少なくとも私が見た中ではね。
男同士という利点を最大限に利用している漫画家だと。
そんな中で、とうとう出たよ。これが。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/09/29
- メディア: コミック
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…!
将軍が女、そして大奥には何百人もの見目麗しい男たちがずらりと……。
どうなることかと思って読みましたよ〜。これにはやられた!と思った。
原因不明の疫病で男の数が激減した江戸の町。そこで女が男の仕事をしないとどうにもやっていけなくなった。そして遊郭には男がいて、貴重な男の精子を女が買って子供を作るというなんとも萩尾望都「マージナル」を彷彿とさせる奇想天外な設定だけど、この設定でしか語れない物語を描こうとしている作者の意図がちらほらと見えるのがずるい。だから私が言いたいのは男の無意味な美しさではなくて、今の社会って、こんな感じになってるじゃない、男が今こんな感じになってるじゃない、だから女がこうなっちゃったんだよ。わかってる?女がこんなだから男がこうなっちゃってるんだよ、わかる?みたいな。
何言ってんだ、私。
私にはそう見えるんだもの。すごいことですよ、この設定は。
最大限に今の時代の男と女のあり方をリアルに表現しようとしている「よしながふみ」という漫画家は、現代社会のボーイズラブ依存女子諸君に「このままではだめだって、自分で分かってるんでしょ?少しだけ現実をちら見してみない?きれいな男もきれいなだけでは生きていないものよ」的ジャンルを提示した。ような気がする。
言い過ぎました。
よしながふみ、手始めには「西洋骨董洋菓子店」などどうかしら。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2000/06/25
- メディア: コミック
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