秋のライブコンサート
「カルテット花火」が結成されて一年の集大成というべき
コンサートが29日に京王ホテル・ミラマーレで行われた。
グループはデュオからトリオを経てカルテットへと発展し
音楽の重厚感が増して本格的なラテンバンドへと歩む。
今回は20数曲を演奏したが演目はアメリカ大陸巡りで
ペルー、メキシコ、アメリカ、コロンビア、チリ、キューバ、
ベネズエラ、アルゼンチン、パナマ、プエリトリコ、等々の
ラテン諸国を旅周りのように音楽を奏でてライブを終えた。
満席のお客様を前にしてライブは緊張の連続だが、その緊張感が音楽を充実させる。
リーダー・マヌエルのチャランゴの超技演奏も披露されて会場は大いに盛り上がった。
以前アガリ症の自分には考えられなかったが、魔法にかかったように演奏に集中した。
とまれ成功裏に終わったライブの成果に酔いしれながら帰路のハンドルを握っていた。
隠居の独り言(1214)
自慢は恥ずかしいことだが誰にも一つや二つあるだろう。人に言わなくても心の中で
優越感に酔うのが自慢といえるが、さしあたって自己自慢は健康にも良さそうなので
ときどきというか、しばしば自慢したいことの一つはギターの弾き語りだ。歌を歌えば
肺や喉の呼吸器には良く、楽器を弾けば指先の運動なので神経細胞には最適だろう。
加えて歌詞のスペイン語と楽器の譜面を暗記するのは記憶力の活性にもってこいだ。
弾き語りという行為つまり弾きながら歌を歌うというのはそう簡単にできるものでない。
なぜなら音楽の演奏で歌とギターと二つを同時に音にすることは易しそうで難しい。
歌に気を取られればギターが疎かになりギターに集中すれば歌が歌えない。始めは
ギターの和音をジャラ〜ンと鳴らして歌を歌ってどこかで再びジャラ〜ンと弾いて歌に
繋げる。でもそれは弾き語りではない。歌のオタマジャクシと楽器のオタマジャクシを
併用して同時に演奏するのが弾き語りであって慣れるまでには結構な時間を要する。
始めはギターのできるだけ易しい曲を選び弾きながら歌を歌ってみる。慣れてくると
徐々に欲が出て好みの歌を演奏したくなり、より高度で難しい曲を演奏したくなるのが
常だがそこからが正念場だ。TVなどで見かけるアントニオ古賀や長谷川きよし、など
さりげなく演奏しているように見えるが彼らの今まで積んだ努力たるや想像を絶する。
自分は努力家でも天才でもないのでそれほど上達しなかったが10数年ほど前から
所属したアンサンブルのホームの慰問や発表会などで弾き語りを楽しんでいるときに
ラテンデュオのDuo Esperanzaから、お声をかけていただき仲間に入れていただいた。
バンド編成のため普通のギターからベースギターに転向し歌詞もスペイン語の語りで
難しくなったが遣り甲斐と充実感はまるで新天地を開拓する気分で練習に精が出る。
リーダーがペルーの本場の音楽家なのでラテン音楽そのものの境地に浸っている。
新鮮と驚きの連続は現在進行形だが今ではトリオから達人の加入でカルテットになり
その音の厚みは言葉に尽くせない。思えば自分の音楽は下手なジャラ〜ンに始まり、
ここまで成長できたのは素晴らしき友との出会いであり、友へ感謝してもしきれない。
自慢とは一人では出来ないこととつくづく思う。それを知ったのを自慢としたい。