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日記

2016-11-10

 今日も明け方に目が覚めてしまった。今日は父親がぼけてしまって部屋を荒らしまわる夢を見た。そこからまた眠りにつき、10時近くになって起きる。テレビをつけると、ちょうど始まったばかりの『ノンストップ!』でもトランプの映像が流れている。さすがにどの番組もこの話題かと思いきや、「イケメン三男バロン君(10)に注目」という内容だ。日本の俗化する力は目を見張るものがある。ジョギングに出る。明日は雨の予報なので、明日の分もと江戸川橋まで走る。40分ほどで帰宅。たまごを火にかけ、Siriに呼びかけて「タイマーを12分20秒にセット」と伝えると、タイマーが12分で動き出す。馬鹿かよ12分20秒だよと反射的に文句を言うと、「そんなふうに文句ばっかり言うからSiriに意地悪されてるんじゃないの、全部聞こえてると思うよ」と知人が言う。

 14時半、麻婆豆腐丼を食す。食後、コーヒーを飲みながら『FNSドキュメンタリー大賞 吠えろ闘犬球団 満塁男と最後に挑む』を観る。駒田が今年から監督を務めることになった高知ファイティングドッグスを追ったドキュメンタリー。いつかNPBのチームに入団することを夢見て、選手たちは月給10万円(練習生であれば無給)でなんとかやりくりしながら練習を続けている。監督に就任して最初の試合は、1安打完封負けという結果に終わる。監督は「こんな何もないプロ野球をみたのは初めて」「何もないのかお前たちと問いかけたい」と選手たちに語りかけるのだが、選手たちはこれで奮起するものなのだろうか? 出来る人に「なぜ出来ないのか」と言われてもただ呆然とするばかりではないか。

 ドキュメントは不調のキャプテンにフォーカスを絞ってゆく。彼はしばらくスタメンから外され、なんとかして這い上がって最後の夢を掴もうとする姿を追っているのだが、一方で出場機会のほとんどなかった選手が引退し、「最後の夢を追う場であると同時に、夢を諦める場でもあるのです」とナレーションで語られる。駒田新監督、いつも応援や世話をしてくれる“高知の母”、キャプテンの苦悩、ひっそり引退する選手――いろんな要素が60分弱に詰め込まれている。こんなにあれこれ盛り込むのではなく、目立たない選手に絞って欲しかった。似たような番組もあるにはあるが、高知ファイティングドッグスは「本格的な農業に取り組んでいる唯一の球団」だと紹介されており、農作業をする様子も少しだけ放送されていた。ほとんど出場機会のない選手が、農作業をしながら夢と引退のあいだで思い悩む姿を見たかった。

 16時、近所に散髪に出かける。いつもの人に髪を切ってもらいながら、いつものように読書をしていると、「橋本さん、私、子供の手術があるので、来月もしいらっしゃる場合は××日までにお願いします」と告げられる。ああ、わかりましたと答えたものの、動揺して読書どころではなくなってしまった。お子さん、病気されてるんですかと尋ねようか。いやでも、普段あまり会話をしているわけでもなければ、お子さんが何歳かも知らないのにそんなこと聞くのは失礼だろうか。ぐるぐる考えているうちに散髪は終わった。外に出ると、まだ17時のチャイムもなっていないのに暗くて憂鬱な気持ちになる。

 帰宅後、読書。19時過ぎに白菜とベーコンのミルクスープ作り、出来上がったところで晩酌。ハイボール3杯飲んだところで新宿にへ。まずは思い出横丁に出かけ、いつものようにホッピーを注文する。カウンターでは常連のお客さんたちが「“お”をつけると女性的になる」という話をしている。おビール、おトイレ、いやおトイレは言わないだろう、でもお手洗いは言うしお食事も言う――そんな話がひとしきり続いたところで、「じゃあおちんこは」と誰かが言う。この話題、それを言いたかっただけだろうと皆が笑っている。

 堰を切ったように下ネタが続き、おっぱいはどうだ、オナニーは、いやそれはドイツ語だと延々盛り上がっていると、「ごめんね橋本君、笑って聞いてね」と店主が僕に言う。しばらくすると下ネタも終わり、「じゃあお二階はどうなんだ?」という話題になる。「お三階とかお四階とかは言わないのに、お二階だけは言うよね」と。言われてみるとたしかにそうだ。平屋ではなく二階建ての家屋を建てたマダムが「お二階」と言い出したのだろうか。でも、「お二階」という響きからは戸建というよりは旅館のような建物が思い浮かんでくる。赤線で客を招くときは「お二階へどうぞ」と言っていたのだろうか?

 23時に紀伊国屋書店の裏で知人と待ち合わせる。外は小雨が降り始めていた。酔っ払っていたこともあり、少し待たされたことで不機嫌になり、散々文句を言って花園神社にたどり着いたところで別れることになる。10分ほど経ってまた合流して、まずは提灯を前にビールで乾杯する。知人は毎年チキンステーキを食べているのに、今年はなぜか米沢牛の串を食べている。ビールを飲み続けるのは寒いので、空席のある屋台に入り、熱燗を注文する。御会式の太鼓が響く頃になると肌寒くなり、紅テントの公演を経て、酉の市が開かれる頃にはほとんど冬だ。

 食べ物はおでんの盛り合わせと唐揚げを選んだ。おでんは玉子、玉こんにゃく、糸こんにゃく、たけのこと謎のラインナップである。スーツ姿の男性がずっと唐揚げを揚げているのが印象的だ。そのことをちらりと知人に伝えると、あの人、ごついサファイヤの指輪してると知人が言う。見ているところが違っている。こういう屋台といえば注文をとる女性がチャキチャキしているものだが、この屋台の女の子はびっくりするほどおろおろしている。どのテーブルからも「注文した××がまだ来てないんですけど」と催促され、注文をメモした手帖を何度もめくっている。知人が注文した焼きたらこも運ばれてこなかった。

 酉の市に来ると熱燗が飲みたくなる。知人と知り合って間もない頃、二人で花園神社の御会式に来たことを思い出す。屋台で酒を買うと高くつくので、コンビニで買おうという話になった。知人が選んだのはビールではなくワンカップで、これをレンチンしてもらうのだと言った。レンチンとは一体何だろうと思っていると、ワンカップを温めてもらうように店員に頼んでいる。店員はこともなげにワンカップをレンジに入れて、30秒ほど温めた。あの日は明け方まで飲んで、最後はゴールデン街の近くの遊歩道で飲んでいた。今年もこうして飲んでいる。焼きたらこはいつまで経っても運ばれてこなかったので、パンチの効いた味のする熱燗を飲み干し、屋台をでた。

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