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2007-02-27

マブラヴEXTRA2 友情 選ばれなかった人達の想いはどこにいくのか?

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マブラヴのノベライズ化作品の第二巻。以下ネタバレしてます。

ほぼ忠実に原作のEXTRA編を再現していて、ライトノベル単品としての完成度も別に悪くないとは思う。しかし、最後のオリジナルの展開だけは納得できない……。

純夏と冥夜のどちらを選択するのか?という問題を突きつけられたタケルが、純夏を選ぶところまでは良い。その後、タケル達は冥夜の結婚式を取りやめさせるために御剣家へと乗り込むことになる。そして、冥夜は最終的に結婚を取りやめ、タケル達との日常に戻る。これがよくない。

ところで、マブラヴは三篇からなっている。

タケルの普段の日常を描いた、単なるギャルゲーのEXTRA編。

そのタケルが突然、パラレルな世界へと飛ばされ、しかも人類滅亡寸前で四苦八苦し、そして結局人類が地球を放棄する選択をしてしまい、絶望するUNLIMITED編。

最後に、ある程度の記憶をもっていて、UNLIMITEDと同じ世界。今度は人類滅亡を避けようと努力するのがALTERNATIVE

と、成っているわけです。そして、このALTERNATIVE編で描かれていたテーマは「選ばれなかった人達の想いはどこに行くのか?」という事であって、EXTRA編やUNLIMITED編はそれを描くための下地になっているんですね。つまり、ALTERNATIVE編の為にあるシナリオです。

さて、この文庫2巻では、選ばれなかった人間であるはず冥夜の想いが描かれ、しかも、選ばれなかったはずなのに元の鞘に戻ってしまっているんです。

マブラヴの特異な点は、ギャルゲーなのに選ばれなかった人達の悲しみや、負の感情にスポットライトが当てられている点なんです。普通のギャルゲーやらエロゲーは、誰か一人を選んで、その人に好かれるような選択肢を選び、結ばれて終わりですよね。マブラヴは違って、じゃあ、そのときに選ばれなかった人たちはどういう想いをしていなかったんだろう?自分の「好きだ!」っていう想いが届かなかったときにどういう感情……恋愛での負の感情を持つんだろう?という事を最大限に増幅して描いた作品でした。そもそも、オルタでのメインヒロインとなる、純夏はアンリミテッド編で一度選ばれなかったという経験を前提として作られているキャラクターです。ゆえに、ALTERNATIVE編での純夏は、まさに選ばれなかったヒロイン達の気持ちを代弁している存在といえます。また、同時に、選ばれないことの苦痛を乗り越える、という事もALTERNATIVE編で書かれています。オルタラストシーンで、霞がEXTRA世界に現れた、ということは正にその現れです。

で、本来、原作では

・ALTERNATIVE編で選ばれなかった側の気持ちを描く

・なので、UNLIMITED編で一度選ばれていない事実を書く必要があった

・EXTRA編は普通のギャルゲーを象徴してることに加えて、全3編の土台

という格好になっているんですね。つまり、EXTRA編はなにがあっても、普通のギャルゲ・エロゲっぽく、選ばれない人達の気持ちは無視しなくてはいけなかったんです。悲しいことですがね。

なので、この2巻で既に選ばれなかった人達の気持ちを書いてしまったことは、テーマ的には間違いなんですね。しかも、選ばれなかったはずの冥夜が結局、純夏やタケルと同居して、純夏を選ぶ前の状況になってしまっている。これはテーマとはずれていると思う。実は個人的にかなり期待していただけに、結構ショックです……。

原作では、ゲーム性として、EXTRA編で選ばれなかった人達の想いを完全に無視して描いているんです。たまシナリオとか、純夏はどこにいった??冥夜はどこいったんだ??と思うし、それは彩峰や、榊シナリオでもまったくの同様。それぞれのシナリオにおいて、選ばれなかった純夏や冥夜の想いはどうなったんだろう?とは誰も考えない。

だからこそ、ALTERNATIVE編での純夏の想いは堪える。UNLIMITED編でタケルが自分以外の人間と結ばれてしまったこと、純夏はそのループした記憶をタケルからこし取っている。それはUNLIMITED編で純夏が選ばれなかったからだ。そして、純夏はその選ばれなったからといって、そこまで(記憶のこし取り)やってしまっていたことを激しく後悔する。

選ばれなかった人たちの想いは、宙を漂うしかない。

 

閑話休題

 

まぁ、それにつけても、御剣家の人々が、簡単にタケルに説得されてしまうのが納得いかないんだよなぁ。タケルの言ってることははっきり言ってガキの戯言なんですよねぇ(笑)大企業を背負う人間、マクロ思考の人間は、個人の自由や幸福を許されない。それを描いているのが、そういえば、今やっているコードギアスですよね。

それを描くにしても、反するテーマの「個人の手の届く範囲の幸せ」を描くにしても、どちらにせよ、何故御剣家はそこまでして冥夜を選ばなくてはいけなかったのか?という事をもっと掘り下げないとダメなんだよね。そこも、ちょっとアウト。もともと、タケルが冥夜ではなくて純夏を選ぶという理由に深いものが無いので、物語的にEXTRA自体がつまらないんだけどね(笑)

それにしても、期待していただけに、残念だなぁ……。


なかのひと