色んな「誰得」。

誰が得する話? と思った話題2つ。
・東急のマナー広告で、電車内の化粧は「みっともない」と宣言。
・文春が報じたレコ大出来レースの実態、バーニングが金払ったとかなんとか。



何で見たかちょっと思い出せないのですが、文春の中の人が、所謂文春砲と呼ばれる昨今の報道について、単純に面白がってもらうために、読者が興味持ってくれそうな事を報じているだけで、特定の個人を陥れようとか、正義の旗を振りかざそうなどと思ってやっている訳ではない、という記事を読んだ事があります。
ジャーナリスト精神を発揮して「あれはいかんこれはいかん」を伝えたいんじゃないんだ、ただただ「面白いだろ、こんな話」と言いたいだけなんだそうだ。
結果そのせいで人生変わっちゃった人達もいるから、ちゃんと責任取れよな、という気がしないでもないのですが、書かれるだけの事をしでかした当人の問題もあるので部外者はただその話を聞いて各々判断するほかありません。
そんな中で、上に書いた2つの記事は、「それは一体だれが得する話なの?」と思えてなりません。




・「電車内化粧」

東急グループのマナー広告として、ポスターと動画が公開され、女性から批判を集めているとのこと。
「都会の女はみんなキレイだ。でも時々、みっともないんだ」というフレーズが使われており、電車の中で化粧をする女性を揶揄しています。
それに対し、電車内で色々他人に迷惑をかける行為を行う人達がいる中で、何故化粧だけこんな言われ方をしなくてはいけないんだ、と批判する女性たちが出てきているとのこと。確かに、酔っ払いや痴漢や盗撮、優先座席の占領や座り込みなど、電車内で目に余るマナー違反は多々ありますよね。今回あえて社内化粧を槍玉にあげた理由がよく分からないという思いは分かります。
ただね、みっともないのはみっともない。そこは素直に感じましょうよ。
化粧直し程度にコンパクト覗き込んでパタパタ、パチンでハイ終了なら誰も何も言わないと思いますが、ようはスッピンで乗り込んできて一からお化粧始めちゃう人達の事でしょう? それは、みっともないですよ。
しかしながら、前回の記事も言いましたが、それは社内で車掌さんが注意するなり、時間帯や路線によって黙認する姿勢があったり、臨機応変にその場でなんとかすればいいだけの事であって、わざわざ広告上げて責めてみたり、そこに不満をぶつけてみたり、総じてみっともないですよ、と私なんかは思うわけです。
言われてみれば確かに「みっともない」。
しかしわざわざ言われなければ忘れてしまえる些細な事。
まさしくこれを見た私として誰得よこの話?







・「レコ大のヤラセ」

スゲー!どうでもいいー!
って思ったのは私だけではないはずです。
どうでも良いのはつまり、ヤラセでも本気でも、そもそもレコ大に興味がない、と思う気持ちと、ヤラセだろうがなんだろうがその業界が盛り上がるなら別にいいけどね、という気持ち。今回のニュースに対しては両方の思いがあります。
そもそもレコード大賞って、言われてみれば首を傾げてしまうのですが、主に新聞社が中心となって楽曲やアーティストを選出していたはずです。そんな賞、どうでも良くないですか?
ただ、昔からあるので、この日本国内においては有名な賞ですし、毎年年末に発表されるTV番組も含めて風物詩になっている事は確かです。
よくわかりませんが、受賞したらそれなりにお金が儲かるシステムなのかな?
ただ大分前から、受賞を辞退するアーティストがいたり、授賞式に出席しないアーティストがいたりで、権威も落ちているしあまり有難がられているイメージはないな、というのが正直な所です。
それでも、音楽で成功することを夢見て日夜頑張って来たアーティスト達が、実際に「今年はあたなですよ!」と選ばれて嬉しい気持ちも絶対にあると思うんですよね。
そして選ばれたアーティストのファンも、人それぞれ意見は違うと思いますが、ちょっと嬉しいと思うんです。
ここでも何度か書きましたが、私はベビーメタルが好きです。
もしベビーメタルがレコ大獲ったら、



「へー、ベビメがねー。なんかイメージと違うんだけどなー、日本というより世界で評価されてるイメージ強いからなー。ふーん、レコ大ねー、大賞ねー、ふーん」



くらいのテンションにはなると思います。
獲ったアーティストが大喜びしている姿を見たならば、素直に良かったなーという温かい気持ちにもなります。
レコード大賞という賞がどういうもので、その実態はこうで…
とかそんな事どうでも良いのです。
例えば、本で言うと「芥川賞」「直木賞」という権威ある2大文学賞がありますが、実際受賞した本が売れるのはそのどちらでもなく全国の本屋さんが選んだ「本屋大賞」だったりします。
なので今若いアーティストや実力のある歌い手が、どの賞を欲しいか、貰って嬉しいかは色々あると思います。
しかしそういう核心とは別に、単純に他人に「選ばれる事」。
「あなたが、今年の1番です」と声に出して言われる事の喜び、ってあるじゃないですか。
そういう意味で言うと、このレコード大賞にも大勢の喜びと幸せが詰まっているはずです。




さて、そこで。
そんな年末の風物詩、レコード大賞今年の受賞者は「誰々さん」ですけども実はヤラセでーす!
という報道になんか意味があるのか、と。
なんのための記事なのか、と。
バーニングが金出して、三代目JSBに獲らせたよ、と。
そんな事言われなきゃ分からないし、メンバー、ファン、興味ない人、日本国民に対してどんな「得」があるのか?
「損」しかないじゃないか。
疑いをかけられたメンバーに(おそらく)悪意などないだろうし、
叩かれるファン達も可愛そうだし、
興味ない人に至っては「やっぱりそうなんだ」と簡単に鵜呑みにするだろう。
何がしたいんだ文春。
仮に、お金渡して審査員を買ったとしよう。
で、なんなのさ。
他に誰か受賞に相応しいアーティストがいて、横から掻っ攫われたとでも言うのでしょうか。
私は日本のメジャーシーンに興味がないので、今年誰が受賞すべきか分かりません。しかしなんやかんやで露出の多いLDHグループのどこかが獲る事に違和感もありません。
昔よく言われた、某事務所のゴリ押し女優がネットで叩かれまくっていた話。演技がどうのこうの、バーターでどうのこうの散々と言われていましたが、今でもちゃんと生き残っておられます。それは本人の努力なくしてはあり得ない事。スタート時に事務所のバックアップを多大に受けたとしても、視聴者に受け入れてもらえるかは本人次第。その女優さんはちゃんと頑張ったんだと思います。少なくとも、そのゴリ押し女優を才能で押さえつけて飛び越えて行った女優が多く存在しない事も、たまに見るテレビドラマの顔触れを見ると分かります。全ては金の成せるワザ、なのだとしても、それを覆せるだけの実力を示す存在がそう多くないのもまた事実だと思いますよ。
ちょっと脱線しましたが、そういう事です。
ようは、業界が盛り上がればそれに勝る功績はないと思うんです。
金で動かない、実力だけで歌を届けたい、紛い物は許さない。
そういうスタンスで、己の力だけを信じて貫き通したい人達は、そういう道を選べばいいだけのこと。
実際三代目JSBを好きな人たちがいて、音楽業界に潤いをもたらしているのなら、それもまた一つの正解だと見るべきです。
何故それを壊そうとするのか。
そしてそれは誰の為?
何の為?
まさに、誰得。
誰も得してないと思います。
特にLDHに思い入れはありませんが、とても不憫に思います。